2009年1月には100万ハンターを突破し、その勢いをますます加速させる『MHF』は来る4月8日に大規模アップデート「シーズン5.0 “新たなる挑戦、パローネ”」を投入します。史上最大となるこのアップデートをふくめ、その全貌にインサイドが全5回で迫っていきます。
第1回では『MHF』の運営プロデューサー、杉浦一徳氏にお話を聞きました。
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―――本日はよろしくお願いします。まず初心者向けに基本的なところから質問させていただきます。『MHF』は何をするゲームなのでしょうか?
杉浦:一言で言うのなら、『MHF』は仲間と一緒に、最大4人でモンスターを狩るゲームです。
―――『MHF』の良さはどんなところですか?
杉浦:『MHF』は他のオンラインゲームと比べ、プレイするまでの敷居は圧倒的に低いと思います。例えば、ゲームプログラム(クライアントプログラム)も容量が少なく要求スペックも低めで、今皆さまがお手持ちのパソコンならたいてい快適に『MHF』が遊べると思います。ゲームプログラムは軽くても、3Dグラフィック面には気合いが入っているのでご安心を。また普通のMMORPGだと、仲間を集めパーティーを組むためだけに非常に時間がかかったりすることもありがちなのですが、『MHF』では簡単にメンバーが揃うようになっています。社会人の方でも夜1時間もあれば遊ぶことができますよ。気軽に遊べて奥が深いところが良さでしょうか。また、更に快適に遊んでいただくために、推奨ゲームパッドをご用意させていただいております。4月8日(水)に実施する大型アップデート「シーズン5.0」ではFPS(一人称シューティング)に近い操作も導入する予定です。
―――仲間を作る楽しさとはどんなものなんでしょう。
杉浦:例えば、強大なモンスターに一人で挑んでも討伐することが難しい場合があるとします。この場合、もの凄く強い人に交じってモンスターを討伐するという手段もありますが、充実感・達成感があまりないわけです。
それよりは、同じような腕の人たちと一緒に試行錯誤しながら腕を磨き、モンスターを討伐するほうが、心地よい苦労を思い出にできますよね?オンラインゲームで仲間を作る楽しさとは、リアルな社会と同様に仲間同士で同じことに取り組むことで色々な思い出を作れるところにあると思います。ですので、「狩人祭」のように多くの人が参加できるコンテンツも入れてあります。時間のない人でも『MHF』を長く楽しめる理由というのは、同じような境遇の皆さんで気軽に集まって遊べるという点にあるのだと考えています。
―――では、同じような境遇の人を探すにはどうすればいいですか?
杉浦:「入門区」「自由区」「求人区」という3つの場所が用意されていますので、最初は「入門区」で遊んでみてください。「狩人キャンプ」という新米ハンターが集まる場所があって、「シーズン5.0」からは、始めたばかりのお客様であれば誰でも使えるようになります。まずは、この「狩人キャンプ」で、始めたばかりのハンターたちと交流を図るのが良いと思います。また、他のハンターたちと組むチーム「猟団」というシステムもあります。猟団にはそれぞれ「モットー」が設定されていますので、自分と似たスタンスで遊んでいる人たちを探して声をかけるのも一つの手段でしょう。まずは、自分が遊んでいる時間帯に出会う人と仲良くなること、これが同じような境遇の人を探す近道かもしれません。
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さあみんなで狩りに行こう! |
―――「猟団」ってどういうものなんですか?
杉浦:ハンターどうしの集まりで、チームのようなものです。猟団では、一定の猟団ランクを上げることで、団員しか入れない「猟団部屋」というものを猟団ごとに持つことができます。さらに猟団ランクを上げることで、内装が豪華になっていきます。猟団ランクは、団員が猟団ポイントを寄付することで上がっていくので、団員全員の頑張りが重要になっているんです。
―――始めたばかりの人が「猟団」を結成するまでどれくらいかかるものですか?
杉浦:極端に言えば1日で作ることも可能です。すでに知り合った仲間同士が集まって、すぐに猟団を結成すること自体、問題はないと思います。ただし、オンラインゲームは学生から社会人まで様々な人たちの集まりですから、そこでリーダーシップを発揮するのは簡単なことではないと思います。どのゲームでも言えることかもしれませんが、作るのは簡単ですが維持するのは難しいことですよ。いきなり猟団長を目指すのではなく、既存の猟団に入ってそこで色々経験するというのもいいのではないでしょうか。
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ある猟団部屋の様子 |
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杉浦:「ココ!」機能ですね。仲間を募集する時チャットで「@here」と入力して頂くと、画面上では「ココ!」という表示になって、そこをクリックすればすぐに仲間を募集している人のところへ飛べます。これを導入した後に、チャットの量が10倍くらいになりました。
―――今は武器のリーチの種類も増えてますよね?
杉浦:特殊リーチ武器ですね。普通の武器よりもリーチが短かったり長くなったりしていて、狩りの戦術も変わってきますね。『MHF』は武器を持ってモンスターを狩猟するゲームなので、最も大切な武器に変化があったということで、お客様からも喜んでいただいています。
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ラルゴエスパーダ(大剣) リーチが長い |
―――そういえば、お金を稼ぐ効率も改善されていますね。昔みたいにギザミマラソン(※1)をしなくてもいいようになっています。ところで、「シーズン5.0」のプロモーションムービーにハイメタヘルム(※2)をかぶったハンターが出てきていますが……?
杉浦:あの色違いのハイメタヘルムは、二つのパーティーが討伐時間を競う「VS.クエスト」で手に入れられるようになっています。でも、入手までの道のりがちょっと複雑だったということで、現在改善しています。
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ハイメタヘルム |
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シーズン5.0も間近 |
杉浦:結果としては大成功です。新規会員の方や、ゲームにログインしてくれている方の数が大幅にアップしています。新モンスターの「ベルキュロス」もアンケートやクエストの受注回数・クリア回数でも継続して人気が高いですね。オープンβテスト以降、色々なトラブルもありましたけど、見捨てずに温かい目で見守ってくださったお客様に感謝しております。
―――正式サービスから2年くらいになりますけど、イメージ通りのものになりましたか?
杉浦:カプコンが初めて本格的に運営するパソコン用オンラインゲームでしたから、プレッシャーもありましたし、いろいろな予期せぬ出来事に悩みながらの運営でした。MMO(多くのプレイヤーがひとつの世界で遊ぶ)が主流でしたから、そこにMO(プレイヤーがそれぞれに部屋を作って遊ぶ)を出して時代遅れと見られないかという迷いも正直ありました。MMOは多くの時間を使いますし、強固な人間関係を作らないといけないですが、『MHF』は気軽に遊べるし気軽に集まれる。そこはMMOと比べると良い点になったと思います。
―――サーバーが落ちたりするトラブルもあまりないようですね。
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―――『MHF』をまだ遊んだことがない人に、一言お願いします。
杉浦:MMORPGのいわゆるマゾさを辛いと感じられたなら、是非『MHF』を遊んでみてください(笑)。『MHF』は、カジュアルな人間関係で遊べて、すぐにメインの狩りにも行けます。僕も個人的にはかつてほかのMMORPGも遊んでいたのですが、『MHF』をやるようになってからMMORPGが苦手になりました。オンラインゲームの固定観念として「半年や1年間くらいの時間をかけないと強い武器が手に入らない」とか「人間関係が大変そう」とかあると思うのですが、『MHF』ではそんなことはないです。
――――最後に『MHF』のオンラインゲームとしての醍醐味をお願いできますか?
杉浦:『MHF』は単純にレベルを上げることが目的ではなく、武器・防具を手に入れることが重要なゲームなので、欲しい素材が友達と食い違うことなんかがでてきます。そんな時に、友達より素材を優先することもできます。けど、手に入れた時は嬉しいですが、あとから思い返すと嬉しいばかりじゃないと思うんです。友達より素材を優先したことが残念に思えてくるんじゃないかと。『MHF』は武器・防具を手に入れる過程でどんな思い出があったか振り返って欲しい。「欲しい素材があって狩りに行ったけど、友達が何度も3オチ(※3)した。でもあきらめずにトライしてやっと手に入れ、一緒に喜び合った」という思い出の方が楽しいと思うんです。これが『MHF』の醍醐味だと思います。
―――本日はありがとうございました。
(※1):ギザミマラソン
『MHF』初期で行われていたお金稼ぎ。
甲殻種のモンスター「ショウグンギザミ」を繰り返し狩ることを長距離マラソンに例えている。
(※2):ハイメタヘルム
頭に被る頭防具の一種。「ピンクバケツ」の俗称が示すとおりビジュアル面はとても良いとは言えないのだが、性能が良い。現在は「ピンクバケツ」という愛称で愛されている。
(※3):3オチ
クエスト内でプレイヤーが3回力尽きること。ハンターは公式には死亡しているのではなく力尽きているらしい。もちろん、クエストは失敗となる。