お母さん!
小学生の頃、間違えて担任の先生を「お母さん」と呼んだことはありませんか?
筆者(真ゲマ)は、小学6年生の時に経験しました……。クラスメイト達がいる中で担任の先生をそう呼んでしまったため、非常に恥ずかしい思いをしました。あの屈辱は数十年経った今でも覚えています。
もう立派な中年男性になった筆者ですが、ゲーム中、ボイチャ相手に「お母さん」と間違えて呼んだらどんな反応を示すのか突然気になってしまいました。そこで、インサイド編集部員や読者、YouTuberといったあらゆる立場の男女を相手に検証してみました。
今回検証に使うゲームは、ヘイズライトスタジオが手掛けるPC向けCo-op型アクションアドベンチャー『It Takes Two』です。本作は、ある日突然人形にされてしまった離婚寸前の険悪な夫婦が、人間の姿に戻るべく不思議な世界を冒険していく物語が描かれます。国内外のゲーマーから高い評価を受けており、海外メディアのレビューでは軒並みハイスコアを記録しています。
本作なら接待ゲーとして最適ですし、謎解きなどの共同作業を行う上で会話もしやすいと思います。ただ、前述した通り本作は夫婦の物語であるため、検証相手には男性キャラクターを使用させています。なぜならボイチャ相手を「お母さん」と呼ぶ上で、相手から「もしかして自分が操作している女性キャラクターのことを指しているのかな?」と勘違いされる可能性があるためです。
読者Dさんの場合「あっ、はい」
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はじめに読者を相手に検証してみます。そこでGame*Spark/インサイド公式ディスコードサーバーにて、本企画に協力をしてくれる人を募ったところ2人に協力を得られました。
とりあえず読者D(男性)さんと一緒にプレイ。Dさんは同サーバーの常連ということもあり、筆者とは数え切れないほど会話をしている相手です。おかげで人見知りなどはせずに、良好なコミュニケーションを取りながらゲームを進めていきました。そして、とある謎解きに立ち止まり、右往左往することになります。チャンスです!
Dさん「あっ、はい」
あっ、はいって……なんか普通に受け入れちゃってるよ……。
さりげなくお母さんと呼んでも意外と気づかれないものです。その後もお母さんと呼んでみたのですが、やはり気づいてくれませんでした。
そこでDさんにこの企画の趣旨を伝えると「全く気がつかなかった。お母さんっていつ呼んだんですか?」と言われてしまいました。それだけゲームに集中していたということなのでしょうか?検証を重ねる必要がありそうです。
読者Hさんの場合「え?どういう意味?」
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ふたり目の読者Hさん(男性)です。
Hさん「…………」
今回も同様のシチュエーションで「お母さん」と呼んでみました。すると、一瞬空気が凍りついたような気がしましたが、やはり反応はありませんでした。
そこでHさんに訊いてみるとお母さんと間違えて呼ばれた際、「いや、お母さんって……どういう意味だろう?ゲームキャラのことかな?いや、でも自分が選択しているのはむしろお父さんのほうだし……呼び間違えかな?」と内心キョドっていたと語ってくれました。
ただ、筆者は「お母さん」と2回ほど呼んだのですが、Hさんは1回しか気づかなかったそうです。やはりゲームプレイ中は集中しているのか気づかないものですね。
吉田輝和氏の場合「聞き間違えだな……」
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読者だけではなく、Game*Sparkの人気連載企画「吉田輝和の絵日記」でお馴染みの吉田輝和氏にも協力してもらいました。吉田輝和氏と筆者は普段から仕事のみならずプライベートでも連絡を取り合う仲。これなら読者とは違う反応が返ってくるかもしれません。
……と思って、今回も同様の場面で「お母さん」とさりげなく呼んでみたのですが……なんと無反応でした。
本人にこれについて訊いてみると「お母さんだと呼ばれたような気がするけど、聞き間違えだと思いました。まあ実際聞き間違えじゃないにしても基本的にスルーしますね。リアルで隣にいるなら弄るかもしれませんけどね。それもその場も空気や人によると思います」とのこと。
なるほど……なんだか吉田輝和氏と心の距離を感じてしまいました……。
編集部員「(このキャラ男だけど、実はお母さんなの?)」
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次はインサイド編集部員のカミヤマ氏(女性)に協力してもらいました。
これまでの検証では、ボイチャ相手に対して「お母さん」と間違えて呼ぶと、相手はあまりの唐突さに困惑し、聞き間違えだと判断されることが多いとわかりました。そこで今回は、検証をする直前に筆者の母のエピソードを話しておくことにします。こうすれば本当に、会話の弾みで相手のことを間違ってお母さんと呼んでしまったというリアリティが出るのではないでしょうか。
真ゲマ「僕ね。ディズ◯ーランド行ったことないんですよ。いや、でも話によると行ったことあるらしいんですけどね」
カミヤマ氏「話によるとって……自分のことじゃないですか」
真ゲマ「お母さんによると、僕が赤ちゃんの時に行ったらしいんですが、全く記憶が無いんですよ」
若干、強引な言葉選びをしていますが、少なくともこれで下準備はできました。その直後、難解な謎解きのパートで立ち止まりチャンスが到来します。
カミヤマ氏「こうですね!」
筆者の下準備は、ただの徒労に終わり見事にスルーされてしまいました。やはりボイチャ相手を「お母さん」と間違えて呼んでもスルーされることが多いのでしょうか……。
ちなみにカミヤマ氏に企画の趣旨を明かしてみると「お母さんと言われた時は一瞬冷静になって『ん?』と思いました。でも、今の世の中ってジェンダーについて関心が集まるようになったじゃないですか。私が操作した男性キャラクターも“実はお母さん”だったのかなと……」と答えてくれました。
今はそういう時代になっているのか……いや、でもその考えに至るのはすごいな……。
YouTuber「マザコンなんだろうな……」
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最後にゲーム実況ユニット「もずとはやにぇ」の女性実況者のもずベエ氏に協力してもらいました。ちなみに今回検証に利用するのは『It Takes Two』ではなく、『カプコン ベルトスクロールアクション コレクション』の『ファイナルファイト』にしました。
前述した通り『It Takes Two』は夫婦の物語であり、どうしても「お父さん」と「お母さん」という言葉がつきまといます。そこでそれらとは関係ない『ファイナルファイト』にしたわけです。いや、まあ主人公のひとりのハガーはお父さんなんですけど……。
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今回も検証の直前に筆者の母に関するエピソードを話しておきました。そしてここぞという場面で「お母さん」と呼んでみたのですが……やはりスルー。指摘すらされません。
そこで企画の趣旨を明かすと「言われたような言われてないような……ゲームプレイ中だと集中しているので、人が話していることが度々抜けることがあります。ただ、お母さんと間違えて呼ばれたとしたら『マザコンなんだろうな……そっとしておこう……』と思うのでやはりスルーすると思います……」と答えてくれました。
余談ですが、もずベエ氏は小学生の時に同級生の男の子に「お母さん」と間違えて呼ばれた経験があるそうです。えっ……クラスメイトの女子にお母さんって間違えて呼んじゃう子がいるのね……可愛い。
性別や年齢、立場も異なる5人に検証してみましたが、「お母さん」と間違えて呼んでも誰一人反応は示してくれませんでした。ただ、今回の検証をポジティブに捉えると、今後何かの拍子でボイチャ相手に「お母さん」と間違えて呼んでも、相手はそれをスルーしてくれる可能性が非常に高いことがわかったということです。そんな機会は一生訪れないのかもしれませんが、頭の片隅に置いておくといざ間違えた時に冷静に対処できるかもしれませんよ!