PS5のゲームライフは、何に満足し、どこが物足りなかったのか─9ヶ月のプレイを経た所感をユーザー視点で綴る

PS5を長期間にわたり、実際に触ってみた感触はどうなのか。体験したからこそ分かる実感を、今回お届けしたいと思います。

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■後方互換は満足の機能

専用や対応ソフトの体験を楽しみつつ、専用ソフトの少なさに物足りなさを感じましたが、目玉機能のひとつ「後方互換」については大いに満喫しています。ゲームライターという仕事柄ゆえに、購入するゲームの数は一般の方と比べてかなり多め。ですが、一日の時間は限られているので、お恥ずかしい話ですが未クリアのゲームもそれなりにあります。

そうした、「未クリアだけどプレイ予定に入れたいゲーム」が多数ある筆者としては、PS5の後方互換機能は大歓迎。購入したその日からせっせとPS4ソフトをインストールし、今も継続的にPS4ソフトをPS5で遊んでいます。

後方互換の機能そのものは、ここまで遊び続けて目立った不満はなし。手持ちの中で試した範囲では、どれも問題なくインストールできました。しかもPS4 Pro対応ソフトの場合、その恩恵をPS5で味わえるのも嬉しいポイントです。

後方互換機能の使用中にエラーが発生したこともありますが、機能の問題なのかソフト側のせいなのか、それとも環境(部屋が暑すぎて暴走等)がネックなのか判別しにくく、エラーについてはPS5の良し悪しを断言できません。

エラーそのものの頻度も少ないので、後方互換も購入理由のひとつだった筆者としては、この機能に満足し、9ヶ月間にわたって定期的にプレイしています。PS4ソフトの所有本数が控えめな方は、セーブデータを含めて全部PS5に移せば、ゲームライフに影響を与えることなく、PS4本体をしまってTV周りをスッキリさせられることでしょう。

ただし筆者が触れたソフトは、全体から見ればほんの一握り。たまたま筆者が遭遇していないだけで、深刻なエラーを吐くタイトルがあるかもしれません。プレイ環境をまとめる利便性を見送って安定性を採りたい人は、PS4ソフトはPS4でプレイするのも悪い選択ではありません。

■手に馴染む操作感覚と、「×ボタンで決定」について

これまでPSシリーズのコントローラーは、アナログスティックやタッチパッドなど、時代に合わせて様々な機能が追加されてました。そして、PS5の標準コントローラー「DualSense」で、さらなる進化を果たします。

基本的な入力装置の配置(ボタンやスティックなど)は、歴代コントローラーの流れを継承していますが、ただ受け継ぐだけではなく、外観のデザインは大きく変更。また、振動による体感的な触感を提供する「ハプティックフィードバック」や、ゲームシーンに合わせてL2・R2ボタンに抵抗を加え、作中の手応えを再現する「アダプティブトリガー」などの新機能が加わりました。

「DualSense」は持ちやすさもかなりのもので、両手を添えるとちょうど収まるような感触を覚えます。大きすぎることもないので、大人はもちろん、思春期の少年少女でも十分操作できるサイズ感です。触感は好みがあるので一概に言えませんが、個人的には心地よく手に馴染んでいます。

また、「ハプティックフィードバック」によって、振動がもたらす表現の幅は大きくなりました。振動の違いで状況の変化を伝えるのは、以前の「DUALSHOCK」シリーズでも行なわれていましたが、PS5でよりきめ細かい表現を実現しています。が、幅が広がったとはいえ、斬新な体験とまではいきません。十分な機能が十二分に進化した、といった印象です。

と、ここまでは「DualSense」の機能に触れた感触をお伝えしましたが、「決定ボタンが×になった」問題を避けて通るわけにはいきません。変更の流れや事情はさておき、国内のユーザーにとって慣れ親しんだ「○ボタンで決定」が覆されてしまったのは純粋にショックですし、馴染めるかどうか不安でした。

あくまで一個人の感想ですが、「9ヶ月間遊び続けても、完全に慣れたとまでは言えない」というのが率直なところです。といっても、未だに誤操作が頻繁、とまではいきません。プレイ中の大半の場面で、×決定でもスムーズに進行できます。ただし、どこか頭の中で一度判断しているようなフシもあり、本能的な反射のレベルで「×で決定」を入力できている実感はまだありません。

慣れきらない理由のひとつは、筆者が二ンテンドースイッチのゲームを並行して遊んでいるのも一因でしょう。あちらは、これまで通り「Aボタンで決定」「Bボタンでキャンセル」なので、ボタン配置的に決定とキャンセルの操作が真逆。そのためハードを変えると、前の操作を引きずってしまう場面が少なからず発生しました。

この点については、ハードの違いを受け入れられないのが悪い、という意見もあるでしょうし、無論一理ありますが、同種の問題はPS5上だけでも発生するのです。前述した後方互換機能があるため、PS4ソフト←→PS5ソフトを切り替えることで、決定とキャンセルの位置が遊ぶゲームによって入れ替わってしまいます。しかもコントローラーが同一なので、持ち心地で区別することもできません。

「×で決定」が慣れない場合、PS5の設定を入れ替えて対処する手があります。設定内の「ボタンの割当を変更する」で変更すれば、○と×の役割を交換でき、「○で決定」の操作が可能に。しかしこの変更はPS4ソフトで遊んでいる時にも影響を及ぼすので、PS4ソフト上では「×で決定」になってしまいます。

「PS5は×で決定」に慣れるか、状況に合わせて設定でボタンを入れ替えるか。適した解決法はユーザーごとに異なるでしょうが、慣れ親しんだ感覚と折り合いをつけるのは、個人的にはまだ少し時間がかかりそうです。



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《臥待 弦》

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