『ポケモンSV』全選手が「ゆびをふる」だけで世界大会予選に出場―全員失格で大会そのものが開催中止に

ポケモン世界大会の韓国予選「PTC2023」ファイナルラウンドにて、選手たちが運営の不手際にボイコット。全員失格となり、大会そのものが開催中止となる騒動に。

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『ポケモンSV』全選手が「ゆびをふる」だけで世界大会予選に出場―全員失格で大会そのものが開催中止に
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ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』を使用した世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」。その韓国予選「ポケモントレーナーズカップ2023(以下、PTC2023)」にて、マスターカテゴリのファイナルラウンドが“全選手の失格”により、開催中止となる事態が起きました。

失格の理由は、出場者の全4人が、手持ちのポケモンすべてに「ゆびをふる」だけを覚えさせた状態でエントリーしたため。「ゆびをふる」は、ほぼすべての技の中から、ランダムに1つの技を使うというもの。運にすべてを託す技であり、バトルの戦略性は無いに等しい状態となります。

ポケモン公式は本行為を受け、正常な対戦及び大会運営が不可能と判断。各種公式大会で禁止行為に定める行いであるとし、4人の大会出場権を剥奪。全選手の出場権剥奪により正常な大会開催が不可能となり、「PTC2023」マスターカテゴリの開催は中止されました。

◆なぜ選手たちはこのような行為をしたのか?

選手たちがこのような行為をした理由は、大会運営の不手際に対するボイコットです。

「PTC2023」ファイナルラウンドの予選では、日本国内でも騒動になった不具合が発生。対戦した回数や自身のレートを確認できないほか、一度対戦した相手と再びマッチしてしまう、意図した画面が表示されないなどの問題が報告されていました。

結果的に予選は再開催が決定。しかし、問題となったのは1回目の成績上位者になんの補償もなかったこと。1回目でTOP5に入賞したlupang選手は、再開催時に予定が合わず参加できなくなり、1回目で獲得した「ポケモンワールドチャンピオンシップ2023」Day1出場権を失ったことを報告しています。

ファイナルラウンドに出場した4人は、自分たちの大会出場権が剥奪されるのも恐れず、こういった形でボイコットの意思を伝えたというのが今回の流れです。

出場者の1人であるBingha選手は、「私は自分の選択を決して後悔しません。居心地の良いDAY2への招待ではなく、権利のために戦うことを選んだ私たちの誇り高い仲間たちに多大な感謝を」とコメントしています。

◆歴代チャンピオンも本騒動にコメント

本騒動に対し、2014年の世界大会チャンピオンであるパク・セジュンさんは、「公式はプレイヤーに対して全く敬意を払っていない。もっとコミュニケーションを取るべきだ」とコメント。2016年大会のチャンピオンであるWolfe Glickさんも動画を投稿し、騒動への意見を述べています。

なお、4人の選手に付与予定だった「ポケモンワールドチャンピオンシップ2023」DAY2出場権の取り扱い及びこれからの大会参加については、今後案内予定とのこと。本騒動を受け、大会の在り方が問われます。


《茶っプリン》

ゲームライター 茶っプリン

「ゲームの新情報を一番に知りたい、そして色んな人に広めたい」そんな思いからゲームライターに。インサイドではニュースライター、時々特集ライターとして活動。関係者、ユーザーから生まれるネットブームにも興味あり。

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