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日夜ゲームに情熱を燃やしてるゲーマーの皆さん。メジャーなゲームもさることながら、たまにはあまり知られていない”隠れ家スポット”のようなゲームで一息付くのもいいですよね。インディーゲームはその規模から製作者が自由な発想を持って作り上げるため、今までになかった個性的なゲーム体験を直に感じられます。
今回は2022年夏、ニンテンドースイッチにて発売予定のおすすめ新作インディーゲームを5つ紹介します。毎月素晴らしいゲームが発売されていますが、今夏も興味をそそられるような作品ばかりで目が離せません。
『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』
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世界の終わりは全ての始まり、滅亡の世界をどう生き抜きますか?『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』は隕石や核戦争後など、荒廃した地を舞台に繰り広げられる、人類の生き残りを賭けたサバイバルシミュレーションゲームです。既にPC(Steam)にて配信済みの作品で、2022年7月28日(木)にPS4・ニンテンドースイッチにて待望の日本語版が発売されます。
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本作はメインストーリーに沿って物語を進めていく一本道なゲームではありません。用意された各シナリオを自身の好みに合わせて設定しクリアしていく作品なので、始める前に環境・生存者・思想などの条件を決めます。これによりAIの挙動が変化するため、プレイするたびに異なるゲーム体験が楽しめるというわけです。
プレイヤーは三人称視点で、生存者に資材の調達を命令して集めた材料を使い、迫りくる脅威に備えて各種施設を携えたコロニーを作ります。人類に襲い掛かる災害は隕石雨・パンデミック・放射能汚染・寒波などさまざまで、放射能汚染なら病院、寒波なら暖房といった具合に襲来する出来事によって異なる対策を講じなければなりません。
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生存者たちは安定した生活と失われた文明を再び取り戻すため、様々な技術を会得する必要があります。資材を求めてコロニーの外へ探索者を派遣すると「サイエンスポイント」を入手する機会がありますが、これこそが新たな技術を習得するのに必要不可欠な要素なのです。サイエンスポイントを消費して、ジャンル分けされたツリーの中から、便利な能力や新たな建造物の建築技術を選んで獲得できます。
これらの研究には膨大な時間を必要とするため、何を優先して研究するか、プレイヤーのセンスと個性が光る場面でもあります。他にもイノシシやネズミによる被害、他の生存者との交流など、緩急あるイベントが多数用意されており、”生き抜く”という緊張感を肌で感じられることうけあいです。
サバイバルゲーム好きはもちろん、ストラテジー好きの方でも楽しめる作品になっています。プレイしたいけど日本語版がなくて購入に踏み切れなかった方には絶好のチャンスですので、この機会にもう一度ストアを覗いてみてはいかがでしょうか。
『Cult of the Lamb』
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『Cult of the Lamb』は、 偽りの教団を立ち上げて信徒たちによるコミュニティを作り、ダンジョンを探索しながら真なる教団を築き上げる2Dアクションゲームです。2022年8月12日(金)、PC・PS4・PS5・ニンテンドースイッチにて発売予定で、執筆時点(2022年7月)でSteamにて体験版が配信されています。
物語は、主人公である名もなき羊がその地を代々受け継いできた「旧き信仰」の生け贄として、斬首にされてしまったところから始まります。一度死の体と化してしまった彼の元に正体不明の存在が語り掛けました。「おまえを生の世界へと戻してやる。代わりに我の代弁者として宗教を広めよ」。こうして彼は、不思議な力を得てこの世に舞い戻り、布教活動を始めることになりました。
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ゲームの流れはステージクリア制のダンジョン方式。同じインディーゲームであれば『HADES』を想像すると分かりやすいかと思います。いくつかの分岐がある小部屋内の敵を一掃しながらダンジョンの最奥にいるボスを倒すと、新たな信徒として子羊や豚などの動物を教団に迎え入れられます。また、道中には占い師・鍛冶師といった主人公の冒険をサポートしてくれるNPCが配置されており、「攻撃時に毒を与える」「敵を倒すと死霊を放つ剣」などのパッシブ効果や武器が入手できます。これらの能力はダンジョンに潜るごとにランダムで生成されるので、ローグライク要素が好きな方にはたまらない仕様ですね。
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ダンジョンで仲間にした信徒には、それぞれ空腹度が設定されていて、付近の木材や石材などを集めて調理場を作り、定期的に食事を与えなければなりません。しかし規模が大きくなるにつれて消費も多くなるため、生活の安定と拠点の発展にはより多くの人手が必要になるでしょう。この問題を解決するのは信徒自身。命令することで主人公の代わりに伐採や収穫などの作業をしてくれるので、効率が格段に上がります。
街づくり要素もある本作ですが、可愛らしいビジュアルとは裏腹に、自身の信徒を自らの手で生け贄に捧げるといったダークな面もあり、テーマである偽りの教団の不気味さを感じられる作品になっています。
¥48,386
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
『ラスラー ~中世のならず者~』
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盗め!壊せ!ルール無用の大暴れゲーム!それが中世を舞台とした見下ろし型オープンワールドアクションゲーム『ラスラー ~中世のならず者~』は、2022年8月25日(木)、PS4・PS5・ニンテンドースイッチにて発売予定です。
親が面倒くさがったせいで名前を貰えなかったという、なんとも不憫な主人公「男(ガイ)」は、ある街の路上で目を覚まします。酔っぱらって傷だらけの体に、横には倒壊した酒場、どうやら彼はヤバイ事をしてしまった後のようです。景気づけにと酒を求めに走った彼は、中世のカオスな世界に巻き込まれていくという物語。
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本作の特徴はなんといっても自由気まますぎる世界観です。馬を盗むのは当たり前、突然村人に切りかかって強奪したり、馬糞を投げつけたりとまさに何でもあり。雰囲気としては『グランド・セフト・オート』や『POSTAL』に近しいものを感じます。
しかし、ハチャメチャではありますが、自分のやらかした事は自分で始末を付けなくてはなりません。村には犯罪行為を取り締まる衛兵が各所に配置されており、バレると「お尋ね者レベル」が上昇。兵士が馬に乗って主人公を捕まえようと駆けつけてきます。このレベルは一定時間逃げ回り、指名手配ポスターを剥がすことで徐々に低下。定番の流れではありますが、中世の舞台と相まってよりワイルドな世界観として楽しめますね。
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本作の魅力は各種クエストやミニゲーム抜きには語れません。オープンワールドということもあり、そもそもサブクエストや寄り道が楽しいゲーム性です。しかし、他のゲームとは一線を画すような型破りなクエストが多く、その解決法もプレイヤー次第なのです。例えば、誰も参加していない教会のミサに人を集めるクエストでは、村人を説得してもよし、殴って脅してもよし。施設の破壊工作を依頼されたクエストでは、女装して娼婦となり潜入するなど、本作ならではの破天荒な打開策に思わずニヤリとしてしまいます。
ならず者ライフが満喫できる本作は、頭をからっぽにして自由気ままに遊びたい方や、日々の鬱憤を晴らしたい方におすすめです。中世の世界を好き勝手に練り歩いて日頃のストレスを解放させてみてはいかがでしょうか。
『アイドルマネージャー』
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この夏、本作のコンシューマー版の発売を楽しみにしていた方は、多いのではないでしょうか?2022年8月25日(木)にPS4・PS5・ニンテンドースイッチにて発売予定の『アイドルマネージャー』は、芸能界のダークな側面を表現したリアル感のある作品として一躍話題となった、アイドル育成ゲームです。
プレイヤー兼主人公は弱小アイドルグループのマネージャーとして、会社の運営やアイドルの育成、音楽CDの制作を手掛けます。そして資金を提供してくれるスポンサーの助けを借り、社会の闇に揉まれながら日本一のアイドルグループを作り上げるのが目的です。
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本作はアイドルと信頼関係を築き、恋愛を経て最終的に結婚する……という青春型のゲームではありません。利益を得るためにアイドルを徹底して管理するのがコンセプトになっているため、育成要素もありながら経営ゲームとしての色が濃く出ているのが特徴です。
アイドルたちにはキュート・ダンス・ボーカルなどそれぞれが得手不得手としているステータスがあり、週始めにスケジュールを決め、トレーニングやお金稼ぎをしながら生活していきます。その間にも主人公はCDの作成や、ライブイベントの打合せなど大忙し。経営者は常に時間に追われているのです。
最終的な目標は所属しているアイドルをバズるの語源となった「Buzz(話題)」のステータスに導くこと。様々な場面で近年のSNS文化を身近に感じられるので親近感をいだきながらゲームを進められますね。
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本作が育成ゲームとして一躍人気になったきっかけは、このあまりにもリアルすぎる人間関係のダークな側面や、ライブ中に起きるさまざまなアクシデントでしょう。アイドルはかわいくて、カッコよくて、みんなの憧れの存在ではありますが、その前にひとりの人間です。『アイドルマネージャー』をプレイすれば、アイドルの印象は大きく変わるでしょう。
制作者はアイドル研究家という側面を持ち合わせているため、よりリアルなアイドル像にこだわり、ゲーム内にも嫉妬・イジメ・やらせ・異性とのスキャンダルなど、現実にも起こりうるイベントが盛り込まれています。プレイヤーはマネージャーとしてだけでなく、このような事態に対し柔軟な対応をしなければなりません。そう、それは自らがのし上がるために他人を蹴落としたとしてもです。
可愛らしいビジュアルとは裏腹に人間の黒い部分にも焦点を当てた本作は、その見た目や世界観に惹かれた方だけでなく、本格経営ゲームで頭を悩ませたい方にも必見の作品です。
『ANONYMOUS;CODE』
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最後にインディーゲームではありませんが、この夏、筆者がおすすめするアドベンチャーゲームを紹介させてください。神をハッキングせよ!2022年7月28日(木)にPS4・ニンテンドースイッチにて発売予定の『ANONYMOUS;CODE』はアニメ化もされ世界的ヒット作となった『STEINS;GATE』を始めとする「科学アドベンチャー」シリーズの最新作です。
舞台は2037年東京都、中野。世界的大災害「サッド・モーニング」を逃れた主人公の高岡歩論は親友と共にホワイトハッキングの仕事をこなして生活を送っていました。そんなある日、彼はひょんなことから現実をゲームのように記録し、やり直せる「セーブ&ロード」のアプリを入手し、陰謀渦巻く世界を駆け抜けることになります。
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本作のジャンルはアドベンチャーゲームですが、よくありがちな選択肢によるシナリオ分岐がなく、主人公が手に入れたセーブ&ロードのアプリを使って特定のシーンをやり直す要素「ハッキングトリガー」を使い、物語を勧めていきます。明確な分岐点がないのにストーリーが変化するというゲーム体験は非常に新鮮で、まるで1本の映画を見ているような気持ちにさせてくれるに違いありません。また、いつその能力を発動させるか、使うのはセーブなのかロードなのか、プレイヤーの判断によりいつの間にかストーリーが変わってくるため、一層緊張感のある物語が楽しめます。
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ハッキングトリガーを使用することで変化したシナリオは漫画調で表現されます。本作ならではの特別な演出にテンションが昂ぶりますね。また、『ANONYMOUS;CODE』の世界観を形作る用語や背景は、同シリーズの過去作と繋がりがあるので、プレイ済みのファンにとってはより考察が捗るのではないでしょうか。
2015年に開発が発表されて以来続報がなかった本作。「7年待った」という声も多い待望の新作に今から目が離せませんね。
今回はこの夏発売予定の、おすすめの新作を5つ紹介しました。この他にも『ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット』や『RPGタイム!~ライトの伝説~』など、多彩なジャンルの作品が発売されます。インディーゲームならではの新しい試みに胸を膨らませながら、自身のお気に入りのタイトルを探してみてください。