これは"人が消える街"を奔走する少年少女の物語-心の中を紐解く青春アドベンチャー『ココロインサイド』はスマホゲームをしない人にも遊んでほしい名作

救いたいと願うその心が、誰かの心の闇を打ち消すことだってある……人が人を想う物語の果てに待ち受けているのは希望か、それとも。

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これは"人が消える街"を奔走する少年少女の物語-心の中を紐解く青春アドベンチャー『ココロインサイド』はスマホゲームをしない人にも遊んでほしい名作 全 16 枚 拡大写真

もし誰かの心の中を覗けるとしたら、あなたはどうしますか?その人が誰にも打ち明けることができない悩みやトラウマを、あなただけが解決できるとしたら……。

8月13日に配信されたスマートフォンアプリ『ココロインサイド』は、人の"心"に向き合ったハートフルなアドベンチャーRPGです。


本作は『彼女は最後にそう言った』や『終わらない夕暮れに消えた君』など、数々の名作アプリゲームを手がけた「SYUPRO-DX」の新作アプリ。発売当初からストア上で注目されていたものの、恥ずかしながら「SYU-PRO DX」作品にほとんど触れたことがなかった筆者。今回満を持して体験することに!

クリアした感想としては……このゲームに出会えて良かった。心の底からそう思いました。まだ余韻が抜けきれていませんが、『ココロインサイド』がどんなゲームなのか少しだけ語っていきます。

"人が消える街"で祈り続ける、ひとりの少女


本作の舞台となる「錠ヶ崎市」は、近頃おかしな事件が多発し住民が次々に去っている――通称"人が消える街"。数年ぶりにこの街へと戻ってきた高校生の主人公が、幼なじみの「大槻マナ」と駅で再会を果たすところから物語は始まります。



「ここはもう、昔と違うんだよ」

さびしそうに呟くマナ。暗くなるまでよく2人で遊んでいた公園も、今では夜に子供の姿を見かけることはありません。謎の連続失踪事件に加え、凄惨な殺人も起きている「錠ヶ崎市」。親が遅くまで子供を遊ばせたがらないほど、街の治安は悪化しているのです。

この街は2人の思い出がつまった大切な場所。みんなが放課後も安心して過ごせるように人助けしたい――マナはその想いから、自身が作った「放課後安心クラブ」に主人公を誘います。

「みんなにとって、いつまでも安心できる居心地のいい場所ならいいなって思うんだ」

マナの真剣な訴えに応じる主人公。こうして、たった2人だけの部員による「放課後安心クラブ」の活動がはじまったのです。


不思議なアプリ「ココロインサイド」を使って、心の世界を探索しよう


この物語最大のキーアイテムが、「ココロインサイド」と呼ばれる不思議なアプリ。人の心に入ることができる特殊な作用がプログラミングされており、このアイテムを駆使しながら物語を進めていきます。

アプリのナビゲーターである黒猫「イルマ」が色々とサポートしてくれます。

ここが「錠ヶ崎市」のマップ。交番や温泉、レコードショップなども自由に出入りできます。

心の世界は、その人の願望や闇が色濃く反映される。


性格や悩みが人によって違うように、"ココロ"の世界も様々な姿で形成されています。しかし、その中でも共通するのがマモノの存在。乱れた心に巣食うマモノは、侵入者である主人公に襲いかかってきます。普段から誰かに八つ当たりをしたり、モラルに反する行為をしている人の心ほど、マモノが増殖しているのです。

カフェで理不尽なクレームをつけているマダム。

彼女の心に入ると、そこはマモノがうじゃうじゃと巣食うダンジョン!

マモノのボスを倒せば、闇を取り払えるかもしれません。

本作の戦闘はオート進行なのですが、画面上の「ACTION」コマンドを押すと任意のタイミングでスキルの発動が可能となります。ただしその際、動くバーをスキル項目に合わせてタップする必要があるため最初は戸惑うかもしれません。

しかし!慣れてくるとこの戦闘システムが非常に楽しいのです!タイミングを見計らってスキルをうまく決めていく快感はクセになります。

とはいえスキルは1ターンに1回しか使用できないのがミソ。調子に乗って「ACTION」コマンドを多用すると、敵の攻撃を回避するための「たえぬく」というスキルが使えずに大ダメージを受ける恐れがあるので要注意。その辺りのシビアな演出もうまく考えて作られていますね。



よりレアなマネキンを装備して、スキルを強くしよう!


心は願望を映し出す鏡。自分のなりたい姿や望んだ世界が適う場所でもあります。たとえば戦国武将好きな女性は心の中で和服に身を包んでいたり、店長に日々仕える従業員は心の中で王様の家来になっていたりと十人十色。

それは主人公も同じであり、心の中に入ることで様々な容姿(マネキン)を「装備」することができます。装備するマネキンによってスキルやレア度が変わるため、マネキン収集も本作の楽しいポイントの一つ。



マネキンはガチャを引いて手に入れられますが、一口に"ガチャ"と言っても消費するのはリアルマネーではなく、作中で登場するネコ缶と呼ばれるアイテムです。ネコ缶は他にもG(お金)と交換できたり、リタイア時にHP全快で復活できるなど、使用目的は多岐に渡ります。

シナリオと音楽の素晴らしさが、作品の大きな魅力。


テンポの良い戦闘に、独自のゲームシステム。これだけでも存分に楽しむことができる本作ですが、魅力をさらに高めているのが上質なシナリオと涙腺を刺激する音楽の存在でしょう。

作品の基本プロットしては、「錠ヶ崎市」で発生する未解決事件や噂の真相を突き止めるべく、「放課後安心クラブ」のメンバーたちが独自に調査するという青春アドベンチャー物。事件を追い進めていくうちに立ちはだかる「秘密」が実はあるキャラクターの「秘密」に繋がっていく展開など、後から「あ、そうだったのか!」と驚く場面も多く散りばめられており、ストーリーから目を離せません。

「放課後安心クラブ」は物語が進行すると新たなメンバーが加入し、活気にあふれていきます。キャラ同士の掛け合いも見ていて楽しく、特にSNSを使った今風のコミュニケーション演出は新鮮味を感じるのと同時に、甘酸っぱい気持ちが胸に広がります。これが青春というやつなのか……。



エモーショナルな旋律に、儚いメロディ。そして闘争心を鼓舞させてくれる勇ましいバトルBGMなど名曲揃いの本作。きっと、お気に入りの音楽が見つかることでしょう。筆者はアプリを起動するたびに、オープニング画面で流れる曲にしばらく聴き入ってしまうほどです。


久しくスマホゲームを遊んでいない方も必見の作品!


親しみやすいシンプルなドット絵から繰り広げられる、心かき乱される感動のストーリー。「SYUPRO-DX」作品のファンならばもちろんのこと、過去作品をやったことのない方や、そもそもスマホのゲームをほとんど知らないという方でも楽しめる傑作、それが『ココロインサイド』です。

本作は無料でプレイ可能。まずはダウンロードしてみることをオススメします(ゲーム内課金で、効率良くアイテム収集などが楽しめます)。

「錠ヶ崎市」を蝕む怪事件を、「放課後安心クラブ」の一員となって解決してみませんか。『ココロインサイド』はApple storeやGoogle Playで絶賛配信中です。今後新たなシナリオも追加される予定とのことで、今本編クリアした後もまだまだ楽しめますよ。

《春井メイゾウ》

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