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『Fate/Grand Order』にて、新イベント「いざ鎌倉にさよならを ~Little Big Tengu~」が開幕しました。本イベントでは、バトル開始時にミニサーヴァントたちが登場し、各々のスキルでサーヴァントを援護してくれます。
本イベントのミニサーヴァントたちは、鬼一法眼の持ち出した亜種願望機「打ち出の小槌」を受け、身長が縮んでしまったゆえに生まれたものです。しかし、ミニサーヴァントは本イベントが初登場というわけではありません。
その原点は今から約5年前、2016年9月に開催された「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」まで遡ります。彼らが2021年になって再び活躍することに驚きを覚える反面、当時は「打ち出の小槌」なんて無いはず……あれ、そもそもミニサーヴァントって何者だっけ? と疑問が湧いてきました。
そこで今回は、「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」をはじめとするミニサーヴァントの歴史を振り返り。その生まれや存在意義に迫ります。
最初は“魔法少女のオトモ”だった
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まず「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」ですが、同イベントの舞台は“とある人物の固有結界”で、自分の世界(数多の並行世界)で様々な理由から魔法少女でいられなくなった存在が行き着く、魔法少女の墓場と言える世界でした。
ここでミニサーヴァントたちは、魔法少女の使い魔(「守護獣」と書いて「おとも」と読む)として登場。各魔法少女には、メイヴにクーちゃんが、メディア〔リリィ〕にイアソンくんが、エレナにエジソン君が付いていました。
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厳密に役目が語られたわけではありませんが、守護獣の主な役目は魔法少女のサポートです。守護獣本人が直接戦うこともあれば、参謀役として魔法少女に助言することも。クーちゃんは専用のバトルグラフィックまで用意されていました。
ミニサーヴァント化しても精神に変化はなく、魔法少女との関係はイベントシナリオや幕間で語られるような見慣れたものです。「いざ鎌倉にさよならを」と同じく、見た目だけ小さくなったと見て間違いないでしょう。
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イベント全体を通してミニサーヴァント姿でのみ登場しており、どのような過程でミニサーヴァント化したのか? どうやって生まれたのか? などは語られずに終わりました。
ただし、メイヴが「クーちゃんたら、ミニサイズになってもクールに残虐なのね」と口にしたので、ミニサーヴァント前の姿を知っているのは確実です。並行世界の存在と言えど、人類史に残る活躍をしてきたのは一緒。イアソンは理想の王になれなかったし、エジソンはエレナの活動を支援し、投資してきました。
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もしかしなくとも、この世界に来るまでは成長した姿だったのでしょう。魔法少女たちが行き着いた際に、自分の世界で深い関係にあった存在がミニサーヴァント化して召喚される。そんな仕組みがあったのかもしれません。
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メタい考察をするならば、そもそも魔法少女のオトモと言えば、「魔法少女まどか☆マギカ」のキュゥべえ、「カードキャプターさくら」のケロちゃん、「プリキュア」シリーズの妖精など、メルヘンチックな見た目ばかりです。
「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」の名前にもある通り、同イベントのテーマは魔法少女なので、それに合わせてオトモたちをメルヘンチックなミニサーヴァントにしたとも考えられます。
『FGO』は勢いだけで突き進むこともあるので(例:唐突なサバ☆フェス)、これが正解なのでは?
まさかの“ぬいぐるみ”になって再登場
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「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」で出番を終えたミニサーヴァントたちですが、2017年のバレンタインイベントにて、クーちゃんがバレンタイン礼装として再登場。守護獣ではなく“ぬいぐるみ”として、主人公のマイルームに飾られることとなりました。
贈り主のクー・フーリン〔オルタ〕によれば、いつのまにか置いてあったとのこと。メイヴあたりが嫌がらせに持ち込んだと予想するも、メイヴ本人に心当たりはなし。おまけに動いたり喋ったりできる、ただのぬいぐるみとは断じて言えない未知の存在です。
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後に、アナスタシアから「ヴィイぬいぐるみ(自立型)」、パリスから「アポロン人形」を貰ったことで、マイルームには3体の人形が集結。現在は主人公の睡眠を守るため、侵入者の感知・迎撃をこなす、いつぞやの“守護獣”と言わんばかりの活躍をしています。
もし、打ち出の小槌で縮んだクー・フーリン〔オルタ〕がマイルームを訪れれば、クーちゃんが2人になるわけですね。
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また、少し方向性は変わるものの、2018年のバレンタインイベントでは「パラケル君」なるミニサーヴァント(?)も登場。こちらはパラケルスス本人が作った、限定的な能力のみを持つ特殊なホムンクルスでした。
改めてミニサーヴァントを振り返ってみましたが、初めは「いざ鎌倉にさよならを」と同じく、サーヴァントがミニサイズ化したものでした。しかし、後にぬいぐるみや量産型ホムンクルスとして登場するなど、そのなり方や存在意義はさまざまです。
「いざ鎌倉にさよならを」では、“本人たちが打ち出の小槌で縮んでミニサーヴァント化した”と明確な理由があるだけに、ミニサーヴァント案件の中でもシンプルな部類だと言えます。
明確な事柄の決まっていない、イベントごとに扱いの変わるかわいい存在。それがミニサーヴァントなのでしょう。