◆六角形のブロック採用がゲームの奥深さを生んだ!
――まずは簡単に自己紹介をお願いできますか。
藤本『LINE POP2』のプロデューサーをしている藤本栄作です。さまざまなデータを開発と共有して、プロモーションの策定や、ゲームの改善や、今後追加するコンテンツや実施するイベントなどの方針を定めています。
石川アシスタントプロデューサーの石川勇樹です。本作の開発を手がけている韓国のNHN Pixelcubeとの連携や、運用まわりの対応を担当しています。
長屋アシスタントプロデューサーの長屋貴之です。石川と同じ役職ですので、業務内容も右に同じです(笑)。
志摩マーケティング、プロモーション全般を担当している志摩あき美です。私は福岡の「LINE Fukuoka」を職場としておりまして……。直接お目にかかれればよかったのですが、本日はリモートで失礼いたします。
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――マーケティングやプロモーションだと、他のスタッフがいる東京にいた方がやりやすそうなイメージもありますが、福岡でお仕事されているのですね。
志摩NHN Pixelcubeさんも韓国ですし、どこにいるからやりやすい、やりにくいというのはあまりないですね!
――なるほど。2012年11月から2018年12月までサービスされていた『LINE POP ~ブラウンのクッキー~』がいわゆる前作にあたるかと思いますが、そのサービスを続けながら2014年に本作をリリースし、以後4年間ほどは2タイトルが同時に運営されていました。この辺の経緯はどのようなものだったのでしょうか。
藤本『LINE POP』はLINEゲームの草分け的な存在で、リリースから12日で1,000万ダウンロードを達成するなど、大ヒットとなりました。それを受けて本作の企画が動き出したわけですが、当初は、グラフィックを大幅に向上させてリッチな見た目にする予定だったんです。
ですが、企画を詰めていくうちに「本作のタイトルにもある"ポップさ"というのはそうではないんじゃないか?」と考え直すにあたり、今みなさんに遊んでいただいている『LINE POP2』が生まれるにいたりました。
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――四角形だったブロックが六角形に変わったのが大きな特徴ですね。
藤本はい。それによって『LINE POP』では上下左右のみだったブロックを斜めにも動かせるようになり、奥深さが飛躍的に増しました。ただ、奥深さだけを追求し続けるとどうしても複雑にもなってしまいますので、いかに「奥深く、それでいて分かりやすい」ところに落とし込むかに苦心しました。その甲斐あって、奥深さとシンプルな爽快感を両立できたかなと。
石川そうしてサービスから4年も見えてきて、そろそろ世代交代かなと『LINE POP』の方をクローズさせていただくことにしました。
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――『LINE POP2』サービス開始直後のユーザーの反応はいかがでしたか?
藤本おかげさまで当初から大変ご好評をいただけて、数字もよかったです。ですが一般論として、スマートフォンゲームって3年、4年と続くとさすがに数字が落ち始めるんですよ。でも『LINE POP2』は逆で、6年が経過した今、むしろV字のように回復を始めています。
――その要因はどのように分析しておられますか?
藤本お客様に支えられているということは前提としてありながらも、はじめに奥が深いゲームの仕組みが用意できていたので、月日が経ってそれがみなさんにしっかり伝わった…というのが一つかなと。
長屋その他、ゲームの改善点を常に模索し続けるのはもちろん、新規ステージを毎週15個、金曜日に追加しています。今ではチャプター数が262、ステージ数でいうと通常ステージだけで約3,900ステージが実装されており、ボーナスステージを含めればその数は4,000を優に超えています。
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――それは遊びきれなくていいですね! "やることがなくなった"というのは、運営型のゲームをやめる理由の一つだと思います。
石川とはいえ、それでもユーザーの10%~20%くらいの方は通常ステージをすべてクリアしていますので、まだまだです(笑)。
藤本ですが、全ステージをクリアすると「トップリーグ」の挑戦権が得られるようになっていまして、そこでさらに500ステージが追加され、そこでしか手に入らない報酬も用意しています。ゲームをやめる機会は与えませんよ!(笑)
――マーケティングの観点から、この6年で印象的だったことや成功の秘訣だと感じたものはありますか?
志摩本作はコラボレーションの頻度が高く、リリースから今日までで30回以上は行っています。それが印象的ですし、盛り上がりの理由の一つかなと思います。さまざまな人気キャラクターやお店とコラボさせていただけましたし、おかげさまで、今ではそれを楽しみにしてくれている方も大勢いらっしゃいます。うまくハマりましたね。
――コラボ先の選定基準はどのようなものなのでしょうか?
志摩ユーザーには30代の女性の方も多くおられますので、女性やファミリー層に喜んでいただけるところにコラボをオファーさせていただくことが多いです。
藤本今後も、カジュアルゲームだからこそできるコラボを積極的にやっていきたいですね。
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◆ユーザーに寄り添い、多数の改善アップデートを予定!
――2020年10月末現在、サービス6周年としてさまざまなイベントを開催されておられますが、その概要をお聞かせください。
長屋6周年感謝キャンペーンとして、ユーザーのみなさんに好きなイベントのアンケートを実施して人気だったイベントと定量的な観点から選定した上位6位のイベントを開催させていただくことにしました。あと、6といえばロックだろうということで、ロックンロール推しになっています(笑)。
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藤本6年も続けてこられたのはひとえにユーザーのみなさんのおかげですし、そんなゲームを作れたのもブロックを六角形にしようという発想あってこそでした。まったく、6さまさまですね! イベント以外にも、さまざまなところに"6"を潜ませていますので、6がどこにあるか探してみてくれたら嬉しいですね。
――上位6位に入り、開催の運びとなったイベントについてもお聞かせください。
長屋第6位は、ミッションに挑戦して、その結果に応じて豪華プレゼントが当たる抽選に応募できるイベントです。家電や目元のフェイスケア用品の他、ゲーム内アイテムなどが当たります。第5位は「秘密の森イベント」ですね。毎月開催されている非常に人気があるイベントで、イベント専用ステージをクリアすると獲得できるサファイアの数でランキングを競う内容となります。第4位は、毎月異なる星座を作っていく「星座イベント」です。今回は6周年にちなんだ"ロックブラウン座"となっています。
第3位はサイコロを振ってすごろくのように遊べる「宝島イベント」で、第2位は同レベル帯の10人が1つのグループになり、その中で順位を競う「ラリーイベント」。そして第1位は、やはり「キャラクターコラボイベント」です。今回は、生誕70周年をむかえたあのキャラとコラボさせていただくことができました!
※1位以外は、6周年版は終了しています。
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――マーケティング側で反響が大きかった施策はありますか?
志摩6周年を記念してLINE公式アカウントと友だちになっているユーザーに特別招待状をお送りしました。一人ひとりの方のプレイ年数に合わせて「3年間遊んでくれてありがとう」、「6年間遊んでくれてありがとう」というように文面を変えたのですが、その反応がよくてすごく喜んでいただけました。
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――ユーザー側からすれば「きちんとこちらを見てくれている」と思えそうですね。
志摩文面の一部は手書きの字をデータ化したりして、少しでも温かみがあるものになるよう努めたのも喜んでいただけました。これからもみなさんとコミュニケーションを取れる施策を考えていかなければと、こちらも思いを新たにできましたね。
――それでは、今後のアップデート予定などもおうかがいできますか。
藤本2020年の年末から2021年にかけて、約4回の大きなアップデートを予定しています。
――具体的にはどのようなものが予定されているのでしょう。
藤本先ほどもお話したように今『LINE POP2』はとても好調なのですが、比較的最近にゲームを始めてくださった方たちのプレイ持続をどうサポートするかが直近の課題です。この6年間にいろいろなコンテンツを追加してきましたので、それが初めての人には複雑に感じられてしまうのではと分析しています。
――長く続くオンラインゲームの宿命のようなものですね。
藤本その状況を打破すべく、本作の核となる部分――つまり3マッチパズルの部分を「コアゲーム」と定義し、そこから段階的に、ゲーム全体を徹底的に最適化し、改善していく予定です。そのために、コアゲームの部分をさらにスタート時、パズル画面、プレイ時、クリア時、リザルト画面の5段階に分けて、その一つひとつをより分かりやすいものに、より手触りがよいものにしていきたいと思っています。
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『LINE POP2』はカジュアルなタイトルなので、他のゲームタイトルなどでゲームプレイをしないお客様が触れることもあります。ゲーマー向けのコアなタイトルなら、お客様も慣れている方が多いので自然とゲームに入り込めますが、そうでない方は導線がきちんとしていないと、ゲームの目標や気持ちよさを見失ってしまうこともあります。
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なので、例えばミッションダイアログの消え方であったり、アイテムのボタン、ミッション成功時の演出やリザルト画面でのボタンの反応など、細かいところも妥協せずに改善していくことで、プレイを始めた方がより続けやすくなるようにしていきたいと思っています。
※実施内容は変更される場合があります。
――お金を払って買ったゲームなら不満点があっても「もうちょっと遊んでみようか」と思うこともありますが、プレイを始めたばかりの基本無料のゲームとなると、まだ出費がないだけにやめることにためらいが出づらいですね。
藤本だからこそ、好調な今、原点に立ち返ってより直感的におもしろさが伝わるゲームにしなければならないと思いを新たにしています。また、そうした改善と同時に今後は「プレミアムパス」(※)の導入を予定しています。月々ワンコインくらいお支払いいただけると、特別なサービスを受けられるようにするつもりです。
※名称や詳細な仕様は変更される場合があります。
――新規のプレイヤーたちはより遊びやすくなり、深く遊びたい人はプレミアムパスを検討してもいい……ということですね。ありがとうございました。それでは、最後にひと言ずつ、今後に向けての意気込みをいただけますか。
志摩私自身も『LINE POP2』をプライベートで遊ぶ一人ですので、その経験を生かしてユーザーのみなさんに近い目線でマーケティングができればと思います。運営スタッフにも女性が大勢おりますので、女性ユーザーのみなさんにより親しんでもらえるよう努めます。
長屋ゲームを初めて触ったときの手触りや感覚の大切さを忘れず、これからも楽しいゲームを提供していきたいです。また、今後のコラボにもご期待ください。
石川新規のみなさんはもちろん、継続して遊んでくださっている方たちにもしっかりアプローチしていくことを大切にします。
藤本常にお客様を第一に考えること。楽しさが直感的に伝わるゲームであること。すべてを適宜最適化していくのを忘れないこと。この3つを念頭に、これからも邁進していきます。
オンラインゲームは長く続くと肥大化し、複雑化していくのが普通です。だからこそ、余分なものはそぎ落として、ゲームのコアにあたる3マッチパズルを見直すことで、より親しまれるゲームにしていきたいと思っています。プレイしてくださっているみなさんも、まだ遊んだことがないという方も、ぜひ六角形3マッチパズルの奥深さを探求してください!