【ゲームニュース一週間】当たり前のゲームを医療に使う

新年明けましておめでとうございます。

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新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

新年最初の週はゲームと医療に関するニュースが集まりました。

英国シークロフト病院では、義手・義足の人にバランスWiiボードを使ってのリハビリが行われています。バランスWiiボードで体のバランスを測定、義手・義足を使用している新たな体のバランスに慣れるというわけです。苦痛を伴うリハビリとゲームを結びつける試みはいくつか存在しますが、楽しみながらリハビリできるのであればそれに越したことはありません。

英国オックスフォード大学からは『テトリス』がPTSD(心的外傷後ストレス障害)のフラッシュバックを軽減するとする研究結果が報告されました。トラウマを引き起こすような出来事を思い出すのがフラッシュバックですが、『テトリス』をプレイしたグループはそうでないグループに比べてフラッシュバックが少なかったとのこと。

カナダのパットナムエーカー療養所では、ラウンジに置かれたWiiが人気となっていました。同療養所にはアルツハイマー型認知症の人などが入所しており、ボウリングや野球のゲームが楽しまれていたとのこと。Wiiは一度盗まれましたが無事に療養所へ戻ってきており、これからも療養所の人々の娯楽となっていくのでしょう。

先に挙げたケースのいずれも、特に「医療用ゲーム」として作られたものではないところがポイントです。Wii、バランスWiiボード、テトリス、いずれも当たり前に手に入ります。

高価で特殊な医療用ハードやソフトを使ったアプローチもあるのでしょうが、当たり前のものであれば誰でも恩恵に与ることができます。特殊なハードを個人的に持つのは保険の助けがなければ大変ですし、そもそもそのハードが保険に適用されるまでに時間がかかります。

特殊なものを用意すれば商業的には「オイシイ」のかも知れませんが、多くの人に行き渡ることも重要なはず。

現在のゲーム界は「新しい」か「そうでない」かという評価が中心となっていますが、こうした研究が進むことで、「リハビリに適したゲーム」「トラウマを軽減できるゲーム」など、既存のゲームを新たな形で評価することができるのではないでしょうか。懐かしのゲームがその効能を認められ、新たな形で評価される、そんな時代が来るのかもしれません。

(関連記事を訂正しました)

《水口真》

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