ただの通行人なのに美女揃い!『ゼンゼロ』の“モブ”に見惚れ、捗る「人間観察」と「妄想力」

ただの賑やかし……そう思われがちなモブも作り込み、想像の翼を広げてくれる『ゼンゼロ』。見落とされがちな魅力の一端に、想像を交えつつ迫ります。

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ただの通行人なのに美女揃い!『ゼンゼロ』の“モブ”に見惚れ、捗る「人間観察」と「妄想力」
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■悩む側と受け止める側……先輩と後輩らしき関係も良き!

六分街を歩く人々の中には、ファッションセンスの高い人もちらほら見かけます。そうした影響からか、ファッションに悩む女子生徒もおり、年上らしき女性に相談を持ち掛けている姿も見かけます。

自分に合ったファッションが分からないと悩む女子生徒に対し、目の前の女性は「可愛いと思うスタイルを真似したらいいよ」と返答。始めは真似から始めるのも、ファッションの王道です。それだけ的確な答えがすっと出てくるあたり、上級生か卒業した先輩か。いずれにせよ、頼もしい相手です。

しかし女子生徒は、「ボンプが一番可愛いと思ってる場合も……?」と答え、彼女の悩みはさらに難しさを増していきます。ボンプは確かに、可愛くてキュートです。しかし、自分が身に着けるファッションにボンプの要素を取り入れるのは、かなり至難の技でしょう。

「そういう意味じゃなくて」と言わずにグッと堪えているのかな……と、関係性だけでなく先輩(仮)の心情まで勝手に想像したくなります。と同時に、こんな後輩だったら卒業後も気になってしまうよな……と、“私服女性+女子生徒”の組み合わせに“OGと後輩”という関係性を勝手に当てはめ、妙に納得しつつその場を離れました。

■ぶっきらぼうな優しさ? 成人男女の気取らない距離感

人々が行き交うのは、大通りだけではありません。ちょっと路地裏に目を向けると、そこにも様々な人間関係が交錯しています。例えば、ホロウ災害をきっかけに不安を感じる女性と、受け答えする男性の姿が目を引きました。

主人公やエージェントたちが明るく生き生きとしているため、うっかり忘れがちですが、「ホロウ」の影響で世界全体には終末感が蔓延しています。新エリー都も決して例外ではなく、この女性が近頃不穏になっていると感じるのも無理のない話です。

しかし男性は、「ここは昔からおっかなかっただろ?」と、励ましとも取れるような指摘を告げます。すると女性も「言われてみればそうだね」と、考えを改めました。

どちらもスーツ姿で、顔立ちも落ち着いており、成人しているように思えます。会話や態度に色気はありませんが、やりとりは自然で硬さがなく、円熟した関係性すら感じられます。付き合いの長い恋人同士か、信頼すべき仕事上のパートナーか。どちらにせよ、その関係性からさらに妄想が広がりそうです。

■色気も遠慮もない関係が味わい深い……!

一方、素晴らしいアイデアを盗まれたのかと危惧する男性と、率直な意見を述べる女性の間には、遠慮のない距離感を漂わせつつも、毅然とした関係性が漂っています。

男性曰く、自分が思いついたアイデアを友人の作家に伝え、「このアイデアを小説にしたら、分け前は五分五分でいいと提案した」ものの、それ以来返事がないとのこと。そのため、盗用されるのでは……と切り出したところ、女性は「自意識過剰だなあ、普通にブロックされたんじゃないの?」と一刀両断しました。

個人的にも彼女の意見に一票を投じますが、それにしても遠慮のない一言は切れ味抜群です。「不安を語る相手への返答」「相手の見解に別の視点で応える」という意味では、前述の男女と共通していますが、対応の温度はほぼ真逆です。

客観的に評価されたわけでもないアイデアに無根拠な自信を持ち、あまつさえ友達の人間性を貶める発想は、褒められたものではありません。しかし、それを真っ向から指摘するのは、かなり労力が必要です。知り合い程度の関係なら、適当に話を合わせつつ距離を置く、というのがセオリーでしょう。

そのため、容赦なく現実を突きつけつつも、その労力を厭わないというあたりから、かなり親しい間柄ではと推測します。恋人同士なら付き合いがかなり長そうですし、姉と弟という線も十分あり得そう。この姐さんなら、彼の性根をしっかりと叩き直してくれそうです。



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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