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すでに数十年の歴史的な蓄積があり、独自の発展を見せてきた「格闘ゲーム」というジャンル。その歴史の中でも、とくに“ヤバかった”システムとして語られることが多いのが、「オリコン」です。
「CYCLOPS athlete gaming」所属のプロゲーマー・どぐらさんも、自身の配信上でその恐ろしさを振り返っていました。
◆プロゲーマーを恐怖させた「オリコン」
どぐらさんは10月24日にTwitchで行った配信にて、「クソシステム列伝」として格闘ゲームの歴史を回想。そこで“クソシステム”の筆頭として挙げられたのが、『ストリートファイターZERO』シリーズの「オリコン」でした。
どぐらさんは当時の環境を思い出したのか、感情のこもった口ぶりで「オリコンはヤバい」「“強すぎ”なんていうレベルじゃない!」と熱弁。そして「Vトリガーの発動にさぁ…無敵つけたらアカンってわかるやん?」と、その危険性を指摘していました。
「オリコン」、正式名称「オリジナルコンボ」は、CAPCOMの格闘ゲーム特有のシステム。『ストリートファイターZERO2』が初出で、『ストリートファイターZERO3』『CAPCOM VS. SNK2』『CAPCOM FIGHTING Jam』などに引き継がれていきます。
作品によって詳細は異なるものの、共通しているのは「ゲージを消費して発動、キャラクターに残像が付き、一定時間ほとんどの攻撃がキャンセル可能になる」こと。
これだけでは『ストリートファイターV』の「Vトリガー」とほとんど同じですが、何より恐ろしいのは「発動時に無敵がついていた」点。敵の攻撃をすり抜けつつ、強力なコンボを一方的に叩き込めるので、まさしく“最強”の一言です。
◆歴史から消滅した?
とはいえ、「オリコン」導入は1作品で終わらず、後継作品にも引き継がれていくことに。この流れについて、どぐらさんは「やられる方の不条理は尋常じゃないんですけど、やってる方の楽しさはヤバいから、それで成り立ってる」と、「オリコン」を仕掛ける側の快楽がベースにあると分析していました。
しかしながらそれは、受け手側のプレイヤーが理不尽な思いをすることが大前提。ゲームバランスの調整が難しいことは間違いないため、「これからの作品にもう登場しないシステム筆頭」とも断言しています。
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ある意味、一発逆転の夢が詰まったシステムではあるのですが、ただでさえ新規プレイヤーが参入しにくい格闘ゲームに実装するのはかなりの冒険。やはりどぐらさんが言うように、今後はお目にかかれないのでしょうか…。