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任天堂は、2021年3月期決算説明会の質疑応答を公開。質問者の投げかけに対し、現在の状況などを踏まえて行った回答を明らかとしました。
同社の2021年3月期の連結業績(2020年4月1日 ~ 2021年3月31日)は、純利益4,803億円をはじめ、いずれも大幅な増収増益を見せています。ニンテンドースイッチのハード・ソフト共に好調な売れ行きを見せ、スイッチ本体の世界累計販売台数は8,100万の大台に。国内の累計数だけでも2,004万台と、国内外で躍進を続けています。
2022年度のハード予想販売数量を2,550万台としている点について問われると、従来の同社ゲームハードとは異なり、発売開始から5年目を迎えた今も非常に勢いがあると説明。また、『あつまれ どうぶつの森』のヒットによる本体牽引効果などを踏まえ、2,550万台という数字を出したと述べています。
ハードの生産については、好調な売れ行きを見せる一方で、世界的な半導体部材の供給逼迫により、需要に対して生産が追いついていないと告げ、「可能な限り手を尽くして生産するよう務めている」とコメントすると共に、例年と比べると生産計画に不透明感があるとも補足しました。
ニンテンドースイッチのアクティブユーザー数に関する質問に対しては、『あつまれ どうぶつの森』をきっかけに大幅な増加があったと返答。その後、徐々に減少したものの、年末には更なる伸びを見せ、スイッチ史上における最大数を更新。また直近では、『モンスターハンターライズ』が発売されたこともあり、勢いが落ちているとは考えていないとのことです。
また、増加傾向にある研究開発費について、「当期においても1,000億円近く見込んでいる」「どのような開発を進めているのか」といった質問について、新しいソフトを継続的に投入するため、外部委託を含めた開発費用が増加していること、ハードの進化に伴って開発費そのものが膨らむことを理由に挙げました。
さらに、「次のハード開発も発売の何年も前から取り組む必要がある」ともコメント。新たなゲームハードの開発は、正式な発表よりもずっと前から、年単位で長く取りかかる必要があります。そうした背景を踏まえた回答ではありますが、今回の研究開発費の一部が新ハードの開発に使われていると見ることもでき、期待感が高まります。
果たして次に登場するのは、高性能化した新型のスイッチか、それとも次世代の新ハードか。はたまた、ニンテンドー3DSの後継機なのか。全てはまだ憶測の域を出ないため、任天堂の動向に一層の注目が集まることでしょう。
■2021年3月期 決算説明会カンファレンスコール 質疑応答(要旨)※pdfファイル
https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2021/210507.pdf
https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2021/210507.pdf