
ユービーアイソフトは2026年2月16日、『レインボーシックス シージ』イヤー11シーズン1「Operation Silent Hunt」にて、「METAL GEAR SOLID(メタルギアソリッド)」シリーズの「ソリッド・スネーク」がオペレーターとして登場することを発表しました。他社作品のキャラクターがオペレーターとして登場するのは初めてのこと。「ソリッド・スネーク」は3月3日、イヤー11シーズン1にて実装予定です。
◆伝説の英雄が『シージ』に降臨―サム・フィッシャーとの「夢の共演」が実現
公開された映像では、「ソリッド・スネーク」と『スプリンターセル』シリーズの主人公である潜入の達人「サム・フィッシャー」と背中を預けて戦う様子が描かれました。
攻撃側オペレーターの「ソリッド・スネーク」が持つ固有ガジェットは、『メタルギアソリッド』シリーズお馴染みの「ソリトンレーダー」。構えることで周囲のレーダーが表示され、その範囲内に脅威(敵)がいるとアラート状態となり、精密モード(PC版ではF長押し)をすることで敵の位置と向いている方向が数秒わかるという代物です。サブガジェットはスタングレネードに加え、グレネードやインパクトEMP、ブリーチングチャージなど、複数から選択することが可能です。

武器はシリーズ経験者ならニヤリとするであろうアサルトライフル「F2」とDMR「PMR90A2」のほか、サイドアームには新武器「TACIT .45」を持ちます。また、スネークは敵味方からサブガジェットを拾うことも可能。拾う際には「メタルギアソリッド」シリーズと同様のSEが流れます。
本稿では、この発表にあわせてフランス・パリにて実施したインタビューの模様をお届けします。是角 有二氏(『メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター』クリエイティブプロデューサー/株式会社コナミデジタルエンタテインメント)、竹村 聖史氏(『メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター』CGアートディレクター/同上)に、今回のコラボレーションのきっかけや、「ソリッド・スネーク」をどのように『シージ』に落とし込んだのかを伺いました。
◆11年目を控える『シージ』からの熱烈オファー

――早速ですが、このコラボレーションはどのような経緯で生まれたのでしょうか。
是角:もともと弊社(KONAMI)とユービーアイソフト(以下、UBI)さんは、以前『アサシン クリード』でコラボさせていただいた縁がありました。先日発表した『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』に収録されている『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』や『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』でも当時のコラボ要素をそのまま継続させていただいているので、そのお礼も兼ねてUBIさんにお会いし、お話を伺ったんです。
その際に先方から「ぜひコラボさせてほしい」と依頼をいただきました。今回のコラボは『レインボーシックス シージ』(以下、『シージ』)の10周年という節目に近いこともあり、かなり力を入れたいと。他社IPとしては初めての「追加オペレーター」としてスネークを登場させたいという説明を受け、これは非常に面白そうだと思い、お引き受けしました。
――スネークが『シージ』に出演することが許されるんだ!と驚きました。
是角:これまでも別タイトルとのコラボレーションはありましたが、リアル寄りの世界観を持つゲームとのコラボレーションは、弊社としても新しい取り組みでした。
初期段階から「スネークというキャラだけでなく、武器やガジェット、アイテムもこういうものを作りたい」という提案を数多くいただきました。制作や監修にかなりの時間を要するので、しっかりとその時間を作れるだろうかと懸念していましたが、UBIさん側がしっかりとスケジュールを確保してくれていたため、制作と監修に十分な状態でプロジェクトをスタートさせることができました。

◆「ソリッド・スネーク」である理由と“あったかもしれない“設定
――スネークを登場させるにあたり、どのような設定を組んだのですか。
是角: コラボにおいて最も大切なのは「相手の世界観を崩さないこと」です。こちらとしては先方のアイデアを最大限尊重したいと考えています。
その上で、今回のスネークは「ソリッド・スネーク」をベースにしています。シリーズには「ネイキッド・スネーク」と「ソリッド・スネーク」という大きな二つの流れがありますが、時代設定を考えるとソリッドの方が馴染むだろうと初期段階で判断しました。
また、後ほど詳しくお話ししますが、サム・フィッシャー(※『スプリンターセル』シリーズの主人公。オペレーター「ゼロ」として『シージ』に登場する)と絡ませたいという先方の提案に興味を惹かれました。
――確かに。『シージ』に登場するモダンな装備の扱いは、ソリッドのほうが相応しいですね。
是角:また、スネークがレインボー部隊と活動を共にする理由として、こちらの中で“仮の設定”を設けています。
具体的には『METAL GEAR SOLID』と『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』の間、スネークがオタコンと共に「反メタルギア財団(フィランソロピー)」を設立して世界各地で活動していた時期、そこでの出来事という想定です。公式な正史とは断言しませんが、一つの「Ifの世界」として成立するようバックボーンを監修させていただきました。
――なるほど。世界各地での活動のひとつが、レインボー部隊との合流と聞くと、なんだか腑に落ちる設定に感じます。
◆『シージ』の世界に馴染む、徹底したモデル監修
――モデル制作についてはいかがでしょうか。
竹村: 今回のスネークに関しては、単なるゲストキャラではなく「『シージ』の世界に降り立ったスネーク」として監修しました。UBIさんから届いた初稿に対してフィードバックを返し、それを何度も繰り返して磨き上げていくという、非常にこだわった工程を経ています。その結果、『シージ』の他のオペレーターと並んでも違和感のない、高いクオリティに仕上がったと感じています。
――監修のポイントはどのようなところでしたか?
竹村: 単にリアルなモデルを作るだけでなく、シルエットを見ただけで「ソリッド・スネークだ」と分かるアイコニックな要素を重視しています。武器の構え方や走り方といったプレイ中のアクションはもちろん、オペレーター選択画面での細かな仕草、“背中の丸め方”まで細かく監修しています。

――『シージ』は競技性の高いゲームゆえにガジェットや視認性など制約も多いかと思います。苦労された点はありますか。
是角: ガジェットなど、『シージ』の根幹に係わることについて弊社がNGを出すべきではないと考えています。プレイヤーが違和感を抱かない形であれば、その世界観に合わせた表現で進めていただきました。
――ガジェット使用時の「CAUTION(警告)」表示など、細かな演出については?
是角: そういった演出面の多くはUBIさん側からの提案です。監修を通じて、制作チームの皆さんが本当に「メタルギア」シリーズを研究し、愛してくれていることが伝わってきましたね。


――実際にプレイしていても伝わってきます。モデルや設定のテキスト(略歴)など、UBIとの連携はどう進めたのですか。
是角: 略歴についても、基本的には先方の案がベースです。こちらがNGを出すというよりは、「もしこうしたいなら、こういう要素を入れるとユーザーがもっと喜びますよ」といったアイデアを追加する形で進めました。

◆サム・フィッシャーとの初共演

――同じ潜入のスペシャリスト「サム・フィッシャー」との関わりについては、ファンとしても「願ったり叶ったり」です。
是角: 一人のゲーマーとして、本当に楽しみな提案でした。両シリーズとも長い歴史がありますが、これまで直接的に絡むことはありませんでした。ただ、お互いの作品内で意識し合うようなセリフを、示し合わせたわけでもなく入れ合っていた不思議な関係性だったんです。
それが『シージ』という舞台で、初めて同じ画面上に並び立つ。非常にワクワクする瞬間だと思います。
――音声は英語のみとのことですが、スネーク役のデヴィッド・ヘイターさんが新録されたのでしょうか。
是角: はい、デヴィッド・ヘイターさんにご協力いただき、新規ボイスを収録しました。彼自身も非常にノリノリで収録に臨んでくれたと聞いています。
◆アニメーションに宿る“スネークらしさ”
――アイテムを拾う音や、敵に気付かれたときの「!」など、SE(効果音)も原作から引用されていますよね?
是角: はい。「ぜひ使わせてほしい」と依頼がありました。UBIさん側の開発チームの熱量をとにかく感じましたね。上がってくるものを見るのが毎回楽しみでした(笑)
――ゲームバランスや仕様については、どの程度関与されていますか。
是角: 仕様などの細かな点については、基本的には口出しをしていません。UBIさんのチームが、どうすれば『シージ』のユーザーに楽しんでもらえるかを一番よく理解していますからね。

――「デュアルフロント」ではメリルやサイボーグ忍者、オセロットの姿もありましたね。
是角:「デュアルフロント」ではスキンとして登場します。既存のオペレーターが「メタルギア」シリーズの姿で登場するという形ですね。
――最後に、コラボを楽しみにしているファン、そして『メタルギア』シリーズのファンへメッセージをお願いします。
是角: コラボレーションにおいて最も重要なのは、他社さんのタイトルにキャラクターをお預けした際、ユーザーに「面白い」と思っていただけるかどうかです。コラボを通じてIPを知っていただくメリットはもちろんありますが、そのためにはまず面白いものに仕上げなければいけません。
今回の『シージ』とのコラボは、『レインボーシックス』の世界観との親和性が高く、親和性が高く、かつ制作チームの皆さんが「メタルギア」シリーズを深く愛してくれています。出来上がったものを見て、本当に良いコラボになったと思っています。
対戦ゲームですから、ユーザーの皆さん同士で新しい物語や世界を作って楽しんでいただければ幸いです。

かつては別々の作品のなかで、名前を出さずともお互いの存在を意識し合っていたスネークとサム・フィッシャー。そんな二人が同じ画面に並び立ち、共に戦う日が来るとは(しかも『シージ』で)。
実際にプレイすると、かなり自然にスネークが『シージ』に落とし込まれています。筆者個人的には、敵を察知するソリトンレーダーの採用の仕方はかなり『シージ』らしさを感じます。そのうえ、スネークのマルチな能力としてサブガジェットの切り替え、アイテムのキャプチャ(ちなみにアイテムを拾うと「現地調達ボーナス」としてスコアがもらえる)など、かなり「らしさ」を取り入れている印象。そしてサイドアームとナイフの構え方、歩き方などはかなり『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』を彷彿とさせるクオリティでした。
フレンドと『シージ』をプレイしながら、「スネークが屋上にいる!」と報告するのはなかなか面白い体験です。3月3日の実装を楽しみに待ちましょう。
©Konami Digital Entertainment




