■快適度も上がり、プレイ体験が一段上がった『真・女神転生V Vengeance』
最後に、物語やバトル関連ではない、プレイ感に関わる変更点や実感をお伝えします。まずグラフィックですが、ベースとなる部分は無印版と大きな違いはないものの、受ける印象はより美しく感じます。
これは描画の違いだけではなく、フレームレート(fps)も影響しているのでしょう。今回プレイしたPC版では、フレームレートの調整も可能で、「30」「60」「90」「120」「144」「無制限」から選べます。ここは自身が使っているPCのスペックに合わせて設定しましょう。十分な性能を有していれば、小さからぬ恩恵を得られるはずです。
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こちらもスペックで差が出る部分かもしれませんが、ロード時間も全体的に快適でした。元々無印版も、ロードが煩わしいといったゲームではなかったものの、快適度が上がって困ることはありません。
しかも、無印版では「龍穴」でセーブを行っていましたが、本作では「龍穴」以外の場所でもセーブが可能に。フィールド上なら任意で行えるので、強敵と戦う前やイベントを進める直前などでセーブしておけば、万が一の時もやり直せます。
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本作はフィールドが広く、実際に移動する機会も多めです。ダッシュがかなり速いので移動自体はストレスになりませんが、PCスペックに合わせたフレームレートの設定や、場所を選ばないセーブ、(これもPC性能による恩恵かもしれませんが)ロード時間の短縮などが加わったことで、遊びやすさが一段階上がったように思います。
プレイの快適度が増し、より一層遊びやすく生まれ変わった『真・女神転生V Vengeance』。新規ユーザーはいずれも新鮮に楽しめますし、シナリオ2本分でボリューム満点。無印版経験者も新要素を序盤から早々に味わえるため、双方にお勧めしやすい作品に仕上がっていると感じました。2024年の初夏、悪魔と踊ってみてはいかがですか。
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