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溢れる手作り感とパロディ要素が魅力となっている、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」野田クリスタルさんの自主制作ゲーム「野田ゲー」。そんな野田ゲーがぎっしり入った『スーパー野田ゲーPARTY』が4月29日、遂にニンテンドースイッチで発売されました。
昨年の「R-1ぐらんぷり」優勝ネタとして一躍脚光を浴びてから、アプリのリリースやクラウドファンディング、そしてM-1優勝など様々なイベントを経て、気付けば野田さん本人は「超おもしろ総監督」となり、制作には『もじぴったん』の生みの親である後藤裕之さんと面白法人カヤックが中心となる一大プロジェクトに。
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「そもそも野田ゲーって何なんだ」とか「なんでスイッチで発売されることに?」という経緯については是非とも過去の記事を参考にして頂くとして、今回は『スーパー野田ゲーPARTY』に収録されている16種類の最強の野田ゲーを一挙に紹介します。
生まれ変わりし“元祖”野田ゲーたち
これまで野田さんが個人で作り上げ発表されてきた野田ゲーたちが、装いも新たに収録。原点にして頂点の味をお楽しみください。
『太ももが鉄のように硬い男てつじ 令和も!平成も!昭和も!』
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R-1ぐらんぷりでの披露もあった代表的な野田ゲーのひとつ、通称「もも鉄」です。某長寿タイトルを思わせるサブタイトルになっていますが、この「もも鉄」は初登場も令和だった気がします。
そんなことはさておき、てつじの強固な太ももで敵弾を跳ね返していく「ベルトスクロール式リフレクトアクション」のプレイ感は意外と斬新。HPバーはありますが、一発でも被弾すると終わりなのでジャンプも駆使して回避していきましょう。
「知らない人モード」では、主人公のてつじが知らない人になります。知らない人なので誰かは分かりませんが、実質無敵の「全鉄」化アイテムがドロップするので、どうしてもクリアしたい方は知らない人モードがオススメです。
『スーパーブロックくずして』
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DJとしても活動するフリーのピン芸人デッカチャンさんが素材の謎ゲーです。自動で進行するブロックくずしの弾を避け続けるゲームで、当たってしまうとデッカチャンさんがデッカくなって絶対に避けられないので実質1回目までの粘りが問われます。
スーパーになって追加された「相棒と一緒」モードでは、球を跳ね返してくれる相棒がついてきますので、格段に遊びやすいですし、なんだったら普通にブロック崩しとして楽しんでみてください。
『頼むぜ!!ボルダリング姉さん ~アルティメット・エディション~』
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ボルダリングのホールド(掴むところ)に紛れ込んだ果物を食べて進む、通称「ボル姉さん」も『野田ゲーPARTY』に参戦です。以前は自動で食べてくれたのですが、今バージョンではボタン入力が必要なので、いつも以上にしっかり果物を見極める必要があります。
シングルプレイではタイムアタックをするもよし、敵を打ち破っていく「アルティメットモード」に挑戦するもよし。どの辺がアルティメットなのかは、筆者にはよく分かりません。
芸人コラボの野田ゲーたち
先述のデッカチャンさんしかり、お笑い芸人の野田クリスタルさんが手がける野田ゲーでは芸人仲間の皆さんが登場するタイトルも恒例です。本作に収録されている新作「芸人系野田ゲー」を続いて紹介しましょう。
『おたけさいこっちょーゲーム』
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ジャングルポケットのおたけさんが登場し、持ちネタの「さいこっちょー」か「さいてっちょー」を披露しますので、皆さんはどちらが出るかを予想してください。非常にシンプルなので、これ以上説明することがなくなってしまいました。おたけさんの特技はもんじゃ焼き作りで、ジャングルポケットさんのYouTubeでもその模様は見られますよ。
野田ゲーでは過去に「より目でしょうか、めっちゃ左見てるでしょうかゲーム
」も発表されており、今後も2択を判別する野田ゲーが生まれる可能性があるのではないでしょうか。
『世直しすゑひろがりず』
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狂言風漫才コンビの“すゑひろがりず”が登場する野田ゲー。実はおふたり、マヂカルラブリーとは大宮の劇場を中心に活動する仲間であり、その絆からクラウドファンディングにて100万円の「野田ゲーをいっしょにつくれる権」を支援。それが切っ掛けとなり、このゲームが誕生しました。
企画会議の模様はYouTubeチャンネル「すゑひろがりず局番」でも見られますが、紆余曲折を経て「すゑひろがりずのふたりが世直しをしながら全国行脚する」という内容に。アクション面ではマナー違反の一般人を小道具の扇や小包で撃退しつつ、ボス面ではリズムゲームで戦います。協力プレイも盛り上がりそうで、今作中でも屈指の遊びごたえを誇っています。いとをかし。
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『つり革』
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マヂカルラブリーのM-1グランプリ優勝を記念して急遽追加されたという、優勝ネタとして記憶に新しい「つり革」を再現したゲーム。左右に振られる車内でなんとか画面内に収まるようにバランスを取って行きましょう。
画面端から出てしまってもすぐにアウトにならないファジーなゾーンがあるので、最後まで諦めないのが肝心。長い中央線の旅をお楽しみください。野田さん、村上さん、M-1優勝おめでとうございます!!
クラファン素材が爆発する野田ゲー
作るゲームも決まっていないという見切り発車でスタートしたクラウドファンディングですが、その中で「出演できる権利」として出資者からゲーム内のキャラや効果音の素材を募った野田さん。
これが予想以上に集まりまくってしまったということで、そんな素材がふんだんに盛り込まれたゲームが仕上がっています。完全にとっ散らかってますが、そんなドロドロ加減もまた野田ゲーの魅力なのだ。
『将棋II』
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収録されている中で最もビッグかもしれないタイトル、それがこの『将棋II』です。古代インドで生まれたとか、西暦が3桁の頃から存在しているとかいう「将棋」の続編が出てしまいました。そんなに勝手に続編って出していいものなんでしょうか。
この『将棋II』は多様化する現代にフィットして駒のバリエーションが30倍以上になっていて、将棋の概念を根本から覆す「プレイヤーへのダイレクトアタック」も実装。それぞれ固有の移動力を持っていますが、場外に飛び出すと退場になってしまうので注意してください。棋譜に起こすと「先手、3八珍獣。後手、横顔場外」とかになります。
どれが王将なのかはプレイヤーにも分からないので、勝利のためには「相手の駒を片っ端から取りまくる」のか、3回で決まるダイレクトアタック全振りで行くのか割り切りが必要です。このゲームでなら羽生さんにも藤井さんにも勝てるかもしれないぜ!
『音声衰弱』
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カードをめくると支援者から寄せられた効果音やセリフ、野田さんのボイスなどが流れるので、同じものを選んでいく神経衰弱ゲームになっています。野田さんのセリフが並んでいたりすると案外混乱しますが、一般から集まった音声はちょこちょこ音質に差があるので、それを基準に覚えると良いかも。
対戦しても面白いですし、制限時間内にクリアを目指していくソロプレイが案外やりごたえアリ。連続で遊ぶと「今回の記憶と前回の記憶が混ざる」という絶妙な難易度になるため、悶えること間違い無し。今後は脳トレ系野田ゲーとしてプッシュしていけるでしょう。
『新・干支レース』
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「干支の順番を決めるために動物がかけっこした」という伝承を元に、新たな干支を決めるレースを開催する野田ゲーです。これも「あなたのペット出演権」ありきで生まれたらしく、操作出来る動物の種類が尋常じゃなく多いです。ちなみにハムスターの「はむはむ」ちゃんは野田クリスタルさんちの子ですよ。
ルール自体はシンプルですが、微妙な性能差と敵の強さのバランスで意外と1位になるのは難しい印象です。最後、レース結果に応じて新たな干支が発表されるのですが、13頭立てレースだから別に1位じゃなくて12位でも目標は達成されてるんですよね。どこまで上を目指すかは皆さんにお任せします。
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まだまだあります。あー、良い野田ゲーだなぁ