■2020年代、職歴の変遷が極まる
2020年に入って早々、まずは『アークナイツ』の正式サービスが始まります。こちらの役職は、これまでと一味違う「ドクター」。プレイヤーの職歴に、また新たな1ページが加わります。
「マスター」や「騎空士」などは当てはまりませんが、「提督」や「指揮官」、「ドクター」などは実際に存在した仕事・役職です。しかし、現代の日本で実際に就くとなると、色々な意味で難易度はかなり高め。
その点、2020年9月に幕開けした『原神』の主人公は「旅人」なので、ゲーム内だけでなくリアルでも実現可能です。職というよりは生き方に近い肩書きですが、資格はいらず自称するだけで済みます。とはいえ、「旅人」で収入を得るとなると難しくなるため、実際のところ旅を楽しむのは『原神』の中だけ、というのがほとんどでしょう。
そして2021年には、『ブルーアーカイブ』で「先生」に、『ウマ娘 プリティーダービー』で「トレーナー」になったプレイヤーも多いはず。この2作品は同時期に始まったので、兼業で両方こなした猛者はかなり忙しない日々だったことでしょう。
2022年に入ると、『メメントモリ』で「領主」への転職、もしくは兼業が始まります。部隊の指揮、アイドルの育成、サーヴァントの使役といった職歴に、今度は統治的な立場が加わりました。ゲーム的には統治の要素はほとんどなく、ジャンルとしては育成ゲームに過ぎませんが、プレイヤーが「領主」になるゲームは比較的珍しい話です。
また『メメントモリ』から少し遅れ、その翌月に『勝利の女神:NIKKE』で、新たな任務が幕を開けます。こちらの作品では、ニケたちを率いて戦う「指揮官」となり、地上の奪還を目指すことに。『アズールレーン』経験者なら、再びの指揮官職です。
なお、『勝利の女神:NIKKE』も「指揮官」以外の呼ばれ方が多く、「バードボーイ」「パートナー」「しもべ」「先生」「ぼっちゃん」「初心者さん」「ウサギさん」「コーチ」「新入り」「プロデューサー」「マネージャー」と、同一人物を指すと思えないほど多種多彩です。
今回紹介したのはごく一部の作品ですが、プレイヤーが作中で就く役職や立場は星の数ほどあります。珍しい例だけ振り返っても、『刀剣乱舞-ONLINE-』の「審神者」や、『文豪とアルケミスト』の「特務司書」、『ディズニー ツイステッドワンダーランド』の「監督生」などがあり、プレイヤーの職歴を鮮やかに彩ります。また、パンチが効いたものとしては、『ミナシゴノシゴト』における「パパ」がかなり熱量高めでしょう。

2023年~2024年も様々な作品が登場し、そこでさらにプレイヤーの職歴が増えたはず。また、直近では今年5月に『学園アイドルマスター』が始まったので、ふたたび「プロデューサー」に返り咲いた人も多いのでは。プレイヤーの職歴欄は、もはや履歴書に納まりきれないほどかもしれません。