【インプレッション】メテオス(NDS)

恐竜がこの地球上から消滅した理由として、直径10kmほどの隕石が落下したためだというのは、よく知られている学説ですね。ワレワレ人類も、やがては隕石の衝突によって滅ぶのではないかとも言われています。さて、もしそのようなことになった場合に助かる術はあるのか・・・、そのヒントはこのゲーム『メテオス』に隠されているかも知れません(かなり大げさですが・・・)。

任天堂 DS
恐竜がこの地球上から消滅した理由として、直径10kmほどの隕石が落下したためだというのは、よく知られている学説ですね。ワレワレ人類も、やがては隕石の衝突によって滅ぶのではないかとも言われています。さて、もしそのようなことになった場合に助かる術はあるのか・・・、そのヒントはこのゲーム『メテオス』に隠されているかも知れません(かなり大げさですが・・・)。

このゲームの舞台は、隕石を無限に作り出し、惑星を破壊する悲劇の惑星メテオスによる超自然現象によって、明日をも知れぬ恐怖の下敷きになっている宇宙人たちが、ある日偶然にも3つ隕石が繋がることにより核融合反応が起こることにより点火し、宇宙に隕石を送り返すことを知った、そんな彼らのメテオスによるアンダープレッシャー(圧力下)からの脱却を謀る感動的な物語・・・、かどうかは解りませんが、目的としては隕石を宇宙に送り返し、惑星の滅亡を防ぐ、そんなパズルゲームです。

さて、このゲームの特徴としては、同じ色のメテオ(隕石)を宇宙に送り返してスコアを稼ぎ、大気圏まで積み上がると滅亡、すなわちゲームオーバーになってしまうというのが基本的なルールで、メテオを上下にずらし(横はダメ)縦あるいは横一列に繋げて打ち返すことが出来ます。

これまでのパズルゲームだと、とりあえず基本的にはブロックを同じ色に隣接させて、その隣接させた部分のみを消す、例えば4つ繋げれば、普通はブロック4つ分を消滅させられるというのが一般的ですが。このゲームは、例えば一番下で点火させた場合、その上に積み上げっているメテオまで一緒に「カタマリ」として打ち上げることが出来ることができ、例えば3つ繋げれば、上手く行けば倍以上のメテオを消滅させることが出来ます。これが従来の場合、連鎖を組むことによってでしか味わえなかったカタルシスですが、このゲームの場合だとそれが非常に容易に味わえるという点が魅力的と言えるかも知れ得ません。よって、メテオをため込むことによって大きく稼ぐ、というやり方も有りです。また、アイテムによるメテオの消去も出来ます。

因みに、このゲームで連鎖に匹敵するものとして、二次点火というものが上げられると思います。これは、打ち上げても尚もそのメテオが画面上に残っている場合、更に3つ同じ色を隣接できるようであれば、更に高く打ち上げられるというものです。この二次点火を上手く応用することにより、従来のパズルゲームでの連鎖を組むことに匹敵する戦略がたてられ、また上手く応用すれば一気に大量のメテオのカタマリを打ち上げることが可能で、この上ないカタルシスも味わえます。

更に、ステージとして惑星を選ぶことも出来るのですが、惑星事にメテオの打ち上げ方など特徴がが違ってくるため、惑星別に様々な戦略を立てプレイできるのも、このゲームの魅力と言えるでしょう。例えば極端にメテオが落ちるスピードが速く、打ち上げ難いグラビトール、二次点火だけが強いヒートヘッズなど、他にもクセのある惑星がたくさんあり、いろいろと楽しむにはまず不自由しないでしょう。

また、惑星ごとに異なった住人がおり(「○○星人」と言った具合に)、それぞれの惑星に適した特徴や性格を持っていることが説明されており、非常に興味深い部分でもあります。例えば、ジオライト星人であれば陽気であったり、アナザシ星人は貴重な水を得ると何日も飲まず食わずでいられたりするそうです。機械化された星の住人もいます。

また、ちょうどペーパーマリオのように平面的に描かれたキャラクターたちは、画面上で独特の動きをし、そこに愛くるしさも感じられ、良い演出になっていると思います。
また、このゲーム中の音楽は、惑星によって異なり、それもこのキャラクター達を個性的にしている要素だとも思います。例えば、ファイアムは熱いビートのヘビーロック調であったり、グラビトールは重低音が効いたヘビーメタルであったり、ルナ=ルナはスクラッチが響くヒップホップ調であったりします。また、それぞれの惑星のベースのBGMは極めて単調であることが多いのですが、点火時の効果音で、プレイ毎に「一つしかない」音楽も作ることができ、これも楽しめる要素となっていると思います。

ゲームモードは、練習などに使える「シンプル」、いわゆるストーリーモードのようなもので、立ちはだかる敵惑星を封じていく「スタートリップ」、決められたフィールドで記録に挑戦する「タイムアタック」、1回切りでスコアとタイムの記録に挑む「チャレンジ」があり、プレイして打ち上げて集めたメテオを合成してアイテムや惑星などを作る「合成質」、「おまけ」では合成した音楽を楽しんだりカウントを見たりすることが出来ます。

さて、任天堂ファンの皆様にとって、このゲームの特徴としてフリーになられた『星のカービィ』シリーズや、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズで有名な桜井さんが開発に加わっていることはご存じのことかと思いますが、このゲームでも氏の「らしさ」がたっぷりだと思います。

特に、『スマブラDX』のオマージュとも思える部分が見受けられます、例えば、メテオスのチャレンジモードは、スマブラDXの『百人組み手』にどことなく似ていますし、アイテムスイッチやサウンドバランスの調節方など、いろんな所で「彼らしさ」を感じることが出来るので、スマブラをプレイされた方などならすぐに馴染めることが出来るでしょう。

さて、このゲームの魅力をまとめるなら、パズルゲームらしいお手軽さと中毒性が高いことと、「打ち上げる」という爽快さと新鮮さ、ゲーム要素の多様性、さらには桜井氏の「らしさ」が詰まっている点だとおもいます。例えば、暇つぶしや気分転換程度にちょっとプレイすることも、そのお手軽さゆえに可能ですし、それでいて単純さの中にあるパズルゲーム独特の中毒性で何度プレイしても楽しめるという魅力もあります。さらに打ち上げるという要素も、更に中毒性に拍車を掛けているのではないかと思います。

また、合成で新しい惑星などを作ることを目的としても良いですし、桜井さんのファンである方ならば、「彼らしさ」も味わえる。そういう楽しめる要素がたっぷり詰まっているので、どなたでも十分に楽しめる魅力がある。まさに万人向けとはこういうことを言うのではないかとも思わせてくれる作品だと思います。

さあ、ワレワレと上昇志向、してみませんか?

《土本学》

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