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11月23日(水・祝)17時30分から放送される『テレ東音楽祭2022冬』にホロライブ所属のさくらみこさんが、出演することが決定しました。
「豊洲PITや日本武道館でのソロライブ」「アルバム制作」を目標に掲げていたさくらみこさん。そんな彼女のこれまでからここ1年ほどを、この記事で振り返ってみようと思います。
2018年8月1日からVtuberとして活動開始したさくらみこさん、当時は「さくらみこプロジェクト」として活動していましたが、2018年12月25日よりホロライブに加入しました。
ホロライブに加入前から、ホロライブを最初期から支えていたときのそらさんに憧れており、自身が「そらとも(ときのそらさんのファンネーム)」であることを公言しています。
初期には動画投稿を中心にしていましたが、途中から生配信を通じて素の自分を見せながら雑談やゲームプレイを配信していくことに。
濃い目の桜色、サイドテールの髪型、高めの声色、語尾に「にぇ」とつく謎の言語感覚など、さまざまなフックが彼女にはあります。そんな彼女のなかでも一番のフックになるのが、配信中で見せてくれる様々な「ヘッポコ」「ポンコツ」ぶりでしょう。
◆あなたは「加湿器」をご存知ですか?
ホロライブの他メンバーと遠慮ナシで煽りあい、ホラーゲームなどで追い込まれると一気に弱気になってしまったり、他メンバーやゲーム中の説明などを一切読まない・聞いていないことがキッカケにとんでもないアクシデントを起こしてしまうことも多々あります。
そんな彼女のこの1年で反響があったエピソードといえば、「加湿器」にまつわるものです。
「え?加湿器って加湿ってボタンを押せばできるんじゃないの?」
「空気清浄機にも加湿ってあるじゃん?あれだよ!」
さくらさんは「加湿器は空気中の水分を吸い上げるもの」として考えており、そもそも「湿る」という自然の摂理をまったく理解していないご様子。その後、リスナーからの指摘で加湿器の中からタンクを発見し「あった・・・」と苦笑いすることに。
「まじ時々さ、なんでみんな意外な反応するときがあるんだろって思う時があるんよにぇ、日々生きてて」
「なんかみこが想定するよりも予想以上の反響をもらうときがあって、いまがソレ」
ちなみにその後にもエピソードは続きます。
「あのあと湿度が25%でいっつも止まってて湿度が上がらないなと思ってて、毎日水を取り替えてたんだけど、加湿ボタン押されてなかったらしい」
「でも水がちょっとだけ減ってたんだよね、加湿ボタンって関係あんの?」
序盤の話をした直後には、Twitter上で大手家電メーカー・SHARPにイジられたりと大きく話題になったばかり。さすがに操作方法だって分かっているはず、これ以上の話はないだろう……そう思っていた1か月後に急に話しだしたあまりにもすっとぼけたエピソードに、リスナーも置いてけぼりを食らったかのような反応がコメント欄を埋めていきました。
こうしてわずか1か月ほどの間で、彼女の中でもトップクラスの「ポンコツ」「ヘッポコ」なエピソードが完成しました。
こんな天然気質なさくらみこさんだからこそ、さまざまな配信を通して名シーンを生みだしてきました。
企画立ち上げから進行が得意であり、配信中にはリスナーや配信相手を必要以上に傷つけない言動がファンの間でも知られています。天然ぎみな性格がゆえに人懐っこさのある彼女のもとには、ホロライブの先輩後輩多くのメンバーが絡みやすく、大型企画へと発展しやすいのでしょう。
例えば、ホロライブでは秋に『Minecraft』を使った運動会企画を開催しますが、大神ミオさんとともに3年連続で主催を担当。これまではさくらさんと大神さんの2人のみで、多忙を極めるメンバーのスケジューリングから参加グループ分け、運動会専用の競技場作り、運動会当日の実況や運営に至るまで、彼女が担当していました。
ちなみに今年に関しては大空スバルさんをくわえた3人体制で主催・運営に加わり、ホロライブのスタッフも全面的にサポートする体制を整えて臨みました。その過酷さを知ると「これを2人だけで運営していたんですか?」とスタッフが驚くほど。
もしも職場にこんな方がいれば、エリートというよりも、スマートという言葉が合うかもしれません。(参考記事:今年も叫び・笑い・真剣勝負した「ホロライブ大運動会2022」……熱戦の裏に込められた実行委員「さくらみこ」「大神ミオ」の「みんなありがとう!」)
◆さくらみことプロレス 数奇なる関係とシンパシー
そんな彼女が2022年4月から現在まで複数回にわたって配信したのが、大人気プロレスゲーム『WWE 2K22』を使い、ホロライブのメンバーをキャラクタークリエイトしてゲーム内でバトルさせてみるという「WWE2K22 ホロファイターシリーズ」企画です。
「WWE」といえばアメリカを代表するプロレス団体であり、さまざまなレスラーが相まみえてドラマを生みだしてきました。現在では日本人レスラーとして中邑真輔さんを筆頭に、戸澤陽さん、ASUKAさん、イヨ・スカイさんなどが活躍しており、世界的人気を持ったプロレス団体ということで日本のプロレスファンになじみ深いところです。
VTuberといえば美少女のアニメルックスをはじめ、ビジュアルが魅力的で目を惹くところ。彼女らをゲームキャラに、しかも男にするというと違和感がかなり大きいのでは?と思われそうですが、ホロライブファンにとってはゲーム内のキャラクター(アバター)上で推しが筋骨隆々の男キャラになっても、あまり違和感を覚えることなく受け取られている状況です。
以前オープンワールド×恐竜ゲームで知られる『ARK』がホロライブ内で大流行した際、「むさ苦しいマッチョメン」を基にしてキャラクタークリエイトしたメンバーがおり、いつもの美少女なルックスからあまりに違った容姿にかなりのショックと笑いがファンの間で起きていました。
数年前からホロライブと新日本プロレスの良好な繋がり、もっといえばグレート-O-カーン選手が大空スバルさんをキッカケにしてホロライブ好きとなったことで、「ホロライブファンな著名人」の一人として彼を思い出すホロライブファンは多いでしょう。
ちなみにグレート-O-カーン選手は『ラブライブ!』シリーズの園田海未が好きで、演じている声優の三森すずこさんのファンでもあります。新日本プロレスの親会社にブシロードが控えているということもあり、アニメやネットカルチャーへの造詣が深い彼が今後「こちら側」に登場することが多いはずです。
ふだんは和気あいあいとした会話をしている女性陣が、ゲーム内で筋骨隆々のマッチョメンになっているというギャップ。これにくわえて数年にわたって繋がっている新日本プロレスとの良縁や、海外ファンが増加傾向にあるという点も加わり、さくらみこさんが『WWE2K22』をプレイすると普段の配信から一線を画すほどの視聴者数が一気に集まることになりました。
なにより彼女自身が、普段の配信と「プロレス」との間にシンパシーを覚えていたこと、ファンがやっていた面白そうな企画を彼女流に真似てみたこと、この辺りも今回の配信には欠かすことのできないコアになったと思えます。
「今まで散々リスナーのみんなとプロレスしてきたけど、本当にプロレスをやろうと思うよ!」
「プロレスは、リングで観客へ見せることを目的とした攻防を展開している格闘技を基本としたスポーツ、パフォーマンスアート、エンターテインメントである。これを見たときみこは『あれ!?みこ達いつもやってね!?』って。みこもコメントの皆さんもプロレスなんて言われる口論をしていたけど、そういうことなんだなと」
「なんで『WWE 2K22』を知ったかっていうと、ホロライブのメンバーをキャラクリをして戦わせている動画を見つけて、めっちゃ面白かったのね。みこもやってみたいなと思ってやろうか!と」
◆ファンを中心に多くの反響により大人気企画へ
そうして始まった初配信。配信の前にチュートリアルも含めてプレイしたものの、日本語版が出ていないのですべて英語表記ということもありかなりアヤフヤな英語読解のまま、あまり意味が分からないチンプンカンプン状態でキャラクリへと勤しむことに。
このクリエイトモード、髪型・衣装・体つきといった基本的な部分から、顔面そのものをイジったり、明らかに某マンガ・アニメを意識したような衣装など多数あります。
使用できるアイテムは膨大で、大胆な柄・デザインのオンパレード。顔面のメイクや瞳の色まで細やかな部分まで設定できるため、「時間泥棒」「やり込み要素満点」と評されるほどです。
「初めて見に来た人は『何やってるんだ?』って思うかもね…」
自分のファンである「35P」を擬人化したレスラーを作っているときに、おもわずみこさんもこのように漏らしてしまうほど、強烈なキャラクリエイトができたりします。ちなみにこの初配信後、中邑真輔さん、ASUKAさんからもこの企画に反応があり、初配信がいかにインパクト大であったかが伝わるはずです。
その後、「ホロライブメンバーを作って試合をするという配信をやりたい」と声をかけたところ、多数のメンバーが賛同。徐々にキャラクリエイトをしていきます。
その後複数回にわたってメンバーをクリエイトしていくさくらさん。5月27日には制作した9名を使った対戦が見られることになりました。
とはいっても、「誰が強いか?」というゲームスキルを競うようなバトル企画というわけでありません。ゲームプレイはあくまでCPUに任せて、制作されたメンバー9人ら(さくらさん含む)は登場から戦っている間まですべてアドリブでセリフを言いまくり、煽り散らかし、笑いを取っていくという企画です。
プロレスの技がどんなものか、入場がどういったものか、そもそも自分がどんなキャラクターとしてクリエイトされているのか、あまり分かっていないメンバーも大半ということもあって、終始まとまりなくギャーギャー騒ぎ続けることになります。
「おい!なんだよこのキャラクリおかしいだろ!」なんていうツッコミは当たり前。プロレスラーということもあり終始アクティブに動き続け、「なんでそんなに身軽なんだよ!」「そんな動き、その人しないだろ!」などのツッコミをリスナーもしやすく、試合は複数ありましたが、いっさいダレることなく大盛況に終わった配信となりました。
ちなみにその後にも制作は続いており、宝鐘マリンさんや天音かなたさんを制作。さすがにクリエイトに慣れてきたこともあってか、かなり本人に似せることができるようになり、本人に合わせたネタも採用したことでこれまた盛況な配信となりました。
さくらさんは普段の配信でも1~2万人近く集めてしまうとんでもない配信者ですが、普段の倍以上の視聴者数を集め、最大同時接続者数は8万人以上が集まってしまう大人気企画となりました。今後同企画が続いていけば、さらに盛り上がっていきそうです。
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