■「ファイルマジック」のマジックたる「ゆえん」とは?
―――今回は「救声主」だけでなく、「ファイルマジック」も採用されたそうですね
千葉: 先ほど言ったように、当初ロムの容量を決める際に、半分をサウンド、残り半分にゲームデータやイラストなどを入れようと決めました。豪華なサウンドを収めるのは「救声主」の力を借りて実現することが出来ました。一方で、ゲームデータやイラストも非常に大容量になっていて、キャラクターの3Dモデルやモンスターのデータ、マップの一枚絵やイラストなど、全てDSでは有り得ないくらいに贅沢に描いているわけです。どんどん仕上がってくるそういったデータを使いたくてもロムの残り容量が足りず、全然使うことができない、と青ざめました(笑)。
千葉: そんな青ざめている時にたまたまネットのニュースで「ファイルマジック」というものがあると知り、とにかく一度試してみようじゃないかと藁をもつかむ思いで使ってみました。すると、圧縮したデータを見るとびっくりするくらい小さくなったわけです。全然足りないと思っていた容量が、逆に空きが出て、それでイラストの数も当初より増やして1400枚にすることができました。まさに「マジック」だと思いましたね(笑)。
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―――「ファイルマジック」の導入はいかがでしたか?
千葉: 既に制作が中盤になってからの導入決定でしたが、すんなり組み込むことができました。メモリにも余裕が無かったので、本当に導入できるかどうか非常に不安に思っていたのですが、それまでに構築していたものを大きく修正することなく簡単に組み込めました。
―――最後に、ゲームを楽しみにしているユーザーさんと、他のゲーム開発者に向けて一言ずつコメントをいただけますか?
細江: 最初に千葉が言ったように、『シグマ ハーモニクス』は他に類を見ないゲームになったと思います。実際に遊んでもらえれば、こんなゲーム遊んだことないと思ってもらえるはずです。じっくり腰を据えて深い物語や、頑張って作った効果音、良く喋るボイスを楽しんで欲しいですね。
CRIの皆さんはとても丁寧に対応してくれますので、他の開発者の方々も、実現したいことや無理難題を言ってみるのがいいんじゃないでしょうか、とお伝えしたいです。今となっては制作がスタートする前にもっといろいろと話を聞いておけばよかったと思いますね(笑)。
![]() 鈴木氏 |
クリエイターの方にはヘッドホンでしっかり音を聴いてもらえればと思います。ストリーミングをそのまま放り込むのではなくて、一曲ごとに違う工夫をしています。周波数を落とすとリバーブがノイズっぽくなったり、音の厚みが無くなったり、色々と試行錯誤して、難しかったけど楽しかったところでもあります。
![]() 浜渦氏 |
コンポーザーという仕事を考えると、一人一人、コレという特長や魅力を持っていらっしゃることと思います。なので、ゲームに合わせて、とか、お客さんにもっと喜んでもらわなきゃ、とあまりいろいろと流されることなく、自分の発想を大事にしていって欲しいですね。そればかりだと問題があるかもしれませんが、聴いている人がハッとしたり、感動する瞬間が出てくると思います。そこのバランスを上手に取って曲作りに取り組んでもらいたいと思います。
千葉: ジャンルがミステリーRPGという聞き慣れないゲームで戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、アドベンチャーが好きな人にも、RPGが好きな人にも、手に取って楽しんで貰える作品になったと思います。気軽に遊んで欲しいですね。
『シグマ ハーモニクス』という作品は、DSでありながら登場人物はフル等身、バトルも3Dで、これでもか、というくらいの絵やストリームの楽曲を入れました。DSでゲームを開発されたことのある方ならびっくりしてもらえる内容になったと思いますので、ぜひ驚いてもらいたいと思います。
―――本日はどうもありがとうございました!
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