◆『メタルマックス』の魅力である核の部分に“全振り”した『METAL MAX Xeno』

シリーズ未経験の方ならば、「手軽&豪快なカスタマイズを楽しむ戦車RPG」を楽しめるか否かが大きなポイントとなります。逆を言えば、このポイントや世界観に魅力を感じたのならば、遊んで損のない1本だと思います。
では、シリーズ経験者から見て、『METAL MAX Xeno』がどう映るのか。その評価はもちろん人によって様々かと思いますが、冒頭でも述べた通り、スマホ版を除けば『メタルマックス4 月光のディーヴァ』ぶりの新作となります。しかも、PS4/PS Vitaでの登場は今回が初。新たなハードに登場する1本となれば、シリーズファンの期待も膨らむことでしょう。
期待が膨らめば、自然と「こうであって欲しい」というハードルを無意識に生み出してしまいます。思い出が美しいほど、過去作が楽しいほど、このハードルは容赦なく上がるもの。シリーズ最新作としてひときわ大きな期待を抱いている方にとって、『METAL MAX Xeno』が十分な作品なのかどうか、個人的には「どの部分を重視するか」によって変わると考えています。



まず、この過酷な世界を表現するグラフィックに期待を寄せているのであれば、その点については厳しいと言わざるを得ません。元々、デフォルメを効かせた表現が多いシリーズではありますが、据え置きを含めた最新ハードでの展開となれば、この点に期待する方がいてもおかしくありません。



荒廃した大地や砂に飲まれているビル群などが、フィールドの主な舞台となりますが、少なくともフォトリアルな表現ではありません。ダンジョン化した施設も点在していますが、いずれも似たようなパーツで構成されていることが多く、いずれも似た印象となっていまいます。グラフィック面における表現は、「総じてシンプル」というのが率直な感想です。
シナリオについては、「極限状態に置かれた人類による、生存を目指した反撃」といった大きな流れと、復讐に身を委ねる主人公タリスを取り巻く周囲の感情が入り交じる青春劇が展開します。前述した物足りなさだけでなく、こういったシナリオの方向性を良しとできるかが、個々のシリーズファンにとって異なる点かと思います。

カスタマイズや戦闘に関しては、受け手の思い入れの度合いにもよりますが、手軽かつ豪快な楽しさをしっかりと継承していると言えるでしょう。全車両のダブルエンジン化が可能で、偏りまくった特化戦車もバリバリ作れます。敵から入手したパーツをその場で装備できるので、強くなった実感が即味わえるレスポンスの早さも爽快感を後押し。ロードなどの煩わしさもほとんど感じない、その快適性も嬉しいポイントです。

初見では倒せなかった賞金首のモンスターに、カスタマイズで強くなってリベンジする快感。この醍醐味は、本作でも間違いなく味わえます。シナリオについては、相性もあるのでじっくり判断を。グラフィック面に大きな期待を寄せている方は、少なくとも事前にハードルを下げておくことをお勧めします。

主砲を沢山積むと、戦車を守るシールドが相対的に減少します。かといって、軽い主砲では火力不足。火力とエネルギーがほどほどに釣り合う調整も可能ですが、時に器用貧乏で運用の難しい戦車になってしまうことも。ならば、シールドを削ってでも強い主砲を積み、最大火力に特化するのもひとつの手です。
本作を遊んでいると、そんなカスタマイズを行うことも多々ありますが、この『METAL MAX Xeno』そのものについても、どこか通じるところがあるように思います。今回記したことは全て、あくまで個人の感想ですが、『METAL MAX Xeno』という作品自体が非常にカスタマイズの効いたゲームだったように感じました。ゲーム内で例えて言うならば、間違いなく「キャノンラッシュ」型です。

作品名に掲げられた「Xeno」には、異種や異物などの意味があります。こだわりのある一部のシリーズファンからすれば、『METAL MAX Xeno』は異質な部分があるかもしれません。ですが、「戦車の楽しさ」に特化するなんて、実に『メタルマックス』らしいじゃないですか。『METAL MAX Xeno』が、今後の新たな展開に向けた“反撃の狼煙”になることを、ひとりのユーザーとして期待するばかりです。
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