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コナミデジタルエンタテインメントが1月19日にリリースした、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Steam/ニンテンドースイッチ向け『遊戯王 マスターデュエル』。同タイトルをプレイするデュエリストたちの間で「エルドリッチ」テーマが大きな話題になっています。
既にランク戦をプレイした方は、演出と共にド派手な「黄金卿エルドリッチ」が現れるのを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。それくらいに採用率が高い「エルドリッチ」テーマ。初めて触れる方や久しぶりに復帰した方に向け、人気の理由を説明したいと思います。
◆そもそも「エルドリッチ」って?
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【カードテキスト引用】
星10 / 光属性 / アンデット族 / 攻撃力2500 / 守備力2800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1)手札からこのカードと魔法・罠カード1枚を墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを墓地へ送る。(2)このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。このカードを手札に加える。その後、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない。
話題になっている「エルドリッチ」とは、アンデット族効果モンスター「黄金卿エルドリッチ」をメインに、永続罠カードをベースとしたデッキです。主な特徴は、このテーマで採用できる罠カードが非常に強力ということ。既存の「条件がシビアで使えなかった強い罠カード」が使えるのです。
例えば永続罠カード「スキルドレイン」などが強烈です。こちらは敵味方問わず、場にある限りフィールドの効果モンスターの能力を無効化する効果。自分のモンスターの効果すら無効になってしまうので本来は使いどころが難しいのですが、「黄金卿エルドリッチ」は「フィールドではなく墓地や手札で効果を発揮する」モンスターですので使用に躊躇いがありません。これ1枚で相手の動きを大きく制限することができます。
また、別の例を挙げると「遊☆戯☆王VRAINS」でライバルが使った強力なリンクモンスター「ヴァレルソード・ドラゴン」(攻撃力3000)。これは攻撃をするとき相手の攻撃力の半分を自分に上乗せ、しかも条件を満たせば2回攻撃も出来るという強カードで、主人公のライバルにふさわしい性能のモンスターです。ですが「スキルドレイン」があれば上記の効果は何も使えず、自身の効果で攻撃力を3500にあげたエルドリッチで蹂躙すらできてしまうのです。
◆なぜ『マスターデュエル』で人気が爆発してるのか
「スキルドレイン」以外にも様々な面で強い「エルドリッチ」テーマですが、なぜ『マスターデュエル』でよく使われるようになったのでしょうか。それは上述した強さだけではなく、別の理由もあります。
『マスターデュエル』は「遊戯王OCG」の少し前の環境を再現しています。つまり、“これからどんなカードが追加されるか”が予想しやすいゲームとも言えるでしょう。そんな中、「エルドリッチ」テーマはOCGの現環境(2022年1月)でも変わらず猛威を振るっているため、“今後も長く使えるテーマ”として採用する人も多いのだと思われます。
また、ゲームならではの「作りやすさ」も影響している様子。「遊戯王OCG」では「エルドリッチ」は人気カードとして市場価格が高くなっていますが、一方の『マスターデュエル』ではデッキ作成にかかるコストが他と比べても比較的少なめになっています。
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そしてなにより、複雑なデッキ回しを必要としない。連鎖していくようにカードを展開していくのも遊戯王の醍醐味ですが、慣れないうちは事故も起きやすいもの。その点「エルドリッチ」は取り回しが比較的容易で、扱いやすいテーマとして人気を集めているのです。
上記の理由から、『マスターデュエル』では“黄金卿”こと「エルドリッチ」が増える傾向となりました。マッチ率が高ければ対策されやすいのも事実ですが、まごう事なき強テーマのひとつに違いありません。使う方はもちろん、対策する側のデュエリストも頭の片隅に置いておいてはどうでしょうか。