【アナログゲーム決死圏】第5回:『枯山水』製作者インタビュー...ヒットの要因と今後の展開とは

ネットはもちろんラジオや新聞、TV等でも取り上げられ大きな話題となったボードゲーム『枯山水』。今回はそんな『枯山水』の発売元である「ニューゲームズオーダー」の開発・販売責任者の吉田恒平さんに、インタビューをしてまいりました。

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◆アナログゲームの今後


――今後アナログゲームはどのような展開を見せると思いますか?

吉田:文化的には栄えていくとは思いますよ。なんといっても古代からずっと魅力の火が消えたことはないですからね。さらにSNSとかでマイナージャンルでも簡単に日の目を見れますし。

ただ、商業的にはわからないですね。無料になっていくかもしれません。しかし、我々はプロとして、アナログゲームに関わっていくことで、文化の向上にも繋がると信じてやっています。

あと、デジタルのゲームが飽和状態になって、エポックメイキングなものが生まれにくくなってきて、次の新しいゲームの選択肢としてアナログゲームが選ばれることが多いのかなという気もしています。

実のところ、『モンスターハンター・ポータブル』シリーズのヒットにも助けられたと思っています。多くの人に、一箇所に皆で集まって遊ぶという楽しさを味わってもらえましたからね。その集まりで次に遊ぶゲームとしてアナログゲームが選ばれている気がしますね。

◆今後の展開


――『枯山水』の品薄は今後も続きそうですか?

吉田:今後は石を石膏製からポリストーン製(石膏に樹脂を混ぜた素材)にして、塗装法を変えて量産化する予定です。値段は変更になるかもしれませんが、クオリティとしては遜色のないものになる予定です。夏までには4000部増刷できると思います。

ただ、今まで出しているボードゲームの売れ行きから考えても、4000部はそんなに大きな数字ではないので、すぐ売り切れるかもしれません。もちろんまだ需要があるようなら、再生産を出来る体制を構築するために努力をしています。

『枯山水』が再生産しやすくなれば、他のゲームの製作にも力を注ぐことができますね。

――今後はどんなタイトルを出す予定なのでしょうか?

吉田:ドイツのボードゲーム・デザイナーのライナー・クニツィアのペンギン・ピラミッド構築ゲーム『ペンギン・パーティー』の日本語版が出ます。アートはデザイン会社のTANSANFABRIKさんが担当します。

さらに、同じクニツィアによる競りゲーム『ラー』も今年中に日本語版にします。

トリックテイキングゲームの『ヴァス・シュティッヒ』も出します。こちらは、ボードゲームファンなら知る人ぞ知る作品です。加えて、検事・弁護士となって魔女裁判で金儲けをする『ウィッチ・トライアル(魔女裁判)』も出します。

あとは、先ほど話題に上がった『曼荼羅』も出したいですねぇ。

TRPGでは『パラノイア』のサプリメントを出す予定です。

とにかく、『枯山水』だけを出すメーカーにはならずに色々出していきますよ。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

【筆者プロフィール】
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。アーカイブ動画もありますので、是非チェックしてみてね!
Twitter:@Sir_Motor
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