『ニーア リィンカーネーション』以前の「ニーア」「ドラッグオンドラグーン」シリーズを振り返り!―「知らなくてもいいの?」…そんな声にまるっとお答え!

スマホ向け最新作『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)』をプレイする方へ。振り返りを兼ねて『ドラッグオンドラグーン』シリーズと『ニーア』シリーズ、各作品の個性や特徴について、物語面のネタバレ抜きでご紹介!

その他 特集
『ニーア リィンカーネーション』以前の「ニーア」「ドラッグオンドラグーン」シリーズを振り返り!―「知らなくてもいいの?」…そんな声にまるっとお答え!
『ニーア リィンカーネーション』以前の「ニーア」「ドラッグオンドラグーン」シリーズを振り返り!―「知らなくてもいいの?」…そんな声にまるっとお答え! 全 45 枚 拡大写真

スクウェア・エニックスが放つ新たなスマホ向けコマンドRPG『ニーア リィンカーネーション』が、2月18日に待望の正式サービスを迎えました。

本作は『ニーア』シリーズに名を連ねる最新作であり、シリーズでは初のRPG作品。これまでアクションRPGとして展開してきた『ニーア』の世界を、RPGでどのように描くのか。ファンのみならず、多くのゲームユーザーが関心を向けています。


多くの方が本作を待ちわびていましたが、一方で「これまでの関連作を知らなくても大丈夫なのか」と一抹の不安を抱いている人もいることでしょう。また、関連作がどんな特徴を持っているのか、気になっている方も少なくないはず。

そこで今回は、関連作を知らないと『ニーア リィンカーネーション』は楽しめないのか、そしてどんな関連作があるのか。ユーザーが興味を寄せているポイントについて、迫りたいと思います。

現時点における『ニーア リィンカーネーション』と関連作の繋がり



正式サービスが始まったばかりですし、今後のアップデートや施策でコンテンツも広がっていくため、現時点で断言こそできませんが、『ニーア リィンカーネーション』は単独でも十分楽しめる作品だと思われます。

まず『ニーア』シリーズとその関連作は、いずれも作品単体で完結しています。世界観や設定面での繋がりこそあるものの、時間軸が連続した物語ではありませんし、近しいけども同一ではない平行世界的な扱いのような印象も受けます。そういったこれまでの展開を踏まえると、間接的な繋がりはあるにしても、『ニーア リィンカーネーション』自体は基本的に独立した作品と見てよさそうです。


公式サイトのキャラクター紹介を見ても、いずれも『ニーア リィンカーネーション』オリジナルの面々で、関連作のキャラクターなどはいません。『ニーア』シリーズ初体験の方も、安心して本作をお楽しみください。


一方で、何の接点もないのかと言われれば、答えは“NO”です。まず、配信直後から『ニーア オートマタ』とのコラボレーションがスタート。コラボクエストの開催や、『ニーア オートマタ』のキャラクター「9S」「2B」「A2」が新規衣装で登場するコラボガチャなどが行われています。

また、関連作に共通するゲームシステムのひとつ「ウェポンストーリー」が、『ニーア リィンカーネーション』にも登場。それぞれの武器にまつわる物語を描くこの要素は、時に予想外の展開で見る者の心を掴み、また世界観の考察の一助ともなります。


この「ウェポンストーリー」のように、関連作に見られる要素の数々が、『ニーア リィンカーネーション』に盛り込まれている可能性は十分にあります。本作単体で十分楽しめるのは間違いないと思いますが、関連作を知っていると面白さが一層増すかもしれません。もし時間に余裕があれば、『ニーア リィンカーネーション』を遊びつつ、関連作をチェックしてみるのも一興でしょう。

関連作の『ドラッグオンドラグーン』/『ニーア』シリーズに迫る



『ニーア リィンカーネーション』の関連作として挙げられるのは、シリーズの過去作に当たる『ニーア レプリカント/ゲシュタルト』と『ニーア オートマタ』、そして『ドラッグオンドラグーン』シリーズもそこに加わります。

『ニーア リィンカーネーション』を含めた上記全ての作品に、ゲームクリエイターのヨコオタロウ氏が一貫して参加しており、各作品の根幹から関わっています。また、直接的もしくは間接的に各作品が繋がっているのも、見逃せないポイントです。

そのため、ひとつを遊ぶと、その繋がりから別の作品も気になり、芋づる式に全ての関連作に興味が湧くこともしばしば。しかも全ての作品が個性派揃いと、実に濃いラインナップとなっています。

その魅力に深く迫りたいところですが、体験としては実際にプレイしてみるのが一番。先にネタバレをしてしまっては、プレイ意欲を削ぐことにもなりかねません。そこで今回は、物語面のネタバレは極力避け、強烈過ぎる各作品の個性の一端に迫ることで、関連作への興味・関心のきっかけにしていただければと思います。

■『ドラッグオンドラグーン』(2003年9月11日発売)

今回挙げた関連作で最も古い作品が、この『ドラッグオンドラグーン』です。戦乱続くファンタジー世界を舞台に、人間の欲望や感情を浮き彫りとし、どこまでも罪深い世界をとことん描く本作は、まさに衝撃的な作品でした。

まず驚かされるのが、主人公・カイムの設定です。カイムは復讐を果たす血塗られた道を歩んでいますが、敵討ちはいつしか口実となり、その殺戮は己の怒りを鎮める手段にすり替わっていました。


「おいおい、早速ネタバレしてるじゃないか!」と言われそうですが、この下りはまだプロローグの段階に過ぎず、ゲーム本編は始まっていません。そんなカイムが命の危機に直面し、同じく瀕死だったドラゴンのアンヘルと「契約」を結ぶことで、本作の物語は幕を開けます。

主人公が復讐を目指す作品はいくつもありますが、その殺戮こそが目的にすり替わっている──ここまで濃い設定のゲームは、なかなかお目にかかれません。しかし、その濃さは主人公だけに限りません。対立する敵側も色濃いのですが、『ドラッグオンドラグーン』は味方である仲間も、同等かそれ以上の濃さを見せます。


押さえきれない欲望、そして潔癖さを合わせ持つレオナールは、高まる性欲をひとりで処理すべく、たびたび家を空けていました。その間隙を縫うように敵兵が家を襲い、レオナールが気がついた時には弟たちは全員死亡。家族が殺されて旅に出る流れも珍しくありませんが、ここまでのシチュエーションはかなりハードでしょう。

しかもレオナールが契約したフェアリーは、「相手を罵倒する」という価値観を是としており、上記の一件も絡めながら罵倒することもしばしば。快楽に耽って弟たちを失い、自ら死ぬ道も選べず、フェアリーからの罵倒を罰と考えて受け入れる。1人目の仲間からして、かなりきつい背景を背負っています。


また、ほかの仲間もかなりの濃さを持っており、敵兵に夫と子供を殺されたことで精神を病んだアリオーシュや、双子の妹は虐待を受けているのに、自分だけは母親からの愛情を一身に集めているセエレと、パーティメンバー全員が濃すぎるほどに濃密なのです。

加えて、プレイアブルキャラではありませんが、世界を支える「女神」に選ばれたせいで人間らしい幸せを諦め、苦痛に耐え続ける日々を送るフリアエや、カイムやフリアエとの関係性に悩み、劣等感に苛まされたイウヴァルトも、プレイヤーの心を大きく揺さぶる存在でした。


そんな主人公達が辿る物語もまた、彼らに相応しい過酷な展開を辿ります。詳しくは語りませんが、マルチエンドのひとつひとつが衝撃的で、今も語り継がれるほどです。

どこを見渡しても、罪深さが横たわる『ドラッグオンドラグーン』。プレイする機会があれば、その業の深さを直接確かめてみてください。ただし、とあるエンドの直前に立ちはだかるリズムゲーム風のパートは、かなり手強いのでご注意を!

■『ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』(2005年6月16日)

関連作の繋がりは、間接的であったり、時間の隔たりが大きい傾向にあると言及しましたが、その中でも前作と比較的近しい関係にあるのが、この『ドラッグオンドラグーン2』です。

ドラゴンやフェアリーなど特別な存在との「契約」や、全体的なゲームシステムなど、『ドラッグオンドラグーン』の要素が本作に受け継がれており、前作との関連性を見出すのも楽しみのひとつでした。

ですが主人公たちの設定は、その方向性が大きく変わっており、少なくともゲーム開始時点では罪深い要素をあまり感じません。前作の面々は全員が「契約者」でしたが、本作では少々事情が異なっており、そのため方向性に違いが生まれたのかしれません。

その分、と言ってはなんですが、敵として立ちはだかる契約者──「守護者」の面々が非常に色濃く、人間らしい欲望を渦巻かせています。


イフリートと契約したザンポは、小柄ながらも逞しい身体を持ち、力強さに満ちています。ですが、その精神は幼く、我慢を知らない子供のよう。彼は元々虚弱体質で、それを不憫に思った両親が甘やかし、好きなものを好きなだけ食べられる生活を送ってきました。

そんな怠惰な日々を過ごした彼は、精神的に成長することなく大人になり、その人間性に見合った評価として騎士団の中でも最低ランクに位置づけられてしまいます。ですが、イフリートと契約したことで逞しい肉体を得て、その力で「守護者」としての地位を勝ち取りました。ただし代償として、彼の喜びであった「食べること」を失います。

力を得て認められたものの、それは契約の恩恵に過ぎず、未発達な人間性のまま、不釣り合いな地位に収まったザンポ。彼の人生を支えてきた「食べる」という行為を失い、全てを手に入れようとして全部失ったかのような姿を見ていると、ただの敵役と切り捨てにくい想いが胸を過ぎります。


2人目の守護者は、過度に卑屈な態度が目に余る女性・ハンチ。地位のある立場なのに、その態度や言動は過剰にへりくだっており、逆に相手を苛立たせる行為に成り果てています。それを察してますます卑屈になるものの、それは火に油を注ぐだけで、救いのない悪循環を繰り返すばかり。

そんな彼女ですが、幼い頃は「太陽の微笑み」と称されるほどの愛らしい少女でした。しかしその魅力は、助かるためにケルピーとかわした「契約」の代償として奪われてしまいます。魅力を失った少女の性格はねじ曲がっていき、その人間関係は悪化の一途を辿ることに。

ザンポの場合は、契約したことで己の醜さが浮き彫りになっただけと言えます。ですが、ハンチは、契約を結ばなければ死んでいました。そして、契約をきっかけに人生が変貌し、唯一声をかけてくれる人物に依存してしまう・・・誰しもが陥る可能性のある絶望という点で、他人事とは割り切れません。


そして3人目の守護者は、ノームと契約したヤハ。彼はその容姿を活かして貧困層を抜け出し、騎士団に入った後も順調に出世します。時に身体を使うこともありましたが、それは彼にとって、生きる上で欠かせない武器のひとつだったのでしょう。

契約者になれば更なる出世が望めるため、ノームとの「契約」を了承。ですが、引き換えにヤハが失ったものは「快楽」でした。快楽の伴わない性行為は、苦痛でしかありません。これまでの成功を後押ししていた武器は、彼自身を傷つける刃となったのです。

貧しい暮らしから抜け出すのは、自分らしい人生を掴む行為とも言えます。そのために身体を使い、契約にも手を出した結果、出世の武器を失ったヤハ。「運が悪かった」「自己責任」といった言葉で片づけることは出来ますが、自分の人生を取り戻そうと足掻いた行動と決断を、決して嘲笑することは到底できません。

自分本位で浅ましく、愚かで、だからこそ人間らしくエネルギッシュな彼らは、『ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』が描く罪深さの一端を担っており、濃厚な存在感を放っています。印象深い敵役がいるからこそ、輝く物語もある。それもまた、本作が持つ醍醐味なのでしょう。

こちらは余談となりますが、前作の主要キャラであるカイムとアンヘルも、本作に登場します。ネタバレ回避のために伏せますが、ともすればエンディング以上に印象深いシーンが描かれるので、もしプレイする際はお見逃しなく。

■『ドラッグ オン ドラグーン3』(2013年12月19日)

前2作はPS2ソフトでしたが、本作『ドラッグ オン ドラグーン3』はPS3向けに登場。主要な開発陣は続投しつつも、開発会社が変更に。その影響か、アクション性などが大きく変わり、スピーディで爽快感が増しました。

また、これまでの主人公は方向性こそ違えどもひたむきで、シリアス寄りのキャラクターでした。しかし、その路線も大きく舵を切り、シリーズ初の女性主人公を用意。軽口を叩き下品な冗談も遠慮なく放つなど、これまでにない主人公像でシリーズファンを驚かせました。

しかも、主人公・ゼロの目的は、妹たちの殺害。彼女の妹たちは、暴虐な領主たちを討伐し、世界に平和をもたらした、いわば救世主的な存在です。そんな妹たちを殺す・・・この世界に生きる者から見れば、ゼロは平和を打ち砕く悪そのものに見えることでしょう。


ドラゴンを引き連れ、世界各地に血と死を振りまくゼロ。返り血を厭わず、悪態を吐き、刃向かう者には容赦をせず、そして妹たちをその手にかける。悪逆非道とも言えるその行いは、もちろん理由があり、力強い意志こそが原動力でした。

その詳細はプレイを通して分かることですが、ともすればゼロは、歴代で最も理不尽な目に遭い、一方的に責任を追わされ、なのに投げ出すことなく突き進む、ひたむきに健気な少女──なのかもしれません。

前述した口の悪さやスラングの多さは、プレイヤーを選ぶ一面もありましたが、こちらにも理由があります。というのも、幼少期の環境は悪辣そのもので、その身を犠牲にしながら生きるような日々でした。弱いものは利用され、踏みにじられ、信じれば裏切られる。そんな環境で育つしかなかった子供が、品行方正に育つわけがありません。


ゼロの口の悪さは──本人の性格も少なからず影響しているでしょうが──厳しい環境から身を護る、一種の武器であり防具でもありました。それを思うと、プレイ中に飛び出す罵詈雑言も、個人的にはあまり抵抗感を覚えません。

また、他作品の繋がりとしても、『ドラッグ オン ドラグーン3』は重要な存在と言えます。というのも、『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズとしては3作目ですが、時間軸的には1作目よりも過去の時代で、「契約」が生まれたのも本作から。設定面でも、実に興味深い作品でした。

そして『ニーア』シリーズへ
  1. 1
  2. 2
  3. 続きを読む

《臥待 弦》

この記事の写真

/

特集

関連ニュース