『ストリートファイター6』は「全てを受け入れたい」―“ワンボタン波動”や新モード導入の狙いを開発陣にインタビュー!

『ストリートファイター6』開発陣にインタビュー!気になるアレコレ、聞いてきました。

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『ストリートファイター6』は「全てを受け入れたい」―“ワンボタン波動”や新モード導入の狙いを開発陣にインタビュー!
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◆『6』の主人公は? 改めて見直した「飛ばせて落とす」というシリーズの基本

―『6』のPVには、『V』のゼネラルストーリーで春麗が助けた少女であるリーフェンが出ていました。彼女は『ストリートファイターIII 3rd Strike』のOPで描かれた姿よりも成長しているように見えます。『6』の時系列は、『III』よりも後になるのでしょうか。

中山D:はい、その通りです。時系列として最新になりますね。『III』自体も1st、2nd、3rdで1年ずつ時間が経っていますが、それよりさらに間を開けた時代が『6』です。

―新キャラ「ジェイミー」のコンセプトはなんでしょう?

中山D:まず最初に、「ストリートファイター」シリーズに登場していない酔拳のキャラクターを作りたいというのがありました。ただ、それだけだと個性が弱いというか、他のキャラクターと比べると埋没しちゃうなとも感じたので、ブレイクダンスと酔拳を組み合わせたスタイルになっています。

―『6』における「ルーク」の立ち位置も気になっています。彼は『V』参戦の際に、「ストリートファイターの”未来”を担う」と紹介されており、『6』発表時のムービーでも「リュウ」と共に登場していました。今回の主人公は、ルークになるのでしょうか?

中山D:「ストリートファイター」シリーズにおいて、全てのキャラクターが主人公とは言いたいのですが…。言葉を濁して言うと、初期カーソルはルークになります(笑)。

松本P:キーキャラクターといいますか。

―なるほど。シリーズの看板キャラは相変わらず「リュウ」だとは思うのですが、世代交代というか新陳代謝というか、そういった側面もあるのでしょうか。

中山D:そうですね。「ストリートファイター」における全ての遊びの要素が入っているのはリュウですし、入り口として最初に触れるのもリュウが適切だとは考えています。ただそれと同時に、「弾を打って、相手を飛ばせて落とす」という、本シリーズの基本と言われてきた動きを、これからの新規ユーザーに求めるべきなのかという疑問も開発側で生まれまして。

―従来の波動拳と昇龍拳を用いた、「飛ばせて落とす」を変えたかったと。

中山D:それを難しいと捉える方は、絶対にいるなと感じていました。もう少し間口を広げて、「ボタンを押せば前に出て殴ってくれる」キャラも作りたい。それが、リュウより横押しが強いルークを実装した狙いです。

ルークも「飛ばせて落とす」は出来るのですが、「相手に近づいて殴る」という格闘ゲームの根幹を、まずは体験してもらいたいと考えました。

―新規ユーザーに喜んでもらうという考え方は、「自動実況機能」にも通じていそうですね。

中山D:そうですね。プロゲーマーや上級者が出るような大会への参加者だけでなく、多くの人に「自分のプレイが実況されるのってこんなに嬉しいんだ」という喜びが少しでも伝わればと思って、取り入れました。

それと「実況を担当するアールさんが興奮しているから、凄いことが起きてるんだな」といった具合に、新規ユーザーでも対戦中に何が起こっているのか、より分かりやすくなればとも思っています。

―そういえば先ほど遊んだ際、ゲーム内に「解説」という項目もあったんですが…?

中山D:えっと…、お楽しみに(笑)

松本P:公式Twitterに投稿した通り、今後も追加予定があります。続報を楽しみにお待ち頂ければと!

◆上手くなるための“導線”を、しっかりとゲーム内に用意する

―『6』では従来の格闘ゲームが楽しめる「ファイティンググランド」以外に、大きなモードが2つあると発表されています。そのうちの1つ、街中を自由に動ける「ワールドツアー」について現時点でお話できることがあれば、教えてください。

中山D:どこまで話してよいか…止めないと全部話してしまう(笑)

松本P:基本的には、現時点で公式サイトに出ている情報が全てにはなりますが(笑)。

「ワールドツアー」はオリジナルアバターを作ってプレイヤー自らを操作できます。「ストリートファイター」は、そのキャラクターや世界観が好きだと言って頂けるファンの方も多くて。作中の世界に入れるという体験は、凄く需要があるだろうなと思い、それを実現するために作ったのが「ワールドツアー」です。

―もう一つの「バトルハブ」についてもお伺いします。格闘ゲームは非常に楽しいコンテンツですが、どうしても初心者や新規ユーザーがその魅力に気付くまでのハードルが高いなとも感じています。

それは『V』でも同様で、初心者や新規ユーザーが上達するための導線やコンテンツがゲーム内にはなく、どうしても「上手いプレイヤーの配信を見る」「SNSで友達を募集してラウンジに集まる」といった、ゲーム外のコミュニティに支えられている印象を受けました。

中山D:はい、そこは正にその通りで。我々が作ってユーザーさんに遊んでもらっているモノって、本来ならエンドコンテンツに当たるんだろうとは、常日頃思っていました。

そこに至るまでの体験や導線を公式側で用意していないのはちょっと、本当に申し訳ないなと。そこを解決するために「ワールドツアー」と「バトルハブ」を作ったんです。

―「バトルハブ」実装には、どのような背景があるのでしょう?

中山D:おっしゃって頂いた通り、格闘ゲームはより上手くなるためにユーザー間のコミュニティに入っていくという特殊なゲームです。その導線は作りたくて、「バトルハブ」が他のユーザーとの交流の場だったり、ランクマッチが怖いと感じている方々のクッションになればと考えています。

逆に、「ワールドツアーだけ遊ぶ」という人がいても良いですし、「バトルハブで交流を中心に楽しむ」なんて人もいるでしょう。そうした導線を公式側で用意するという、今まで「ストリートファイター」シリーズや私が携わってきたタイトルの中で出来てなかった部分を丁寧にやりたいと思っています。

―ところでPVの最後、「バトルハブ」が紹介された最後にピロリンと音が鳴ってますが、これ、筐体の『ストリートファイターII』に100円入れた時の効果音ですよね?

中山D:な…何があるんだろうなあー(笑)。

―あとPVと言えば、『IV』に参戦した「ハカン」が手掛ける「ハカンオイル」の宣伝もありました。一部では『6』に参戦するのではないかと噂が…(笑)。

松本P:あのPVは色々と思いを巡らしてほしくて、小ネタが詰め込まれています。じっくり見てもらえると嬉しいです(笑)。


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《ねんね太郎》

また、お会いしましたね ねんね太郎

ゲームセンターとテレホーダイが生み出す濁流に、満面の笑みで身投げした雑食系ゲーマー。油断すると余裕で半日は寝てしまうため、スヌーズ機能が欠かせない。ゲーム以外の趣味は、モノを捨てること。

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