「プロジェクションマッピング」とは、映像を平面のスクリーンではない場所にぴたりと重なり合うように映し出す映像手法や、その手法を使ったイベントのことです。映像の動きや変化によって、映像を投影されている対象物そのものが、動いたり、変形したり、自ら発光したりしているように感じさせる“錯視的な映像表現”として、近年はイベントやアトラクションなどで用いられています。
■調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする、全国の15歳以上の男女
■調査期間:2015年1月26日~28日
■調査方法:インターネット調査(モバイルリサーチ)
■調査地域:全国
■有効回答数:1,000サンプル(性年代によってほぼ均等になるよう割付)
10代 男性 83 女性 83
20代 男性 83 女性 83
30代 男性 84 女性 84
40代 男性 84 女性 84
50代 男性 83 女性 83
60歳以上 男性 83 女性83
■実施機関:ネットエイジア
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プロジェクションマッピングという言葉を知っているか聞いたところ、「どんなものか知っている」が41.4%、「聞いたことがある程度」が20.7%となり、これらを合計した認知率は62.1%となりました。年代別にみると、10代(71.7%)や20代(71.1%)の認知率は7割を超えているのに対し、60歳以上の認知率は44.0%と他の年代よりは低いものの、4割半の水準となりました。
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プロジェクションマッピングのイベントを実際に現地で見たいと回答した749名に対し、見てみたいと思うイベントを自由回答形式(イベントの具体名や場所、テーマを記述、複数回答可)で聞いたところ、最も多く挙げられたイベントは「東京ディズニーランド」の218件でした。以下、「東京駅」(90件)、「大阪城」(52件)、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(28件)、5位は「さっぽろ雪まつり」(21件)と続きます。大型のアミューズメント施設や観光スポットなどが挙げられる一方で、「地元をテーマにしたもの(60歳以上女性)」や「近所で対象物などのイメージを壊さないもの(40代女性)」といった地域にあるものを投影対象物にしてプロジェクションマッピングを実施して欲しいとの声も多く、これらの意見をカウントした「地元・近場」が12件となり、全体で8位となりました。
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プロジェクションマッピングのイベントを実際に現地で見たいと回答した749名に対し、どのような場所や対象、イベントでのプロジェクションマッピング実施を期待するか複数回答形式で聞いたところ、「大きな建物で」が58.2%と最も高く、「歴史のある建物で(城や寺など)」が39.3%で続きました。スケールの大きな対象物に映像が投影されるイベントが期待されているほか、建造物などを傷つけないで演出することができる表現手法であるためか、歴史のある建物を投影対象にするイベントの実施が期待されている様子が窺えます。
年代別にみると、10代では「アニメやマンガのプロモーションで」(23.9%)や「体験型のゲームで」(19.4%)といった期待が他の年代よりも高くなっています。錯視的な表現によって“映像の世界に入り込むような非日常感”を体験できるプロジェクションマッピングで、アニメやマンガの世界をテーマとした映像を体験したい期待や、体験型のゲームなどの観客参加型のイベントへの期待が高い結果となりました。
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プロジェクションマッピングの今後の応用分野への興味について聞いたところ、「部屋の壁一面が画面になるようなゲームで遊んでみたい」かという問いに対し、「そう思う」が全体で51.7%となりました。特に10代で「そう思う」と答えた割合は71.1%と他の年代よりも高くなっています。部屋の壁面に映像をマッピングして遊べるような、プロジェクションマッピングの技術を用いた家庭用ゲーム機の登場を期待している若年層は少なくないようです。
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今回の調査の詳細は東京工芸大学のウェブサイト「プロジェクションマッピングに関する調査」(http://www.t-kougei.ac.jp/static/file/research_projection.pdf)にて閲覧することができます。調査結果に興味がある方はこちらもあわせてご覧ください。