【後編】ホロライブ・常闇トワは「ホロライブの顔役」のひとりになったのか?【バーチャルタレント名鑑】

今回紹介するのは、ホロライブ4期生としてデビューし活躍を続ける常闇トワさんです

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【後編】ホロライブ・常闇トワは「ホロライブの顔役」のひとりになったのか?【バーチャルタレント名鑑】
【後編】ホロライブ・常闇トワは「ホロライブの顔役」のひとりになったのか?【バーチャルタレント名鑑】 全 4 枚 拡大写真

様々なバーチャルタレント事務所が次々に発足し、着実にその裾野を広げ続けているバーチャルタレント(VTuber)シーン。牽引する二大事務所に注目が集まるなかにあって、数年来に渡って活躍を続けるタレントも非常に多い。この連載コラム「バーチャルタレント名鑑」では、様々なカルチャーシーンで奮闘を続けるバーチャルタレント(VTuber)一人一人にスポットライトを当て、これまでの軌跡とこれからの望見について書いていきます。今回紹介するのはホロライブ4期生としてデビューし活躍を続ける常闇トワさんです。

2020年1月3日に活動をスタートしたホロライブ・常闇トワさん。彼女はデビューした当初から現在にいたるまで、先輩・後輩から愛されるポジションを確立してきました。

"ホロライブ×FPS"という道筋を愛情ひとつで歩んできた彼女は、2021年の頭に『VTuber最協決定戦』『CRカップ』に初出場を果たすと、Sellyさんとヌン・ボラさんとともに結成した「ゆめきゃわPURPLE」の経験はその後の彼女にとって大きな影響を与えていくことになった…といったお話を、前回に記した前編で書かせてもらいました。

【前編・紫の絆編】ホロライブ・常闇トワがFPSで掴んできたモノとは【バーチャルタレント名鑑】 https://www.inside-games.jp/article/2022/10/15/141149.html

2021年上半期に大きな経験を得た彼女に、欧州からとある偶然がもたらされることになります。きっかけは「VTuber最協決定戦 SEASON3 Ver APEX LEGENDS」。後編へと移っていきましょう。

◆見たかったんだよ!「ホロライブ×にじさんじ×ぶいすぽっ!」で大会に出ているのが!

ぶいすぽっ!の胡桃のあさん、にじさんじのアルス・アルマルさんとともにチームを結成し、ホロライブ×にじさんじ×ぶいすぽっ!というVTuber~バーチャルタレント事務所のなかでもトップランナー同士が手を組む、まさに夢のようなチームとなりました。

ちなみに『VTuber最協決定戦』『CRカップ』両大会で「ホロライブ×にじさんじ×ぶいすぽっ!」の3事務所で組まれたチームは、現在まで彼女ら3人の「ぱすてるさわー」のみです。

『オーバーウォッチ』『Apex Legends』でプロゲーマーとして活躍したうるかさんをコーチとして加え、なんと3人の特別ビジュアルまで制作されるほど。

ファンの間で「(移動やファームが)遅い!遅い!遅い!」と連呼するイメージが定着してしまっているうるかさんがコーチ役に入り、数日ほどの練習カスタムのなかでもかなりパキっとしたコーチングをしているのがわかります。

勢いよく前に出てダメージ役を担うのあさん、全体のカバー役として声を出すトワさん、遠距離からの射撃でサポートするアルスさん。うまく役割が噛み合った3人に実力があると分かっているからこそ、なによりホロライブ・にじさんじ・ぶいすぽっ!のファンのために、勝利を求めつつも楽しくて面白い配信にしようとするのが見て取れます。

3人の配信には過剰なまでのアドバイスやヘイトが送られていきますが、コーチ役・うるかさんが「以下コメデターする場合は、大会実績とランクを記載してからコメデターすること」とピシャリと言い切り、「的外れなのが多すぎて気になって気になって」とつづけて釘を刺すと、トワさん・のあさん・アルスさん3人ともに無用なアドバイスはいらないと口々に言い始めます。

以前から他FPSゲームなどで交流が少なからずあった3人ですが、元来3人ともにソロ配信ではリスナーに対する毒舌や刺さる発言をするタイプ。

のあさんとアルスさんはともに内向的な性格ながら、訛り気味な口調で小ボケを挟むのあさんと、かわいらしい笑い声で返すアルスさんとキャラクターはやはり特徴的。そこに元気で陽気に会話をつづけるトワさんが絡むことで、ゆったりとしたムードからキチっとしたボケ・ツッコミが突然現れるという会話劇となり、終始和やかな空気が続いていたのが印象的です。

こうして交流していく図は、まさに事務所を越えた交流であり、「友達同士の会話」のようにファンの目に見えていたでしょう。

女性3人男性1人という構図ですが、その仲の良さは大会本番の会話や後日に行なわれた4人コラボ配信でのやりとりを見てもらえれば分かると思います。まさかうるかさんがのあさんに「遅い!」と言われるとは、ファンどころか本人たちも思っていなかったでしょう。

料理ブロンズのトロールうるかにキレる胡桃のあ 【overcooked2】

◆培った実力と魅力 欧州のとある男に偶然ブっささる

大会は総合10位で終え、より深い友情を育んだ彼女ら。そんななかこんな話題がトワさんから切り出されます。

「なんか、海外のプロの人が『トワのジブは上手かった』って言ってくれたみたい!」

のあさんとアルスさんが「すごーい!」と口をそろえて驚き、「もう変に褒めないでほしい!ジブやりたくないの!」と照れながら謙遜するトワさん。3人の乳繰り合うような会話が続いていきますが、ここで話題に上がったプロ選手との関わりが大きな波となって広がっていくことになります。

【APEX】Vtuber最協決定戦S3!後夜祭【常闇トワ/ホロライブ】

2012年に設立して以降、日本国内外のesportsシーンで活動するプロゲーミングチーム・SCARZ。2021年3月にはApex Legends部門に「SCARZ EU」としてチームを新結成し、欧州での活動を進めています。

メンバーの1人であるrprさんは、以前からVTuberに理解があり、この大会も自身のTwitchチャンネルで観戦配信をしていました。VTuberの知識をリスナーに教えつつ、初めて観戦する大会を楽しむrprさん。

「ぱすてるさわーってチーム名いいな!」とrprさんが興味をもったのはトワさんのチーム。そこからトワさんの視点へと移って応援し始めていきます。「トワのジブは上手かった」とコメントしたのはもちろんrprさん。

Twitterでもすぐに相互フォローになり、「好きなプレイヤーを応援していたら逆に認知してくれた」というオタクやファン視点からすれば堪らない1日を過ごしました。

後日、rprさんはトワさんとコラボ配信し、渋谷ハルさんが主催する「渋ハルカスタム」にも出場。トワさんが『Apex Legends』の大きな大会に出ると応援配信をするなど、すっかり「眷属(トワさんのファンネーム)」となりました。

トワさんとの関わりを皮切りにしてrprさんは日本在住のVTuberやストリーマーとも積極的に交流するようになり、日本のVTuberファンやFPSファンに自身の存在が知られるようになると、ついにはrprさん本人がVTuber化するまでになります。

日本にホームを置いているSCARZがスタッフにいるとはいえども、あまりに高い順応性。もともとVTuberが好きだったという彼の嗜好性がありありと見えてきます。

その後rprさんの配信ではトワさんのオリジナル楽曲をエンドレスで流して「良い曲だ…」とベタ褒めしたり、急にコスプレ姿となって配信を始めたり、「VTuberの配信を見よう!推しを決めるんだ!」と話すようになったり……。

彼の変貌ぶりにこれまでプロシーンでしのぎを削ってきたライバルらもさすがに閉口してしまう節はありましたが、「日本のVTuberやストリーマーシーンが面白くて熱い」「ファンも海外プレイヤーに対してとても友好的」という印象を海外のファンやプレイヤーたちに広めていくキッカケにもなりました。

国内シーンの盛り上がりをみても、超大型のカジュアル大会がYouTubeやTwitchで配信され国内外の注目を集め続けたこと、FPSゲームがインドア趣味として若い世代に受け入れられたこと、VTuberやストリーマーに加え国内外のプロプレイヤーが知られていったというのは、まさに連鎖反応となって広がっている状態です。

そういった潮流のひとつに、常闇トワさんとrprさんがひょんなキッカケで出会って生まれたドラマは、同じSCARZのMandeさんがEXILEの関口メンディーを「発見したこと」とともに、忘れられない印象的なワンシーンとして記憶されているでしょう。

◆みんなのまとめ役から『顔役の一人』へと

2020年時点でもすでに注目を集めていたストリーマーやVTuber/バーチャルタレントシーンは、2021年に両者が積極的に交流することで大きな盛り上がりをみせ、2021年末から2022年にかけてFPSを中心にしてeスポーツの試合を観戦するファンを増やすことになりました。

大きなウネリが生みだした潮流を一言でまとめるとこのようになりますが、この潮流のなかにあってVTuber/バーチャルタレント、特に女性というと特異な視線が強く刺さるポジションといえます。

常闇トワさんは2020年1月3日にデビューしましたが、その前後にデビューした面々を見てみましょう。

にじさんじきってのFPS女子といえる奈羅花さんは2019年12月29日とわずか4日違いのデビュー、『Apex Legends』ではジブラルタル使いとして知られるラトナ・プティさんは2019年8月13日、チームを組んだことのあるアルス・アルマルさんは2019年7月28日、それぞれにデビューしています。

FPSやeスポーツに注力した「Virtual eSportsプロジェクト」として活躍のフィールドを広げているぶいすぽっ!はどうでしょう。

5人目のデビューとなった胡桃のあさんが2020年3月14日に初配信をしたのを皮切りに、兎咲ミミさん、空澄セナさん、英リサさん、橘ひなのさん、如月れんさんらは2020年夏から秋にかけて一気にデビュー。

その後も神成きゅぴさんや八雲べにさんらがデビューしており、ここに先輩として花芽すみれさん・なずなさん姉妹に小雀ととさんに一ノ瀬うるはさんも所属しています。

シーンを良く知る方々ならば、『VTuber最強決定戦』『CRカップ』などさまざまな大会・企画で彼女らが躍動する姿を見てきたと思います。ここで書いただけでも10数名以上いるので、ファンによっては「え?あの人ってあの事務所じゃないの?」と誤解していることもしばしばあります。

彼女らは2019年なかごろから2020年ごろにデビューしています。コロナ禍のインドア需要の余波をうけるなかで、2021年にはさまざまなFPS系のカジュアル大会に出場してシーンを盛り上げていきました。

前編でも記しましたが、「本来ならばあり得たであろう配信活動」がうまくできないなかで、偶然にも転がってきたチャンスをしっかりと掴み切ることができたヒロインたちと形容できます。

ファンにも目に見える形としては、『オーバーウォッチ』好きな女性VTuberによる「OW女子部」があります。発起したのは、他でもない常闇トワさんです。

にじさんじからの参加者はアルス・アルマルさん、奈羅花さん、ラトナ・プティさん、ぶいすぽっ!からの参加者は花芽すみれさん、英リサさん、橘ひなのさん、如月れんさん、紫宮るなさん。いつも大会で顔を合わせている獅子神レオナさんや小森めとさんも参加し、「大会でよく見るイツメン(いつものメンバー)」が勢揃い、まさにオールスター感ある配信となりました。あくまで友達同士の繋がりをベースにしているので、ここから増えていくことも大いにありえるかもしれません。

所属事務所の垣根を越えた戦友ともいえる繋がりをもった彼女らのプレイを、『オーバーウォッチ 2』が発売された今だからこそぜひ見てみたいと思えます。

【OverWatch】#OW女子部 最強カスタム【常闇トワ視点】

つい先日にはラトナ・プティさんとともに遊びにいったことも明かしており、プラネタリウムを一緒に見に行ったり、岩盤浴・温泉を楽しんだりと事務所を越えた友情を育んでいます。偶然ながらも同じシーンでめぐり合った女性メンバーらは互いに声をかけ、徐々に友情を築いているといえます。

2021年10月9日に開催された第7回『CRカップ』ではcptさん、胡桃のあさんとともに優勝を果たし、先日の第4回『えぺまつり』ではハセシンさん、猫汰つなさんとともに3位に入る好成績を収めたばかり。Crazy Raccoonのエースでもありアジアを代表するプレイヤー・Rasさんがトワさんの個人コーチに就いて、逐一コーチングを受けていたのが配信でも映っていました。

VTuber/バーチャルタレントシーンでは事務所を越えた繋がりをしっかりと持ち、国内外のFPSシーンやストリーマーシーンにも彼女の存在は知られ始めています。"ホロライブ×FPS"という可能性を模索し、みごとにその役目を果たしている常闇トワさん。

いま彼女は、ホロライブを背負う顔役のひとりだと言えるでしょう。

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《草野虹》

草野虹

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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