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大きなヒットを記録したハード「Wii」の魅力を受け継ぐ後継機として、2012年12月に登場した「Wii U」。液晶ディスプレイを搭載した「Wii U GamePad」を標準搭載するなど、ユニークな方向性も話題を呼びました。
人気シリーズの最新作や個性的なタイトルなどがリリースされ、多くのゲームファンから関心と人気を集めましたが、Wii U本体の生産が近日終了するとの予定が2016年11月に明らかとなりました。任天堂の新たな据え置きハード「ニンテンドースイッチ」が今年3月に発売を迎えるため、道を譲るような形になるのかもしれません。
ニンテンドースイッチの続報も気になりますが、Wii Uが生産終了を迎えることで入手が難しくなるのも見逃せない事態と言えます。いつ購入するかタイミングを見計らっていた方にとっては、猶予が残り少ない状況となりました。購入していないゲームハードの情報は、自ら調べようとはなかなか思えないもの。入手困難になってから自分好みのWii Uソフトに気づいても、既に手遅れという悲劇も起こりえます。
ですが今ならばまだ充分間に合うので、Wii U未購入または未チェックの方々に向け、他のゲームハードでは遊べない名作・良作などを、筆者の独断と偏見でピックアップ。パッケージでも購入できる6作品と、Wii Uで遊べる「Wiiディスクソフト ダウンロード版」からも6作品を紹介します。
お勧めを全て挙げるとキリがないため、『マリオ』シリーズや『ゼルダ』シリーズ、『スマブラ』に『スプラトゥーン』といった、Wii Uを持ってない人にも知られているような有名過ぎるタイトルは、今回敢えて省いていました。もちろん、これらのタイトルも太鼓判を押す出来映えなので、本体を購入した暁には、合わせてプレイしてみてください。
■『The Wonderful 101』
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2017年の注目タイトルのひとつ『ニーア オートマタ』の開発でも知られているプラチナゲームズによる一作。アクションに定評のある同社が手がけただけあり、爽快感と手応えを合わせ持つゲーム性は、個性的ながらも没頭できる楽しさに満ちています。
銀河の果てから訪れる侵略軍に完全と立ちはだかるのは、たった100人のヒーローたち。敵の規模を考えれば、ヒーローが100人いても戦力差は相当なものです。しかし、「誰かがやらねばならぬから 素顔を捨てて我がやる」という意気込みで挑みます!(テーマソングより抜粋)
また100人のヒーローのたちを個々に操作する必要はなく、陣形を描くことでスペシャルな能力を発動。多くのヒーローたちは協力し合うことで、敵を打ち砕く力となるのです。そのため煩雑さはなく、印象よりも遊びやすいゲーム性になっているのでご安心を。
ヒーローの熱い戦いを、その手で直接味わえる『The Wonderful 101』は、見た目だけで敬遠するのは勿体無いばかり。「泣くのは 勝利の後でいい 君が笑ってからでいい」という歌詞の重みを、ゲームを通じて味わってみてください。
■『レゴシティ アンダーカバー』
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様々なハードで展開している『レゴ』シリーズに名を連ねる、アクションアドベンチャーゲーム『レゴシティ アンダーカバー』。建造物や車などがレゴブロックで出来た「レゴシティ」が舞台となっており、赴くままに破壊することも可能です。ストーリーと関係なく壊し続けているだけでも楽しかったりします。
『レゴ』シリーズには映画などをモチーフとしたパロディやセリフ回しなども頻繁に飛び出しますが、その魅力は本作にも盛り込まれています。更に、翻訳にもかなり力が入っているので、違和感はありません。セリフの中には、日本語で通じるようにアレンジされたものも。この世界への没入感をいっそう高めてくれます。
また、集めたブロックでオブジェクトを作ることで物語が進行するといった、レゴの特徴を活かした一面もあります。作れるオブジェクトは決まっており、自分で自由に組み立てるといった楽しさが味わえないのは惜しいところですが、そのほかの点については「レゴ」らしさをたっぷり感じられる出来映えです。
ちなみに、本作で描かれた物語の前日譚となる『レゴシティ アンダーカバー チェイス ビギンズ』が3DSにリリースされているので、気に入った方はそちらのプレイも一考してみてください。
■『ベヨネッタ2』
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PS3やXbox 360でリリースされ、アクション性の高さのみならず、主人公である魔女・ベヨネッタの魅力に撃ち抜かれたゲームファンが続出。しかし、同ハードでの続編を望む声が多かったものの実ることはなく、Wii Uで続編がリリースされるという結果を迎えました。
続編が出ないという悲劇を回避したものの、ハードが変わったことで魅力が損なわれるのではといった声も皆無ではありませんでした。そもそも、好評だったタイトルのあらゆる続編が正統進化を遂げたのかと言えば、残念な結果に終わったものも皆無ではありません。しかし『ベヨネッタ2』に限って言えば、ゲームシステムに爽快感、そしてベヨネッタを中心としたキャラクターたちの魅力と、全般的に好評価を博し、期待を上回る続編となりました。
前作では、ベヨネッタが自らの過去と向き合うストーリーが紡がれましたが、本作ではジャンヌを救い出すための壮大な道行きに足を踏み出すことになります。暴れる舞台もアクションもパワーアップした魔女たちの物語、ACT好きならば見逃す手はありません。ちなみにこの『ベヨネッタ2』には、Wii U版『ベヨネッタ』も同梱されているので、前作が未プレイという方も安心して楽しめる、嬉しい仕様になっています。
■『零 濡鴉ノ巫女』
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視覚的な恐怖だけでなく、悲しい過去や無念の想いなどが交差する、和風ホラーの魅力たっぷりと詰め込まれた人気作『零』シリーズ。PS2にて幕開けし、『SPECIAL EDITION』や『DIRECTOR'S CUT』などを交えつつ、『零 紅い蝶』『零 -刺青ノ聲-』『零 月蝕の仮面』といったシリーズ作を多彩なプラットフォームで展開。その最新作に当たるのが、『零 濡鴉ノ巫女』になります。
幽霊などの存在を写し出すことができる「射影機」での撮影は、本シリーズの大きな特徴のひとつ。この「射影機」を駆使して過去や謎めく事実へ迫り、また時には襲いかかる霊に立ち向かう武器となります。この「射影機」を、Wii U GamePadに置き換える体験は、本作ならではの醍醐味。没入感を増す一助としても活躍します。
据え置き機では、2008年の『零 月蝕の仮面』から数え、6年ぶりとなった『零 濡鴉ノ巫女』。シリーズの更なる展開はファン待望であると同時に、物語そのものは独立しており、シリーズ初体験のユーザーでも充分に楽しめます。どちらの立場でも存分に楽しめるので、日上山と呼ばれる山ひとつを舞台に、Wii U GamePadを握って綴られる『零』の新たな恐怖体験をお楽しみください。
■『ゼノブレイドクロス』
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WiiでリリースされたRPG『ゼノブレイド』が持つ戦闘システムなどを継承・進化させながらも、舞台や物語は一から作り上げた『ゼノブレイドクロス』。本作が持つ大きな魅力のひとつは、惑星ひとつをシームレスのオープンワールドで表現している点です。
新たな故郷を求めて漂白していた人類がたどり着いた新天地「惑星ミラ」。そこに、拠点となる街「ニューロサンゼルス」を築き上げ、立ちはだかる困難に生存を賭して立ち向かうこととなります。そんな未知の世界を、文字通り一歩一歩探索していく楽しさは、驚きと新たな発見に満ちており、巨大生物が往来する大陸への冒険にのめり込んでしまうこともしばしば。
また物語が進むと、変形および飛行可能な人型兵器「ドール」に搭乗できますが、ドールに乗ってニューロサンゼルスを飛び立ち、そのままミラへの冒険に出かけることも可能。もちろんその間は全てシームレスで描かれており、暗転するロード画面などはありません。ひとつながりの世界と未知の大陸に挑む旅路に惹かれる方は、ぜひ一度プレイしてみてください。
難点を挙げるとすれば、パッケージ版を購入した場合、無料の「ロード高速化データパック」をインストールしないと、プレイのテンポが損なわれる可能性があります。このデータパックは対象ごとに分かれており、どの内容をインストールするか任意で選べるものの、全てをインストールするとかなりの容量を占める形に。快適さと引き換えとはいえ、容量のやりくりには苦労するかもしれません。
■『幻影異聞録#FE』
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アトラスが開発し、任天堂より発売されたRPG。インテリジェントシステムズが手がける『ファイアーエムブレム』シリーズとコラボレーションしており、デザインこそ本作オリジナルのものですが、「シーダ」や「クロム」、「ナバール」といったFEキャラが登場し、主人公たちに力を与えて活躍します。
舞台は現代日本で、思春期の少年少女を中心としたメンバーの日々を描き、また激戦を綴ります。これは、『ペルソナ』シリーズなどの代表作を持つアトラスが得意とするジュブナイルRPGのスタイル。その手腕は本作でも存分に発揮されており、それぞれの環境に身を起きつつも、等身大の悩みや葛藤に翻弄されつつ成長していく過程を鮮やかに表現しています。味付けとしてはライトなテイストなので、重厚な展開を期待する人にとっては肩透かしかもしれませんが、高校生前後の等身大な悩みに親近感を覚える方もいることでしょう。
FEキャラは、主人公たちと対となるパートナーや、立ちはだかる敵として登場。FEキャラを交えた成長は、スキルを取捨選択していく『ペルソナ』らしさが伺える一面も。また戦闘も、敵の弱点を見極めて攻撃を畳み掛けるシステムが用意されており、その方向性にも『ペルソナ』シリーズのテイストを感じさせます。もちろん戦闘における爽快感もかなりのもので、コツを掴むと心地よく勝利を勝ち止めるのでついつい戦ってしまう時も。
少し引っかかる部分として、戦闘前のロードが若干長めなことと、弱点を突いて連続して攻撃する「セッション攻撃」の演出が飛ばせない点などです。セッション攻撃を前提としたバランスになっており、この要素を無視できないため、そこにもどかしさを感じる場合も。ただしセッション攻撃の演出自体は優れており、いずれも一見の価値あり。この点に関しては、購入前に自身のプレイスタイルや好みとよく照らし合わせてみてください。
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