来る7月28日、この夏を彩るに相応しいゲームが登場します。その名は、『なつもん! 20世紀の夏休み』(以下、なつもん!)。タイトルからも察しがつく通り、本作はとある10歳の少年が過ごす“1ヶ月の夏休み”を味わえる作品です。
しかも本作の時代背景は、まだ21世紀を迎えていない1999年。大自然に囲まれた小さな町で過ごすひと夏は、「ノスタルジックな懐かしさ」を想起したり、「子どもの頃に味わえなかった、憧れの夏休み」を感じさせてくれることでしょう。
かつて小学生だった大人たちが追憶し、憧れを嚙みしめる。そんな特別な体験を、『なつもん!』が紡いでくれます。
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しかし、「90年代の夏休み」に懐かしさや憧れを抱くのは、“あの頃の夏”を通り過ぎてきた大人たちだからこそ。本作の主人公と同世代の現役小学生たちが『なつもん!』を遊んだら、一体どんな反応を見せてくれるのでしょうか。
古臭いと捉えるのか。刺激が足りないと感じるのか。そうしたジェネレーションギャップに迫るべく、佐藤親子・小林親子(共に仮名)の2組に協力をお願いし、まだ発売前の『なつもん!』を遊んでいただきました。子どもたちのプレイの模様から本作への反応まで、その一部始終をお届けします。
『なつもん! 20世紀の夏休み』公式サイト■現役小学生たちが明かす、今時の学校事情
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『なつもん!』を遊んでもらう前に、今の小学生たちがどんな風に過ごしているのか、日常や現代の夏休み事情について、いくつか話を聞かせていただきました。
ーー最初に自己紹介と、最近遊んでいるゲームがあれば教えてください!
佐藤(父): 39歳会社員、ライトゲーマーの佐藤と申します。最近は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をユルく遊んでます。
佐藤(娘):小学4年生です。ゲームは『フォートナイト』を友だちとやったことがあります。
佐藤(父):あと、『Roblox』やってなかったっけ? iPadで『マインクラフト』もやってるよね。
佐藤(娘):うん。でも「TikTok」を観ることのほうが多い。
佐藤(父):そうなんだよね。「TikTok」ばっかり観てるから、それでママと喧嘩したりして(笑)。
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小林(父):42歳の会社員です。ウチの子も小学生4年生ですね。
小林(息子):ゲームは『スプラトゥーン3』と『スプラトゥーン2』が好き。新しいブキが出たから早く使いたいけど、まだ遊べてない……。
小林(父):だって、宿題全然終わってないから。あとはポケカもやってる?
小林(息子):うん。公園でポケカやったり、バドミントンしたり、ドッジボールしたり!
佐藤(娘):私も外で鬼ごっこしてる。
ーーなるほど。結構、外で遊ぶことが多いんですね。
小林(父):ウチは小学校の近くに公園があって、みんな集まりやすいんですよね。行けば誰かしら友達が来てる、っていう。
ーー遊ぶ約束をするときは、やっぱりLINEなどを使うんですか?
小林(息子):んーん。学校にいるときに友達と約束してる。
小林(父):そうそう。それで、親同士がLINEで確認するんだよね。
佐藤(父):うん。「ウチの子が遊ぶ予定だって言ってるけど、ほんとに合ってる?」って。
ーーお子さん同士でスマホを使ってLINEでやりとり、ではないんですね。
小林(息子):スマホはあるけど、親と連絡するときにしか使わない。
佐藤(娘):あんまり使わないけど持ってる。塾に行くときとかに使う。
小林(父):今の子は、塾で忙しいよね。ウチの子も月曜と水曜、だいたい3時間くらい行ってるし。
企画時にゲーム経験があるお子さんを選んだのは確かですが、『フォートナイト』や『マインクラフト』、『スプラトゥーン3』など、普段遊んでいるラインナップはいずれも名前をよく聞くヒット作ばかり。各タイトルが、年齢層を問わず浸透していることが分かります。
一方で、公園など野外で遊ぶことも多く、ゲームやスマホに特に傾倒している印象は受けません。子どもたちを守る観点もあるかと思いますが、スマホを直接使って友達とやりとりするのは、きっともう少し後の年代からになるのでしょう。
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ーー今の学校って、どういう感じ? あと夏休みの宿題って、今も「ドリル」や「絵日記」があるの?
小林(息子):去年は夏休みドリルとかやらされたけど、社会と理科は少なかったかな。国語と算数がほぼほぼ。絵日記はない!
佐藤(娘):私の学校は、絵日記ある。
小林(父):リモート授業もたまにやってるよね。
小林(息子):うん。でも、最近は減った。
佐藤(父):ウチは朝礼もオンラインになったりするかな。参加形式を選べて、体調悪かったら朝礼だけオンラインで、とか。
ーー「自由研究」の宿題はある?
小林(息子):自由学習っていう、ミニ自由研究みたいなやつが毎週ある。それで日記とか書いたりはするかなあ。
小林(父):テーマを決めて、毎週やるんだよね。
佐藤(娘):私の学校には「自主学習」っていうのがあります。調べ物して、毎週金曜日に1ページのレポートをやるの。この前は戦国武将について調べました。
小林(息子):俺は動物とか……牛の肉の部位や虫について調べたり、あとおじいちゃんの家で田植えのやり方を教えてもらったりした!
佐藤(父):去年の夏休みは、でっかい模造紙でまとめたりしたよね。旅行先で調査してー、みたいな。
小林(息子):俺も真田昌幸について調べたくて、お城行ってきた!
小林(父):うん。「何かを調べてレポートみたいにまとめる」っていう形式の授業が、昔より増えた気がするね。
筆者の勝手なイメージですが、「夏休みのドリル」のようなものはなく、また絵日記の宿題も完全に昔のものになったと思い込んでいました。ですが、ドリルはまだ現役でしたし、学校によっては絵日記の宿題も続いているようです。
「自由研究」も、形を変えつつも存続している模様。また、自分で調べてまとめる学習方法が増えており、授業の傾向が少しずつ変わってきているのかもしれません。
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ーー去年の夏休みは、宿題以外にどんなことをしてた?
小林(息子):暑くて溶けちゃって、もうずっと家でゲームしてた。『スプラトゥーン』。あと、おじいちゃんちで焼肉食べたりお寿司食べた!花火もやった。今年もやる!
小林(父):プールに行ったりもしてたよね。
小林(息子):行った! 流れにオリャーって逆らったけど無理だった。あとりんご狩りにも行った!
佐藤(娘):私はUSJに行きました。ミニオンズのやつとか。
佐藤(父):あとは、堺にある古墳に行ったね。登山しに行ったりもしたかな。
ーー今も、「ラジオ体操」ってやってるの?
小林(息子):あるよ! でも俺は行ってない。
佐藤(娘):私のところは、コロナもあったからやってなかったです。
小林(父):近所の公園で実施してはいるけど、行かないんだよね。
佐藤(父):うちらの子どもの世代って、入学した頃からコロナ禍だったのもあって、ちょっと大変だったよね。
小林(父):そうそう。登校日数が短かったからその分切り詰められて、夏休みも短めになっちゃって。
佐藤(父):だから『なつもん!』で、足りない分の夏休みの思い出を作っていこうか(笑)。
夏休みの過ごし方は、世代を超えて今も共通する出来事が多い印象でした。家でゲーム、プールに花火、そして祖父母の家でごちそうを口にする。どれも、平成や昭和後期の子どもたちが歩んできた夏休みです。
「USJ」や「ミニオンズ」などは、40代から50代にとってはあまり馴染みのない、最近のアクティビティのようにも思えます。ですが、ミニオンズが初登場を飾った映画「怪盗グルーの月泥棒」の公開は2010年。USJに至っては2001年開園と、今から20年以上も前です。直撃世代ではないにせよ、世代を超えて重なる「夏の思い出」と言えるでしょう。
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明確な違いもありながら、遠からずなイメージも沸いてきました。果たして現役小学生たちは、『なつもん!』にどのような反応を示すのでしょうか?
『なつもん! 20世紀の夏休み』公式サイト■現役小学生が『なつもん!』を遊ぶと、どんな反応が?
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取材時点はもちろん、この記事が公開された時点でも、『なつもん!』の発売日はまだまだ先。そのため、今回はスパイク・チュンソフトから提供された発売前バージョンの『なつもん!』をお子さん達にプレイしてもらいます。
そして『なつもん!』のパッケージもプレイ前にお披露目。発売していないゲームのパッケージを見る機会はかなり稀ですし、小学生であれば今回が初体験でしょう。
そのことを告げると、小林さんの息子さんはパッケージに手を伸ばし、「俺が一番最初に触ったー!」とにっこり笑顔。大人になると忘れがちな価値観とその瞬発力に、改めて驚かされます。
そんな微笑ましい一幕を挟みながら、2組の親子がそれぞれゲームを開始。小学4年生ふたりが、“90年代の夏休み体験”に挑みます。
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「なんか虫がいる!」「この男の子(主人公)、ずっと「わくわく!」って言ってるね」と、小林家の息子さんは早速プレイに没頭。コントローラーの操作も、説明を受ける前にあれこれと試し、虫捕り網で蝶を捕まえる操作を誰にも教わらずに行うほど、スムーズにプレイしています。
ーー虫捕り、面白い?
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小林(息子):うん。虫捕りばっかりやってる!
小林(父):なんかマイナーな虫捕まえた? ハムシ……?
小林(息子):めっちゃ捕まえたよ。
小林(父):虫集めが楽しすぎて没頭しちゃってんじゃん。町の中で遭難してるよ(笑)。
小林(息子):……(虫集めに没頭して返事をしない)。
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リアルでも虫捕りの経験がある息子さん。『なつもん!』でも虫捕りに熱中し、早々に10種類以上も捕まえました。特定のイベントやストーリー展開は二の次で、色んな場所に出かけては新たな虫を探し続けます。
小林(息子):崖登りしようとするとくっそスタミナ減るね。となり町まで来たら帰れなくなっちゃった。あ、でもまた虫見つけた!
(※編集部注: 主人公のスタミナは自動回復するシステム。元の町に帰れなくなったりすることはありません)
ーー好きな虫はいる?
小林(息子): 好きな虫は特にない。
小林(父):パパはタガメとかゲンゴロウが好き。
小林(息子):どっちもあんまり好きじゃない!
どうやら虫自体に関心があるわけではなく、虫を取る行為自体が楽しい様子。『なつもん!』には虫が200種類もいるので、息子さんの熱中はまだまだ続きそうです。
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小林(父):セミ捕まえるの難しくない?
小林(息子):セミは難易度高めに設定されてそう。でもなんか違うの捕まえた。
小林(父):シロスジカミキリだね。こいつって、生きてるときは“黄色いスジ”なんだけど、標本にすると“シロスジ”になるんだよ。
佐藤さんの娘さんもコントローラーの操作に慣れた様子で、操作に戸惑いを感じません。ただし、虫捕りにはあまり気が向かなかったのか、さほど熱は上げずにほどほどで切り上げ。町の人の話を訊いたり、イベントを意識的に進めたりと、それぞれ異なるプレイスタイルを見せ始めます。
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佐藤(父):ラジオ体操、結構芸が細かいね。
佐藤(娘):この曲は……知らない。わかんない。やったことない。キャンプのときやったけどよくわかんない。
佐藤(父):そっか、ラジオ体操ってやったことないのかあ。
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『なつもん!』では毎朝ラジオ体操が行われますが、参加は(現実と同じく)任意。娘さんはラジオ体操に触れる機会が少なかったせいか、ほとんど馴染みはなさそうでした。それでも『なつもん!』のラジオ体操にはこまめに参加し、1回の参加で1個もらえるスタンプを複数集めています。
一方で息子さんは、気が向くままのプレイを楽しみ、登場人物との待ち合わせもすっぽかし。もちろんこうしたプレイも、『なつもん!』ではなんら問題ありません。接点が増えれば様々なイベントが起こりやすいものの、その多くは強制されず、プレイヤーの手に委ねられています。
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ですが、ラジオ体操に1回だけ顔を出した息子さん。ただしラジオ体操そのものにはさほど興味がなく、集まった町の子どもたちを指さして「(体格がいいので)こいつジャイアンだな!」「この子はしずかちゃん」と、ドラえもんに登場するキャラクターになぞらえて当てはめる姿が印象的でした。
虫捕りに魚釣り、家の壁や崖を登ったりと、やんちゃな夏休みを堪能した子どもたち。そんな序盤を一通り遊んでもらった後は、別のセーブデータを使用し、中盤から開催するサーカスや夏祭りもプレイしてもらいました。
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ーーサーカスって、観たことある?
佐藤(娘):ない!
佐藤(父):ゲーム序盤は、客が少ないし出演者もめっちゃ下手なんだね。
ーーじゃあ、夜店の射的はやったことある?
佐藤(娘):ある!
小林(父):僕らは下町に住んでるんだけど、やっぱり夏祭りは賑やかです。
ーー僕らの世代も、屋台はワクワクしましたよね。
小林(父):この前、お金をわたして射的やらせましたね。あと、お祭り行ったとき、りんご飴食べてなかった?
小林(息子):食べてた。りんご飴とかイカ焼きとか。
ーーこのゲームは、お父さんが過ごした当時の夏休みっぽい?
小林(父):雰囲気は昭和っぽい。建物の雰囲気は昔らしいですよね。子どもの描写も……言われてみれば自分もこういう子どもだったのかもしれない、って思わされる。給湯器とか、今の家にはあんまりないですよね。外も家の中も、細かいところが懐かしい。
ーー確かに。
小林(父):あと、昭和っぽさもあるけど、そもそも「子ども」ってこう動いて遊ぶよなーとか思い出しました。
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子どもたちの親世代、40代から見た『なつもん!』は、その描写やプレイ体験を通して、懐かしさを感じられるものでした。これは予想通りですが、子どもたちの目にはどう映ったのでしょうか。
■『なつもん!』に対する子どもたちの反応に、ジェネレーションギャップはあったのか?
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予定を少し延長し、2時間半のプレイを終えた子どもたちに、『なつもん!』の感想を訊ねました。
ーー『なつもん!』は面白かった?
佐藤(娘):おもしろい! 楽しかった!
小林(息子):登ったり撃ったりするのが楽しかった。最初は虫捕りばっかやって、そのあとは家とか高いところに登りまくった!
佐藤(娘):夏祭りの射的が特におもしろかったです。あと、町の中にたまに出てくる不思議な子(?)が気になってる。
ふたりの率直な反応は、「面白い」「楽しい」といったストレートな反応でした。年代的に当然ですが、大人たちが感じるような「懐かしさ」や「憧れ」は含まれておらず、純粋に体験として楽しかったと笑顔を浮かべます。
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改めて「懐かしさ」や……ネガティブな言い回しになりますが、ずばり「古臭さ」のようなものを感じたのかと訊ねると、ふたりともこの質問にはピンと来ず、首を横に振るばかり。筆者を含めた大人たちが予想した、世代間の違いによるジェネレーションギャップなどは一切感じさせません。
純粋に『なつもん!』を楽しみ、感じたままを口にする小学生ふたり。どうやら子どもたちにとって、どこまでもナチュラルなプレイ体験だったようです。
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我々大人世代、特に40代から50代は、自分の経験や体験があるからこそ、『なつもん!』に懐かしさを覚えます。しかし、その経験こそが、異なる世代への想像を阻んでしまったのかもしれません。
例えば、ファミコン時代のドット絵、初代PS時代のローポリ(ポリゴン数の少ない3Dモデル)、実写のような3DCGといったゲーム表現の歴史を知っていると、ドット絵やローポリを古臭く感じたり、そこにノスタルジーを見出してしまいます。
ですが今時の子どもたちは、物心ついた頃には『UNDERTALE』があり、『マインクラフト』があり、『スプラトゥーン』がありました。実写さながらのゲームも、枚挙にいとまがないほどです。
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ゲーム表現の歴史を体感していない子どもたちにとって、『UNDERTALE』のドット絵も、『マインクラフト』の簡素な3Dモデルも、実写のようなCGも、全て「そういう表現」でしかありません。気づいたらどの表現も全て同時に存在しており、そこに「古さ」「新しさ」を感じることはないのでしょう。
「90年代の夏休み」は、懐かしい。だから、当時の経験がない子どもたちには異質に映るはず──そんな大人たちの安易な思い込みを、子どもたちはまったく意に介しません。ふたりはただ『なつもん!』を楽しみ、2時間を超えてもプレイする手を止めず、没頭しただけでした。
なお、プレイ時間を予定よりも延長したのは、その没頭が理由です。しかも30分の延長後に「では、プレイはここまで」と声をかけたにも関わらず、最後の感想を訊いたくだりでもコントローラーを手放さなかった息子さん。その姿こそが、現役小学生が『なつもん!』に向けた素の反応だったのかもしれません。
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馴染みのない世界だからこそ、懐かしさや古さではなく、ただ新鮮で楽しい。非常にシンプルで力強い回答を得られた、貴重な取材となりました。……ちなみに本作は、自由に崖などを登ることができ、家の屋根にはアイテムが落ちていることもあります。プレイ中、屋根に光るものを見つけた息子さんが躍起になって壁を登ると、そこに落ちていたのはなんと100円。
小林(父):100円のために、わざわざ屋根まで登るの?
小林(息子):100円は大事だよ!
きっと、今も昔も多くの小学生にとって“100円“は大事なもの。お祭りでいろいろな遊びを楽しむため、お菓子を自分で買うためなどなど、たかが100円と言っても子どもにとっては可能性の塊なのです。実はこの100円、プレイヤーを屋根伝いに広がる世界の探索へと誘う、とても重要な要素。大人と子どもの視点の違いを感じられる一幕でした。
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大人も子どもも存分に“昔の夏休み”を体験できる『なつもん! 20世紀の夏休み』はニンテンドースイッチを対象として、2023年7月28日に発売予定。パッケージ版/ダウンロード版共に、販売価格6,578円(税込)でリリースされます。
また、ニンテンドーeショップで購入できるダウンロード版は10%オフの特別価格で予約受け付け中。8月31日までの期間限定となっているので、お見逃しなく!
『なつもん! 20世紀の夏休み』公式サイト