2021年1月29日にニンテンドースイッチにて発売された『バディミッション BOND』。発売後、何かと話題になった今作がどのように魅力的なのか紹介したいと思います。
犯罪組織「DISCARD」を追い、謎を解き明かす物語

正義感の強い父親に憧れ、国家警察官になったルーク。しかし、そんな憧れとは裏腹に警察内部は大きな犯罪にのみ力を入れて、功績を伸ばし出世しようと奮闘する者ばかり。父のような「ヒーロー」になりたいと思い、出世には結びつかないような些細な犯罪にも力を入れているルークは同僚から笑いものにされます。
そんなある日、とらわれた女性の映像が警察に匿名で送られるという事件が発生。誰かのイタズラだと判断され放置されそうになるも、引っ掛かりを感じたルークは単独で捜査に乗り出すことに。そこで、特異な出来事に巻き込まれていきます。

ルークは物語の中で様々なキャラクターと出会い、その中で「DISCARD」という犯罪組織の存在を知ります。謎の組織「DISCARD」と父親の死には深い関わりがあるらしく……。
キャラクターデザインは漫画「アイシールド21」や「ワンパンマン」の作画を担当した村田雄介氏。開発はコーエーテクモゲームスの乙女ゲームで有名なルビーパーティーです。
ルビーパーティーの手掛けるゲームはストーリーや設定は当然面白いのですが、とにもかくにもキャラクターの魅せ方が上手!その掛け合いには定評があり、各キャラクターが持つ魅力を最大まで引き出してくれます。かくいう筆者も「ルビーパーティー」ファンであり、今作も同チームが開発していると知って購入しました。
捜査パートと潜入パート、大事なのは聞き込み

『バディミッション BOND』では、「捜査」と「潜入」を繰り返しミッションをクリアしていくことで物語が進んでいきます。
「捜査」パートでは、それまでの物語で知り得た情報をもとに、解決への道筋を模索。「サーチモード」で事件や出来事の情報を探り、「シンキングタイム」でどのように捜査するか検証します。

ミスをしてもデメリットがなく時間制限もないので、苦手でも安心。
その後、本格的な捜査や聞き込みが始まります。「潜入」に必要な情報を入手するために、キャラクター4人の中から2人を選択し、バディを組ませる…のですが、誰と誰を組ませるかが非常に重要!効率良く情報を聞き出すには相性の良いキャラクターで聞き込みをしなければなりません。

ミッションが終了すると、プレイ内容に応じてBONDチームに焦点を当てた「バディエピソード」や、作中に登場する様々なキャラクターの「サイドエピソード」が解放されます。コミカルからシリアスまで揃っていて、より深くゲームの世界観を味わえます。
漫画風の演出と、ストーリーを盛り上げるキャラクター

漫画を意識したアドベンチャーパートではキャラクターの立ち絵とは別に膨大な数のイラストが使われていて、演出も相まって全く飽きません。テンポのいいシナリオ展開に、プレイヤーの操作が必要な箇所が程よく挟まっておりノベルゲームが苦手な人も楽しめるかと思います。

チームBONDは、正義感の強い警官のルーク、世界的な大怪盗アーロン、元忍者でショーマンのモクマ、変装を得意とする魔性の詐欺師チェズレイの4人で構成されています。
一番の常識人であるルークが、個性の強い周りの3人に振り回されていたり、逆に豹変したルークに周囲が振り回されたりと、そのバタバタぶりは必見。
コミカルな場面では基本的にルークがツッコミ役なんですが、彼がおかしくなったりモクマがボケると、たちまちアーロンがツッコミになるなど、サプライズな展開も珍しくありません。シナリオ内にはふざけた選択肢もあり、筆者はワザとそういったものを選んでアーロンを切れさせる遊びをしてしまいました。
モクマとチェズレイの過去は謎に包まれており、ふとした瞬間に闇を感じる場面があります。そういった点も、物語にどう関わってくるのか気になってしまいます。

出てくるキャラクターどれもが個性的で、明らかにふざけた名前のキャラクターが登場したりと開発者の遊び心を感じますね。
細かいところも作りこまれており、捜査で選んだバディによってBGMが変化したり、テキストもキャラクターそれぞれ用意されていたりします。
ミッションひとつのボリュームは、約1時間程度。「バディエピソード」と「サイドエピソード」も数が多く、特にルークとモクマの陽気な2人によるやり取りは癒されます。

全体的にヒントが多めで、手応えのある謎解きを求めている人にはもの足りなく感じるかもしれませんが、手軽にミステリーを感じたい人にはちょうどよいでしょう。アクション要素も少なく、どちらかといえば女性向けだと筆者は感じました。
ニンテンドーeショップでは体験版が配信されているので、気になる人は是非、お試しください。キャラクターに魅力を感じた人はハマること間違いなしです。