敵地に潜入、爆発でフィニッシュ!な『クラックダウン』
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敵の基地に侵入し、ミッションを達成する。映画のようなそのシチュエーションを堪能させてくれるゲームといえば、『メタルギア』シリーズなどが有名ですが、筆者としては『クラックダウン』も外せません。
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この『クラックダウン』は、迷路のようなステージが舞台で、「×」印に爆弾をセットして脱出する面クリア型のアクションゲーム。真上からの見下ろす視点なので、周囲の状況は把握しやすく、またマップも表示されているので、「どこから攻めていくか」を考えながら挑む楽しさがあります。
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潜入して目的を果たすタイプですが、基本的には銃などをガンガン撃って問題なし。ただし、撃たれると1発でやられるので、銃を乱射してキャッホーとは真逆の方向性です。むしろ弾を1発撃っては隠れ、隙を見てもう1発撃つ。そんな、ちょっと地味目なゲーム進行となります。
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キャラクターの移動速度はそれほど速くないので、弾を見てから機敏に回避・・・というのは難しいところ。ですが、「壁に張り付く」というアクションがあり、張り付いている間は敵の弾を避けることができます。
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また、目的は爆弾の設置なので、敵を倒す主な理由は“危険性の排除”。スルーできそうな敵と無理に戦う必要がないのも、本作らしい駆け引きのひとつです。一般的なアクションとは異なるプレイ感も好印象でした。
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ちなみに、画面右下が敵の情報で埋まっているのは、2人同時プレイが可能なため。2人で遊ぶ際は、2P側の画面が右下に現れます。2人同時プレイ前提の割り切った画面構成が、いっそ清々しい。
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スクロールの向こうに敵がいないかビクビクしながら進み、張り付きが遅れたら一発でダウン。残機制とはいえやられる時はあっけなく、そして敵を全滅させる必要のなさが攻略の幅を拡げてくれます。
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難点を言うなれば、非常に“地味”なところでしょうか。ですが、ちまちまと動かすアクションが好きな人なら、かなり相性がいいと思います。元々アーケードゲームなので、自分の腕前磨きが楽しいタイプの作品ですね。
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ちなみに『クラックダウン』は、STEAM版が配信中です。日本語がサポートされていないのは残念ですが、元々日本語のテキストが重要なゲームではないので、今から遊びたい人はSTEAM版がお勧めです。価格も98円と、お手頃にもほどがある!
戦略性の高さが楽しいアクションゲーム『ゲイングランド』
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ちまちま動かす系アクションと言えば、『ゲイングランド』もメガドラ史に刻まれるべき存在です。こちらも見下ろし型のアクションゲームで、2人同時プレイも可能と、『クラックダウン』といくつか共通点があります。
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ただし、こちらのフィールドは固定型で、スクロールはなし。更に高低差があり、敵の攻撃もかなり激しいと、遊びの方向性は大きく異なります。
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キャラクターの移動速度が遅めですが、これはゲームバランスと関係しており、敵の放つ攻撃は目視で避けることも可能。ただし、間合いやタイミングによっては逃げ切れないことも多いので、移動速度をしっかりと把握し、いかに適切な距離を保ちながら攻撃するかが非常に重要なのです。
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ちなみに操作キャラは残機制ですが、1キャラが1機に当たり、それぞれ性能も異なります。各キャラが、高い位置に攻撃可能、射程が長い、連射が効くといった長所を持っており、その能力を活かした攻略が勝利の鍵に。アクションでありながら、シミュレーション的な側面も合わせ持わせています。
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各キャラは1度攻撃を食らうだけでやられますが、まだ助けられる手段はあります。倒れた仲間はその場に留まっているので、別の仲間で回収し、連れたまま出口に辿り着けば、次のステージから無事復帰。しかし回収せずにクリアしたり、回収中に別のキャラが倒れると、救出は失敗となり、もう戻ってきません。
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この「1度目の失敗はリカバリー可能だが、2度連続の失敗はアウト」というバランスが絶妙で、ミスを取り戻す好プレイや、取り返せなかった失望が、プレイ体験を思い出に変えてくれます。
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最初にいる仲間は3人ですが、ステージを進めると救出待ちの仲間が何人も出てくるので、無事に助けられれば戦力はどんどん増えていきます──が、敵の攻撃も本当に容赦ないので、難易度的には結構な歯応えがあります。
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特徴の異なる仲間を集め、先々のステージで誰をどこに投入するか想定しながら、現戦力でやりくりする。その計算と、想定を実現するテクニックが問われる『ゲイングランド』は、地味目ながら歯応え満点の良作です。
ちなみに本作も、手軽に遊べる手段があります。『クラックダウン』と同じくSTEAM(こちらも98円)で配信されているほか、アーケード版がニンテンドースイッチのDLソフトになっています。メガドライブ版とアーケード版はプレイ感もやや異なるので、両方遊んで比べてみるのも一興ですよ。