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世界にはさまざまなトレーディングカードゲーム(TCG)が存在しますが、その中でも日本国内でトップクラスの人気を誇っているのが、『遊戯王OCG デュエルモンスターズ』と『デュエル・マスターズ(デュエマ)』です。
本稿では、そんな2大TCGが公式でリリースしている“アプリ版”を比較。それぞれどんなターゲット層を狙っているのか、考察を行っていきます。
実は本家とかなり違う『デュエプレ』
まず取り上げたいのは、2019年にリリースされた『デュエル・マスターズ プレイス(デュエプレ)』。『デュエマ』のスマートフォンアプリとして、市民権を得ているタイトルです。
ただ、注意すべきはゲーム内で採用されているルールが『デュエマ』と異なっていること。一言でいうと、「スマートフォンでTCGをプレイすること」に特化した作りとなっています。
代表的な違いは、「マナ」の扱い。たとえば『デュエマ』では火の呪文を唱える際、マナゾーンにある火文明のカードを都度消費しなければなりません。しかし『デュエプレ』では火文明のカードが1枚でもあれば、“解放”された扱いになり、何枚でも対応した呪文を唱えられます。
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おそらくこれは、マナゾーンのどのカードを選択するか…という部分を省略し、プレイ時間を短縮することが狙い。『デュエプレ』では他にもサーチ効果の簡略化など、効率をよくするための工夫が見られます。
また、カードの能力や効果が、本家と異なる形で実装されることがあるのも特徴。たとえば『デュエマ』で「ダブル・ブレイカー」(1度に2ダメージを与える)能力を持っている「悪魔神バロム」は、『デュエプレ』では「トリプル・ブレイカー」(1度に3ダメージを与える)能力に変更されていました。
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こうした変更は、後に登場した他のカードと、強さのバランスを取るためでしょう。さまざまな点で、スマートフォンユーザーがストレスなく楽しめるように工夫されていることが分かります。