第41回のロコレポは、ゲームフリークが7月31日から配信しているニンテンドー3DSダウンロードソフト『ソリティ馬(そりてぃば)』のプレイレポートをお届けします。
『ソリティ馬』は、ソリティアをプレイしてパワーをためて競走馬を走らせる「ソリティア競馬ゲーム」。ゲームフリークといえば『ポケットモンスター』シリーズの制作などデベロッパーとしては世界的にその名が知られていますが、本作は同社がパブリッシャーとしてリリースする初のゲームタイトルになります。ジャンル的にも少し変りダネの作品として、プレイを楽しみにしていました。
■ソリティアでプレイする競馬ゲーム
『ソリティ馬』は、トランプゲームのソリティアをプレイして競馬レースを進めるという、ソリティアと競馬の2ジャンルが融合したハイブリッドなゲーム。そのためルールもそれなりに複雑ですが、採用されているルールとインターフェースはシンプルで直感的に楽しめるデザイン。序盤のチュートリアルをプレイしたら、すぐに感覚を掴むことができます。ゲームの最終目標としては「全てのG1レース制覇」というものがあり、20種類のビッグレースに挑戦します。
■ソリティアと競馬パートのバランスが絶妙
実際のレースでは、ソリティアをプレイして競走馬との折り合いをアップさせる「ソリティアフェーズ」、そしてタッチペンで線を描いて競走馬を乗りこなす「コントロールフェーズ」の2つのフェーズが存在。ゲームの特徴として、ただソリティアをクリアすればレースを勝てるというわけではなく、「コントロールフェーズ」ではレース中の位置取りや最終コーナーでのパワーやブーストなど、騎手としてのテクニックも求められます。このバランスが絶妙で、ソリティアと競走馬のコントロールの両方に気を配りながらプレイする感覚はとても斬新です。
■競走馬の育成が捗る、豊富なゲームモード
ゲームモードは2歳から3歳までの競走馬を育てる「若駒モード」、若駒モードで育てた4歳以降の競走馬でレースをする「古馬モード」、古馬モードを終えて引退した競走馬たちをカップリングして仔馬を誕生させる「牧場」、さらにソリティアを練習できる「トレーニング」など、豊富なモードが用意されています。
最初は「若駒モード」から「古馬モード」まで通してプレイするのが基本的な流れですが、そこで育成した競走馬たちは「牧場」で親馬にすることができるので、さらに育成が捗ります。競走馬の中には見た目や能力が異なる個性的な馬も存在するなど、より速い競走馬を育成するためにはかなりのやり込みプレイが必要。そして、その成長を見守るのがとても楽しい作品です。この辺りのゲームデザインは、『ポケットモンスター』シリーズに通じるところがあるように感じました。
■単なるソリティアにあらず! やり込み度の高いソリティア競馬ゲーム
『ソリティ馬』。これは単なるソリティアゲームと思ってプレイすると、やられてしまいますね。競馬パートに関しては『ファミリージョッキー』系と思わせて『ダービースタリオン』のような競馬シミュレーション要素もあるなど、意外にも(?)本格的なゲームデザインです。
また、ゲームには主人公である騎手のほかにも馬主さんや調教師さんなど、コミカルで多彩なキャラクターたちが多数登場。彼らによる会話シーンはとても微笑ましい内容で、それを眺めているだけでも楽しむことができます。個人的なお気に入りは売り子のつばめちゃんで、ついつい色々なアイテムを購入してしまいます。そしてサウンドもレベルが高く、特にレース中に流れるBGMは雰囲気を盛り上げてくれます。
全体的にやり込み度が高く、また非常にセンスが良いゲームという印象。このゲーム内容でこの価格設定というのは、正直かなりユーザーフレンドリーだと思います。個人的に最初のG1レースを勝利するまでに壁を感じたのですが、その分、最初にレースを制覇できた時の喜びもひとしおでした。これからも、より速い競走馬を目指してプレイしたいと思います。少し気が早いかもしれませんが、ぜひ続編やシリーズ化をお願いしたい作品です。
『ソリティ馬』は、好評配信中で価格は500円(税込)です。
(c)GAME FREAK inc.
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【ロコレポ】 by ロココ試作型
INSIDEのゲームライターが3DSとiOSを中心に色々なソフトをプレイして、その魅力を伝える連載。RPGの魅力に目覚めたのは、ファミコン版『ウィザードリィ』。好みのゲームな場合にテンション上がり過ぎるのは許して…。
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