“昭和100年”に復活する「あの作品、この名作」─日本のRPG知名度に貢献、懲役100万年のディストピアTPS、『軌跡』シリーズの原点

懐かしのタイトルが、この「昭和100年」に蘇ります!

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“昭和100年”に復活する「あの作品、この名作」─日本のRPG知名度に貢献、懲役100万年のディストピアTPS、『軌跡』シリーズの原点
“昭和100年”に復活する「あの作品、この名作」─日本のRPG知名度に貢献、懲役100万年のディストピアTPS、『軌跡』シリーズの原点 全 10 枚 拡大写真

■『FREEDOM WARS Remastered』

今回取り上げるタイトルの中では最も近い2014年に発売された『FREEDOM WARS』が、現行機向けのリマスター版『FREEDOM WARS Remastered』として、1月9日に復活しました。ただし、近いといってもざっと10年前の作品なので、10代のゲームファンならほとんどの人が初耳かもしれません。

『FREEDOM WARS』はPlayStation Vita向けのアクションゲームで、いわゆるTPSにあたります。そしてこの作品がまず注目を集めたのは、過酷過ぎる世界設定でした。遠い未来の地球では資源がひどく枯渇し、生き延びている人類は各都市に身を寄せ、都市間で資源を奪い合う戦いを繰り広げていました。

資源が限りなく貴重な世界なので、資源を消費する人間(一部を除き)は罪人と考えられており、生まれた瞬間から「懲役100万年」の刑を負う「咎人」の烙印を押されてしまいます。そして咎人は、懲役を減らすためのボランティア──都市国家同士や巨大な生体兵器との戦い──に身を投じる、というのが『FREEDOM WARS』の背景です。

人権なき存在として扱われながら、「生まれた」という罪を贖うため、命を落とす危険のある戦いに挑む。理不尽の極みともいえるディストピアな設定は、『FREEDOM WARS』への興味を大きくかき立て、期待を関心を集めることに成功します。

また『FREEDOM WARS』のバトルは、伸縮するムチのような「荊(イバラ)」を使ったアクションも特徴的でした。その伸縮性を活かして高速移動したり、高台に打ち込んで立体的な起動を可能にしたりと、移動だけでもその幅が一気に広がります。

また、生体兵器「アブダクター」の身体に取り付いたり、引き倒して一定時間行動不能にするなど、バトルの様々な局面で戦略的に使える「荊」は、本作のゲームシステムを象徴する一因となりました。

ただし、『FREEDOM WARS』の全てが完璧で好評だった、とは残念ながら言いきれません。「荊」を含めて出来ることが多かったため、思い通りに動かすのは難しく、操作タイプが複数用意されたほど。また、難易度調整の甘さや物語の描写不足などがあり、意欲的ながら惜しい点が多い作品という評価も少なくありません。

そのため、復活(+改善)を望むユーザーも多いものの、難しいだろうと見る向きもあった作品ですが、『FREEDOM WARS Remastered』として現行機向けに再登場。今現在の標準的なコントローラーはPS Vitaよりもボタン数が多く、しかも操作カスタム機能も追加されるため、操作系の問題は大きく改善されることでしょう。

加えて、当然グラフィックもパワーアップしますし、フレームレートの向上で滑らかなアクションが楽しめます。ストーリーについてはオリジナル版と同様ですが、「荊」を活用したバトルがブラッシュアップされて帰ってくるのは嬉しい限り。反響次第では、更なる展開もあり得るかもしれません。



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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