■不誠実な対応にも、怒りに駆られない落ち着きぶり

勝ち気でワガママなのは確かにマリベルの一面ですが、そこだけで彼女を語るのは早すぎます。感情は豊かですがそれだけで語ることはなく、しっかりとした判断や鋭い洞察、そして細やかな気遣いを見せることも少なくありません。
例えば、主人公(ひいてはプレイヤー)に次の行動を促すべく話したのに、まるで聞いていないような反応を示した際には、「さっそく話を聞いてないとはいい度胸じゃない」と言いつつも、「もう一度言うわよ?」と、改めて話を繰り返してくれました。

自分の話をロクに聞いていない相手には、怒りを感じてもおかしくありません。しかしマリベルは「いい度胸」と釘を刺しつつも、怒りをそのままぶつけることはせず、改めて説明に戻ります。ひと手間戻ることも惜しまず、話をしっかりと進めようとするマリベル。その落ち着いた判断力にも頭が下がります。
■少年の心に寄り添い、足りないものをそっと足す

『ドラクエVII R』の体験版では、とある村に襲い掛かった窮地に主人公たちが関わります。村の問題なので、村人たちにも助力を乞おうと提案された際、村の子どもであるパトリックは、「村の人たちが助けにきてくれるとは 僕にはとても思えないよ」とこぼしました。
かつて同じようなことがあった時、村人たちは加勢に行くと言いつつも、臆病風に吹かれて約束を破りました。その結果、孤軍奮闘した若者は難敵を倒すものの、相打ちで命を落としてしまいます。

その出来事が繰り返されるだけだと、村人たちを信じられないパトリックに向かって、主人公は木の人形を渡して励まします。また、キーファは「持っていると、勇気がわいてくる特別な人形だって言ってたぜ」と、主人公の意図を汲み取り、分かりやすく伝えてくれました。
この時、マリベルも一言だけ口を挟みます。「今のあんたには いちばん必要なものかもね」と。

かつての村人に勇気が欠けていたのは事実です。しかし、説得もせずに決めつけてしまうパトリック自身も、信じる勇気が足りなかったのかもしれません。それを、責めるでなく諭すでなく、支えるような言葉を選んだマリベルの思いやりに、なかなかの深みが感じられます。
■「少し」に「ぜんぶ」と即答


また、墓に草を備えようとしている戦士(マチルダ)から「この草は、花の代わりです」と告げられた時には、「あ! そうだ! 花ならあるわよ!」「……って タネだけどね」とマリベルは即答します。
たまたま持っていたといえ、この時点では見ず知らずのマチルダに対して、自分が持っているタネを即座に提案できる彼女の振る舞いは、思いやりや優しさ以外の何者でもないでしょう。

その好意を察したマチルダは、「もしよろしければ、そのタネを少し わけていただけませんか」と申し出ます。

するとマリベルは、「もちろん! ぜんぶあげるわよ!」と即答。少しでもいいのに、全部あげると躊躇なく言える気風の良さに、彼女の人となりが見えます。マリベルの威勢の良さは、ワガママだけでなく優しさにも宿っているのでしょう。
■叩き起こす無礼な主人公に、まさかの神対応!?

今回最後に紹介するのは、マリベルの寝起きシーン。人によっては、どれだけ優しく起こされても、眠りから覚めると不機嫌になるもの。冒険を終えた後の睡眠ともなれば、起こされた時の不快さは相当なものでしょう。

初めての冒険を終えて寝ているマリベルのもとへ訪れた主人公。そこで彼女を起こそうとすると、「たたき起こしますか?」という選択を突きつけられます。
疲れた身体を休めている最中に、あろうことか叩き起こされたら、誰であっても怒り心頭のはず。マリベルの性格を考えれば、どうなるのか想像に難くありません。それが分かっていながらも……「たたき起こす」という選択を採った時、果たしてどうなってしまうのか。


無粋な行為のせいで目覚めたマリベルは、「せっかく人が気持ちよく寝てるのに……」と、やはりご不満な様子。しかし、目の前に主人公がいると気づいた彼女は、「で いったいどうしたわけ?」と、感情よりも状況判断を重視します。

さらには、「こんなこと してる場合じゃなかったんだっ!」と何かを思い出し、慌てて起床するマリベル。しかも、叩き起こした張本人(=主人公)に向かって、「起こしてくれて ありがとね! じゃあっ!」と、感謝の意まで示しました。

乱暴に起こされたのに、怒るどころかしっかり現状を把握し、お礼まで述べたマリベル。寝起きでも、物事の芯を把握する洞察力の高さに揺らぎはありません。
ちなみに、起きたマリベルが向かった先は、キーファと主人公が落ち合おうとしていた小さな洞窟。次の冒険にも乗り遅れないよう、急いで駆けつけた模様です。

あの時は「遊んでくれてありがと。つまらなかったわ。じゃあね」などと言い放ったものの、主人公とキーファの新たな冒険にもぜひとも加わりたかったマリベル。口にこそしないものの、その想いは行動から十分に察せます。

少しパンチは強めながら、気遣いや優しさも持ち合わせる。そんな素敵なレディの魅力は、体験版だけでもしっかりと味わえます。製品版では、この何倍もの魅力をたっぷりと味わわせてくれることでしょう。発売日の2月5日をお楽しみに!



