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今年2024年、桜の盛りも過ぎた頃、お酒を飲みながら女の子との会話を楽しむことができる“心が清らかなお紳士様向けの恋愛ADV”『バニーガーデン』が大きな話題となりました。
多くの紳士が同店に足繁く通うなか、筆者はとあるお店を思い出していました。それは、ピュアで清らかな心の持ち主のみが入店を許される会員制のお店。そう、今年は“ピュアな大人の恋愛シミュレーション”『ドリームクラブGogo.』が発売から10年です。
本稿では『ドリームクラブ』シリーズをおさらいしつつ、10年振りに『ドリームクラブGogo.』プレイしながら思い出を振り返ります。
◆『ドリームクラブGogo.』とは?『ドリームクラブ』シリーズをおさらい
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D3パブリッシャーによる恋愛シミュレーションゲーム『ドリームクラブ』は、2009年にXbox360用ソフトとして発売されました。基本的なゲームの流れは、平日はひたすらバイトして資金を集め、週末にお店で好みのホストガールを指名して、女の子とのお酒や会話など楽しむというもの。会員パスの有効期限となる一年間を通して、女の子との仲を深め、ストーリーを進めていきます。
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その後、新規ホストガールが追加された『ドリームクラブ ZERO』や麻雀を楽しむことができる『マージャン★ドリームクラブ』、2013年には時流に乗ったスマートフォン向けアプリゲーム『ドリームクラブ ホストガールコレクション!』などが展開されました。
そして、10年前の2014年。現時点でシリーズ最終作となる『ドリームクラブGogo.』がPS3向けに発売されました。本作は1作目の『ドリームクラブ』と世界観を同じくした、完全新作の物語。基本的なシステムはほとんど変わりませんが、前作から数年を経て「5号店」という立ち位置になっています。
そんな本作を実際にプレイしながら、思い出を振り返ります。
◆10年振りに『ドリームクラブGogo.』店へ!
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さっそく、ゲーム開始と同様にふらっと吸い寄せられるように『ドリームクラブGogo.』店へ。無事にピュアな心の持ち主として認められたので、会員となれました。さっそく10名のホストガールから1人を指名します。
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筆者は見た目をしっかり吟味して、好みのタイプを選ぶ紳士です。今も昔も変わらず清楚でクール系の女性に惹かれるので、当時も最初に攻略した「雅」さんを10年ぶりに指名します。
扉を開けると、指名した女の子が専用の衣装でお出迎え。丁寧な挨拶をしてもらい、席でメール交換します。今時だとLINEやX(旧Twitter)などでやりとりをするところだと思いますが、“メール”でやりとりするところに時代を感じさせます。
メール交換を終え、お酒を注文して「カンパイ!」。
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さて、いよいよお酒を飲みながらの会話となるのですが、ここで出てくるのが本作の大きな特徴である「インタラクティブ飲酒システム(IIS)」。スティックを傾けることでお酒が飲めるというユニークなシステムで、これを駆使して女の子を雰囲気良く酔わせてプライベートな話題を誘う「エモーショナルトークシステム(ETS)」に発展させるのが、攻略の重要なポイントとなります。
ただし主人公のレベルが低いとすぐに酩酊状態となり、強制的に終了となります。また、女の子が飲み過ぎて終了となることも。相手の状態や好みを見極めつつ、どの程度まで飲めば良いか、考えを巡らせながらスティックを傾けていたことが印象に残っています。
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指名した雅さんは、大和撫子を目指して女らしさを磨いているとのこと。ETS状態にしたいので店で一番強いカクテル「ドリームカクテルヘル」を注文します。
ほどなくしてほろ酔い状態となり、酔う前の丁寧な言葉使いと打って変わってワイルドな口調へと変化する雅さん。彼女だけでなく、どの女の子も素面の時と酔った時による変化のギャップが本作の大きな魅力です。
その日は紳士な会話を楽しみつつ、雅さんが飲み過ぎて終了しました。お会計は29,300円。綺麗で可愛い女の子とお酒を飲んで会話できるなら安い?ものです。
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夢のような楽しいひと時を終え、帰宅。すると雅さんから、お店での会話を踏まえた内容のメールがきます。お店外での女の子との交流も仲を深める上で重要となります。
◆もちろん、他の女の子も指名できちゃう
帰宅し、改めて主人公の部屋を見回してみると、ポスターや抱き枕にフィギュア、そしてカーテンや絨毯の色と何から何まで「ノコ」という女の子で溢れていることに気付き、少しニヤついてしまいました。
彼女も本作のドリームクラブ5号店で働いているホストガールの一人。非常に面白い女の子だったと記憶しており、次はノコさんに会いたくなりました。
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平日はひたすらバイトをして資金を貯め、いよいよ迎えた週末。2回目の来店で予定通りノコさんを指名します。ここで注目したいのが衣装の違い!ホストガールは皆、基本的なデザインは同じですが、雅さんは黒タイツだったのに対して、ノコさんは黒とピンクのボーダー柄ロングソックスというチョイス。絶対領域が映えてます。この通り、制服は女の子毎に微妙に違っているのも注目ポイントの一つです。
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ノコさんは「マンガとアニメとゲームと音楽とファッションが好きなどこにでもいる女の子」ということですが、最初は遠慮気味な挨拶。それでもお酒が進んで酔いが回ってくると、重度のオタクっぷりが顔をのぞかせます。仲良くなるとやりとりが非常に面白くなるので、是非とも指名して欲しいオススメの女の子です。
また、このお店にはおつまみメニューがあり、一部メニューを注文するとミニゲームがはじまります。今回はオムライスを注文して、ケチャップで絵を指定された絵を描くゲーム「オムライスラブ」をプレイ。意外に操作が難しく素面でもフラフラしながら完成させましたが、出来が悪かったのか怒られました。
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そして、本作の目玉といっても過言ではないのが「カラオケ」。ホストガールと親密になると、専用のステージ上で歌と踊りを披露してくれます。
彼女たちにとっては歌うこともお仕事なので、ほろ酔い状態でもステージに立ってくれます。その時はより、女の子の個性が爆発するためぜひ何度も通って、その様子を楽しみたいところ。
ノコさんには、持ち歌である「O-share is Noko-ism!」を歌ってもらいました。その際、「あたしの歌を聴けー!!」と叫ぶ彼女を見て、本作の発売当時に流行っていた某アニメを思い出し、ここが10年前の世界なのだと改めて懐かしい気持ちになりました。
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なお本作はお店だけじゃなく、デートに誘ってお店の外で会うこともできます。季節や女の子の好み、ストーリーの進行によって、場所はさまざま。私服姿が見れるのは新鮮ですし、女の子がロデオマシーンに乗ってくれたり、海で日焼け止めを塗るよう頼まれたりと、色々なイベントが起こります。こうした店外での会話は、お店とはまた別の楽しみがあります。
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そのほかお店では、さまざま衣装を楽しめるイベント「コスプレデー」が開催されることも。バニー服や体操服といった定番はもちろん、夏はデート時とは異なる水着、冬はサンタ服など、色々な衣装で会話やカラオケステージを楽しめるのも魅力的でした。今回ピックアップした雅とノコ以外にも国際スパイ(自称)、宇宙警察(自称)など濃いキャラクターがいっぱいいるので、未経験の方はぜひともプレイしてもらいたいです。
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『ドリームクラブGogo.』発売は、今から10年前のこと。ゲームシステムや当時の流行りを取り入れた会話に若干の古さはあるものの、キャラクターの個性とストーリーがとにかくぶっ飛んでいるので、現代でも問題なく楽しめるかと思います。特に“酔った女の子が歌ってくれるカラオケ”といった要素は唯一無二であり、現代でもそのユニークさはピカイチです。
『ドリームクラブ』シリーズは、本作が現時点でシリーズ最終作であり、この10年間に大きな動きはありません。さらに当時はサブスクがそこまで充実しておらず、シリーズの楽曲にも触れにくい状況が続いています。新たな店舗での本編新作はもちろん、過去作の現代風リメイクや楽曲サブスクの追加など、なにかしらの展開を期待したいところです。
今回紹介した『ドリームクラブGogo.』や、その他『ドリームクラブ』シリーズはPlayStation Puls クラシックスカタログで遊ぶことができるので、ぜひプレイしてみてください。
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