『スーパーマリオ 3Dコレクション』で『マリオ64』を遊んだら、むしろ『オデッセイ』のすごさに改めて気づいた話

3Dアクションとしてのマリオは、その歴史のなかでものすごく進歩していた! そんなことを『スーパーマリオ64』と『スーパーマリオ オデッセイ』から考えていきます。

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『スーパーマリオ 3Dコレクション』で『マリオ64』を遊んだら、むしろ『オデッセイ』のすごさに改めて気づいた話
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落下のリスク


画像は『スーパーマリオ 3Dコレクション』

『スーパーマリオ64』でプレイヤーが苦しめられるのは「落下」ではないでしょうか。落ちやすい理由は足場が狭い、前述の操作の問題などさまざま。しかもコースから落下するといちいち絵から追い出されます。これがかなりプレイヤーの心を折りにきます。

『スーパーマリオ オデッセイ』ではそもそも通常のステージでは落下するような場所が少ないです。もちろん狭い足場はありますが、意図せぬところでは落ちにくいような作りになっています。

キャッピーが驚くほど優秀


画像は『スーパーマリオ オデッセイ』

『スーパーマリオ オデッセイ』で特に素晴らしいのが相棒の「キャッピー」。彼は3Dアクションの問題点を解決するような存在といえるかもしれません。

まず、キャッピーを投げるとマリオのジャンプ着地点が予想できます。移動速度や高低差によって変化はありますが、投げた場所からジャンプするとおおむねキャッピーの位置に着地するのです。

前述のように3Dアクションは奥行きの理解が難しいのですが、キャッピーを投げてから飛べばジャンプが届くか否か非常にわかりやすい。しかも、キャッピーに乗るとさらに飛んで飛距離が伸びるわけで、プレイヤーにとってメリットばかりなわけですね。

画像は『スーパーマリオ オデッセイ』

キャッピーは飛び道具としても優秀です。『スーパーマリオ64』の場合はパンチやキックで敵を倒さなければならないのですが、攻撃範囲が狭いため近寄らねばならず、しかし奥行きがわかりづらいがゆえにうっかり当たってしまうケースも。

キャッピーはある程度なら飛んでいってくれますので、敵との距離を正確に掴まなくてもOK。しかもコインなど細かいアイテムまで自動で取ってきてくれるわけで、彼がいるだけで本当に冒険が楽&快適なものになるのでしょう。

マップの存在意義


画像は『スーパーマリオ オデッセイ』

『スーパーマリオ64』では各コースのマップは存在していませんが、移植作品である『スーパーマリオ64DS』では下画面にマップがつきました。『スーパーマリオ オデッセイ』でも各国のマップが存在しますね。

3D空間は把握するのがたいへんなので、平面的に描かれたマップがあれば全体像を理解しやすくなります。これは現実世界でもまったく同じで、そもそも地図もなしに見知らぬ場所に行くのは難しいですよね。

ペナルティの少なさ


画像は『スーパーマリオ 3Dコレクション』

『スーパーマリオ64』ではちょっと角度がついている崖などに掴まれないケースがあります。これで落下したりするとペナルティも大きく、ダメージ+行動不能時間があるなど全般的にかなり厳しめです。

落下ダメージは作品を追うごとに少なくなり、『スーパーマリオ オデッセイ』では高層ビルから落ちても足がしびれる程度で済みました。崖捕まりで苦労する印象もほとんどなく、こういった細かいところのケアもしっかりしているのでしょう。

部分的に2Dアクションにしてしまう


画像は『スーパーマリオ オデッセイ』

『スーパーマリオ オデッセイ』では2Dアクションパートが挟まれているうえ、その数もかなり多いです。個人的にはかなり嬉しいですし、箸休めとしてもいいとは思うのですが、「3Dアクションなのに、こんなに2Dになっていていいのかな?」と思うところもありました。

とはいえ、プレイヤーが難しい場所で何度もやられてしまうとモチベーションが落ちてしまうので、あえて割とクリアできそうな要素を選択肢として用意しておくのは重要でしょう。それが2Dアクションパートに該当するのかも。

見えづらい「ゲームの進歩」


画像は『スーパーマリオ オデッセイ』

『スーパーマリオ64』は1996年で、『スーパーマリオ オデッセイ』は2017年発売。21年もの期間があり、その間にもさまざまな3Dマリオが出続けました。その間にたくさんの「3Dアクションが遊びやすくなる作り」が盛り込まれ、ここまで大きな差になったのでしょう。

おそらく、当時『スーパーマリオ64』を遊んだ人のなかには私のように「3Dアクションは苦手」という意識を持っている人もいるかもしれません。しかし、『スーパーマリオ オデッセイ』は本当にいろいろな部分が進歩しており、あのころから考えるととてつもなく遊びやすくなりました。

「遊びやすさ」はすぐに理解できないし、なかなか評価されにくいポイントですが、あるのとないのでは大違い。いま『スーパーマリオ64』を遊ぶことでむしろ「3Dマリオはここまで進歩したのか!」と、歴史の重みと開発者たちの努力を噛みしめることができたのでした。


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《すしし》

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