残りの年始休みが吹き飛ぶ!? 時間泥棒だけど見逃せない“2024年の話題作”3選─冒険感溢れるARPG、アトラス渾身の意欲作、名作の3Dリメイクも

2025年の期待作が出る前に、時間が溶けてしまうほど面白い2024年の話題作を遊んでみませんか?

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残りの年始休みが吹き飛ぶ!? 時間泥棒だけど見逃せない“2024年の話題作”3選─冒険感溢れるARPG、アトラス渾身の意欲作、名作の3Dリメイクも
残りの年始休みが吹き飛ぶ!? 時間泥棒だけど見逃せない“2024年の話題作”3選─冒険感溢れるARPG、アトラス渾身の意欲作、名作の3Dリメイクも 全 24 枚 拡大写真

■『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』:スイッチ/PS5/PS4/PC

◆『ロマサガ2』の魅力を受け継いだ『リベンジオブザセブン』

ここまで取り上げた2作品は完全新作でしたが、最後に紹介する『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は3D化によるフルリメイク作品です。1993年にリリースされたスーパーファミコンソフト『ロマンシング サガ2』が、移植やリマスターを経て、2024年に初のフルリメイクを迎えました。

まずは、『ロマンシング サガ2』から受け継いだ『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』の特徴について迫ります。まず中心的な特徴といえば、「ゲーム開始からクリアまで主人公が一環しておらず、代々受け継がれていく」という点でしょう。

本作の主人公は、バレンヌ帝国の皇帝。この帝国の版図を広げつつ、強敵との戦いに挑むのがおおまかな流れになります。その偉業はとても1代では達成できず、長い年月をかけて何代もの皇帝たちが挑むことで、ようやく手が届くという壮大な目標です。

そして帝国領の広げ方は、決して画一的ではありません。他の国を、いつ、どのタイミングで領土にするのか。また、強硬な立場で挑むのか、歩み寄りの姿勢を見せるのか。皇帝であるプレイヤーの判断次第で、経過や結果が大きく変わっていきます。

選択を誤れば、仲間にできないクラスがあったり、帝国の収入が減ったりと、良くない結果を招くことも。取り返しがつかない選択もありますが、重要な判断を下すのも皇帝だからこその醍醐味。選択を誤っても、いわゆる“詰み”はないので、その点はお安心ください。

「フリーシナリオ」とも呼ばれる自由度の高さと、決断によって変化する結末。その双方が相まって、同じゲームを遊んでも描かれる「帝国史」は千差万別。物語を通して、自分だけの歴史を刻むことができる作品なのです。

◆戦闘も特徴的な『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』

『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』はターン制のRPGですが、一般的な作品とは異なる部分も少なくありません。

パーティのメンバーは、HPとは別にLP(ライフポイント)が設定されています。HPが尽きても復活できますが、そのたびにLPが1減少し、LPが0になると復活不可能……つまり、正真正銘の死亡です。

これは皇帝も同じ条件で、皇帝のLPが0になると皇位継承が行われ、次代の皇帝が主人公になります。普通のRPGだと「HPが0になっても、復活させればいい」と思いがちですが、本作の場合は致命的な事態が待っているため、戦闘の緊張感が一味違います。

またキャラクター自身にレベルはなく、戦闘中に行った行動に応じて武器や魔法のレベルが個々に上がり、ステータスがアップします。そして新たな技や術は、戦闘中に“閃き”が発生すると取得。取得した技と術は登録され、次世代へと受け継がれていくのも醍醐味のひとつです。

このほかにも、フォーメーションで効果が変わる「陣形」や、戦闘の回数に応じて敵が段階的に強くなるシステム、多種多彩な武具、世代を経て強くなる育成など、RPGとして非常に個性に富んでいる点も本作の見逃せない魅力です。

◆新規もファンも嬉しい、追加&独自要素

ここまでは『ロマンシング サガ2』と共通する部分ですが、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』で大きく変わった点や追加要素なども存在します。

ファンはもちろん、初見のプレイヤーにとっても大きな影響を及ぼすのが、新たに追加された「七英雄の記憶」です。かつてこの世界を救った七英雄は、しかし今では大いなる脅威となってこの世界に影響を及ぼしています。

果たして彼らに何があったのか。英雄と呼ばれるようになった戦いの裏側で何が起こっていたのか。その背景が語られる「七英雄の記憶」は、『ロマンシング サガ2』への理解度を高めてくれる、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』ならではの要素です。

また、キャラクターが3D化し、イベントがフルボイスになったことで、イベントシーンの表現がより豊かになりました。感情の揺らぎやちょっとした仕草から、出来事の重みや心情が伝わりやすくなったのも、リメイクの恩恵と言えます。

加えて、3D化の影響でダンジョン(平原なども含む)も立体的な構造になりました。その高低差を活かし、モンスターとの戦いが回避しやすくなったため、移動中のプレイ感も変化しています。特に本作は、戦闘回数によってモンスターが段階的に強くなっていくので、戦い過ぎないよう調整するためにも、3D化による避けやすさは恩恵といっていいでしょう。

このほかにも、“閃き”の可能性があるとアイコンがついたり、モンスターの弱点が可視化されて戦いやすくなったりと、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』ではプレイの快適度も大きく上がりました。

従来の魅力を忠実に受け継ぎつつ、「七英雄の記憶」の追加や表現の豊かさ、探索し甲斐のあるダンジョンと、進化の数々も申し分ない『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』。新規の人はもちろん、ファンにとっても刺激的な作品です。


ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン -Switch
¥5,573
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン-PS5
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

2025年もゲーム業界を賑わす話題作が数多く登場しますが、実際のリリースまではまだ少し時間があります。年始の休みどころか、1月中の休日も時間が溶けてしまいそうなこの3作品を楽しみつつ、新たな期待作の登場を待ちましょう。

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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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