本稿では、5月4日(木)の昼公演の模様をお届けいたします。
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人形達ノ記憶 NieR Music Concert
■出演者(敬称略)
ボーカル:エミ・エヴァンス、ジュニーク・ニコール、河野万里奈、石井咲希
ピアノ:帆足圭吾(MONACA)
ギター:後藤貴徳
ストリングス:土屋玲子カルテット
朗読劇:石川由依、花江夏樹、諏訪彩花、安元洋貴、あきやまかおる(公演ごとに出演者は異なる)
■出演者(敬称略)
ボーカル:エミ・エヴァンス、ジュニーク・ニコール、河野万里奈、石井咲希
ピアノ:帆足圭吾(MONACA)
ギター:後藤貴徳
ストリングス:土屋玲子カルテット
朗読劇:石川由依、花江夏樹、諏訪彩花、安元洋貴、あきやまかおる(公演ごとに出演者は異なる)
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今回の会場となったよみうりホールには、多くのファンが詰めかけ大盛況。会場に入ってまず目を引いたのは、ずらりと並んだ御祝の花でした。
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特に目を引いたのは、『ニーア』のファン有志一同から贈られた、本編に登場する武器「白の契約」が刺さったお花です。この時点ですでに、『ニーア』という作品がファンに深く愛されていることをひしひしと感じました。
今回の「人形達ノ記憶 NieR Music Concert」は、『ニーア オートマタ』の楽曲を生演奏で楽しめるだけでなく、演奏の合間に声優陣によって演じられる朗読劇が大きな特徴です。また、今回のコンサートは大阪・東京あわせて全5公演開催されましたが、公演ごとに朗読劇のシナリオがすべて異なっているとのこと。しかもそのシナリオは、すべてゲームのディレクターを担当したヨコオタロウ氏と、シナリオサポートを担当した菊地はな氏によって書き下ろされたもの。なお、朗読劇の内容については、来場者のみのお楽しみということで、ここではヒミツにさせていただきます。
開演時間、数分前。ホールに入場すると、座席はファンで埋めつくされ、超満員でした。開演を待ちわびるファンの期待感が熱を帯びてきたところで、開演前のアナウンスが流れます。このアナウンスは、2B役の石川由依氏と、ポッド042役の安元洋貴氏によるものでした。2Bからは「(公演中の撮影などの)違反行為を行った場合には、自我データを消去する」という恐ろしい発言が。続けてポッド042から「今日は楽しいイベントだから、もっと楽しそうに」と言われると、2Bはそっけなく「無理」と返します。このやりとりには、思わず会場から笑いが巻き起こっていました。
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岡部啓一氏
開演時間を迎えると、最初に『ニーア』シリーズの作曲とサウンドディレクターを担当した岡部啓一氏が登場。「コンサートと銘打ってはいますが、固くなりすぎず、カジュアルに楽しんでいただければと思います。音楽を聴いて“いいな!”と思ったら、ぜひ遠慮なく拍手してください。皆さんと一緒に、この素敵な空間を作っていけたらと思います」と挨拶しました。
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ジュニーク・ニコール氏
そして、いよいよコンサートが始まります! まず披露されたのは「遺サレタ場所」。廃墟都市のフィールドで流れるこの楽曲は、『ニーア オートマタ』の作曲者のひとりである帆足圭吾氏が奏でる透明感あふれるピアノの旋律と、後藤貴徳氏による繊細な味わいのギター、土屋玲子カルテットによる切なさを帯びたストリングスの音色、そしてジュニーク・ニコール氏による伸びやかで美しい歌声が溶けあい、荒涼感のある廃墟都市の響きがホールいっぱいに広がってゆきます。また、スクリーンには廃墟都市の情景写真が映し出され、雰囲気を盛り上げていました。荒廃した雰囲気でありながら、幻想的な空気感もあるこの楽曲で、よみうりホールは一瞬で『ニーア オートマタ』の世界へと変貌していったのです。
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帆足圭吾氏
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エミ・エヴァンス氏
続いては、遊園地廃墟の楽曲「遊園施設」。エミ・エヴァンス氏の美しくも儚い魅力あふれるボーカルと、帆足氏が奏でる繊細なピアノをメインに、きらびやかでありながら妖しさを帯びたサウンドが紡がれていきます。さらに後半からはストリングスが入って迫力が増し、より大きな盛り上がりに。また、スクリーンには遊園地廃墟の情景や、そこで舞い踊る機械生命体たちの様子が映し出され、退廃的でありながら奇妙なきらびやかさがある不思議な魅力をより一層演出していました。この楽曲は、ゲーム中で聴いた原曲も非常に印象的だったのですが、それを再現した――いえ、それ以上とも言える素晴らしい演奏で、終始圧倒されっぱなしの一曲でした。
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次は、砂漠のフィールドで流れる楽曲「砂塵ノ記憶」をジュニーク氏が歌いあげます。乾いたパーカッションの音色と、後藤氏によって奏でられるギターの旋律に乗せて紡がれてゆくジュニーク氏の伸びやかな歌声は、乾いた広大な砂漠の雰囲気にぴったりマッチしていました。
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ここで、石川由依氏、安元洋貴氏、花江夏樹氏が登場し、朗読劇の第一幕が披露されます。真っ暗闇の中、スポットライトに照らされた三人が繰り広げる熱演によって、観客はより一層、『ニーア オートマタ』の世界へと誘われていったのです。
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石川由依氏
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花江夏樹氏
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安元洋貴氏