2025年7月11日、個人の手でハード修理・分解を行う人々に手順や情報を提供する海外YouTubeチャンネルiFixitは「ニンテンドースイッチ2 Proコントローラー」を分解する映像を公開しました。


「スイッチ2 Proコントローラー」の表面のフェイスプレートは、強力な接着剤にて取り付けられているようです。投稿者はまず剥離剤を塗り、ピックを使ってフェイスプレートを取り外していきます。

フェイスプレートを取ると、表面にネジが現れたのでドライバーを用いて外します。

グリップ部分のパーツはネジ止めを外しても楔状のパーツ形状で固定されているため、別途ピックのようなもので外さなければなりません。投稿者は思わず「どうしてネジ止めだけの構造にしていないのだろう?」と疑念を呈しました。

ここまで来て、ようやくコントローラーの基板と対面できた投稿者。
まずはアナログスティックのカバーを外そうとしますが、「取り外しにはかなりの力が必要」「この辺りで大抵のユーザーは自力の修理を諦め、新しいコントローラーを買うことを検討するのではないだろうか?」と述べています。

引き続き、基板のネジ止めを外していきます。

この辺りで、コントローラー上部のプレートが外れます。

そのプレートの下にも見えにくい位置、しかも目立たない黒色のネジが配置されています。

これらをすべて外して、コントローラーの心臓部を取り出すことができました。

裏面にはリチウムバッテリーがあり、この段階でようやくバッテリーを外すことができるようになっています。

続いて、アナログスティックの根幹部分まで分解していきます。

初代スイッチのProコントローラーではんだ付けされていたスティックに比べると、取り外しが楽になっているのだそう。

長い手順を経て、アナログスティックの基板部分までの分解が完了。ただここで出てきたのはアナログスティックがドリフト現象を引き起こしやすい、ポテンショメータスティック。

そのうえ、ここまでの分解により、アナログスティックの基板構造はスイッチ2のJoy-Con 2と酷似していることがわかります。今回もプロコン・ジョイコンともにドリフト現象からは逃れられないようです。

それ以外にも、グリップ部に埋め込まれている「HD振動モジュール」が取り出しにくい点も自力での修理にはハードルになるようです。
実は…
実はこの映像自体は「酷評」とも呼べる勢いでスイッチ2のプロコンの構造を批判したもの。
「プロ」と名付けるからには長年の使用を想定したコントローラーだと思われるが、消耗品であるバッテリーの交換が困難である。
ドリフトしにくいアナログスティックが世の中には多数開発されているにもかかわらず、ドリフトしやすい「ポテンショメータースティック」を使用している。
ドリフトしにくいアナログスティックを採用した「プロ」コントローラーも、「スイッチ2 Proコントローラー」の半額近い価格で購入できる。多数の会社からそういったコントローラーが出ており、任天堂製にこだわる理由は一切ない。
我々はこれらの問題を解決することができるので、任天堂さんは是非とも相談してほしい。
動画のサムネイルを見る限り、実際の電子機器の分解・修理の専門家から見ると、今回の「スイッチ2 Proコントローラー」に「プロ」が冠されているのは我慢がならないものだったのかもしれません。しかしながら、その論点は「修理を自身で行う人々」の目から見たもの。任天堂をはじめ、ほとんどのメーカーが自力での修理を推奨しておらず、修理を行うことを権利として認識していない日本のゲーマーからは過激にもみえそうです。
一方で、ずっとスイッチユーザーを悩ませてきたドリフト問題について、スイッチ2の純正プロコンでも発生しうる可能性が高いということなので、プロコンを酷使する予定があるならば、今回も予備を用意しておくとよいかもしれません。