■仲間たちの命名も、オリジナルから既存のキャラまで千差万別
パーティに加える仲間たちの名前も自由に入力できるため、こちらにも様々な回答が寄せられました。ただし「勇者」の場合と異なり、自分の名前を入力した人はほとんどいません。“自分”を投影する対象として、“仲間の誰か”を選ぶ人はかなり少ないようです。
仲間の命名で比較的多かったのは、「勇者」の場合と同様、自分ならではのネーミングでつけたという回答でした。「思い浮かんだから」といった閃き型から、「『FF11』で作ったキャラの名前」、「TRPGで作成したキャラ」、「自分が書いているネット小説の登場人物」など、こちらも広がり方が多彩です。

花の名前モチーフで「勇者」を命名したと答えた人は、仲間についても花の名前で統一しており、「ぼたん(牡丹)」「ワルドゥ(アラビア語の「薔薇」)」「デルフィ(デルフィニウム)」といった仲間と共に旅立ったとのこと。また、楽器モチーフで「フィドル」「エスクラ」「ユーフォ」と名付けた人もいました。
さらに、ここでも『ドラクエ』関連作から持ってくる人も多く、『ドラクエ4~6』から「シンシア、マリア、ターニア」と命名した人、アニメ「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説」から「モコモコ、ドドンガ、アドニス」を持ってきた人、漫画「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」のアレル一行から「フルカス、フォン、カダル」と命名した人などが相次いでいます。
『ドラクエ』以外の作品から引っ張ってくるパターンも健在で、他のゲーム作品や漫画、アニメなど、対象はまさに星の数ほどあります。当時、一世を風靡した「北斗の拳」をモチーフにした人も複数いましたが、勇者「ケンシロウ」と「ラオウ、トキ、ジャギ」の北斗四兄弟で旅に出た人もいれば、勇者だけ自分の名前にし、「ケンシロウ、トキ、ラオウ」を仲間にしたという人も。モチーフが同じでも、プレイヤー次第で扱いも変わってきます。
そして、実在する有名な名前を仲間たちにもつける人が一定数いました。家族の名前を入力した人、「親友、片思いの女の子、その友人」でパーティを組んだ人、飼っている猫たちの名前をつけた人などがおり、方向性はそれぞれ違うものの、冒険にいっそうの気合が入りそうです。
周囲にいる人物だけでなく、「ふくきたる、はやひで、てぃこてぃこ」と競走馬から引用したり、日本書紀から「アメノウズメ、アマテラス、ククリヒメ」と名付けたり、大谷選手繋がりで「ベッツ、フリーマン、デコピン」をチョイスするなど、「勇者」の命名に合わせて統一する傾向はこちらでも見られました。

オリジナル、『ドラクエ』関連、他の作品から、実在する名前から引用と、大まかなパターンにこそ分かれるものの、そこから先はまさしく千差万別。同系のパターンでも、出てくる名前は全く異なる場合が多く、その違いがプレイヤーの個性となって浮かび上がります。
物語の主人公、そして長く一緒にいる仲間たち。命名にも強い思い入れやこだわりが生まれるのも当然と言えるでしょう。その冒険が、素晴らしいものになりますように!