ゲームは楽しむためにある。それは日々ゲームをプレイする「ゲーマー」であれば当たり前のことです。その楽しみ方は様々で、なにを楽しいと思うかも人それぞれ。

しかし、そんな「楽しみ」の中にはあえて気分の悪くなる「悪趣味さ」を好むゲーマーも。今回は、そんな“悪趣味なゲーム”が好きでたまらない筆者の独断と偏見による「悪趣味ゲーム特集」をお送りします。
核心的なネタバレは避けますが、記事の性質上どうしてもネタバレせざるを得ないため、タイトルの横にネタバレ度を表記します。気になる方はスキップしてお読みください。また、少し残酷な表現や画像も登場します。
そもそも、「悪趣味さ」って何がいいの?
まず「悪趣味」とは何か。その定義からみていきましょう。
あく‐しゅみ【悪趣味】
[ 名詞 ] ( 形動 ) 品の悪い趣味や、そのような趣味を持っている状態。また、人のいやがることや道徳に反したことを平気でやること。また、そのさま。
出典 精選版 日本国語大辞典
要するに「品が悪く、人の嫌がることや道徳に反することを平気で行う、またそれを好む」ことを指します。こちらをゲームに当てはめると、「人や登場人物の嫌がることや道徳に反することを、プレイヤーに見せてくる、またやらせてくる」でしょうか。本記事では、そんな要素が含まれるゲームを「悪趣味ゲーム」と定義します。
普通なら嫌な気持ちにしかならない要素が一体何故好きなのか。それは、そこに制作者の創意工夫やこだわり、趣味嗜好がみられるからです。「どうやってプレイヤーを喜ばせるか」という試行錯誤と同じように「いかにプレイヤーを嫌な気持ちにさせるか」という悪意の中にも、制作者ごとの作家性や、ゲームプレイとストーリーを際立たせるための仕掛けや計算があります。
その演出や使い方に、「ここまでやるのか」具合。「悪趣味ゲーム」好きは、そんなフィクション特有の豊かな表現方法を楽しんでいるのです。

ここからは、「シナリオ部門」と「演出部門」「ゲームプレイ部門」にわけて、悪趣味ゲームを紹介していきます。
シナリオ部門
まずは、シナリオ面での悪趣味さが光る作品をご紹介します。
『シルバー事件25区』エンディング数は全部で◯◯個 ネタバレ度:中
『シルバー事件』の続編となる『シルバー事件25区』。本作は、グラスホッパー・マニファクチュア開発のテキストアドベンチャーゲームです。正直言うと、シナリオ、演出、ゲームプレイのどこを見ても悪趣味なのですが、今回取り上げるのはやはり須田剛一氏によるシナリオ[correctness]の最後、「black out」でしょう。

こちらのシナリオはリメイクにあたって追加されたもので、はたしてあの結末からいったいどんな話が見れるのだろうか……と緊張感を持ちながら読み進めていくと、突然コマンド選択画面が現れ「マルチエンディング」である事が明かされます。その数、なんと100個。

しかも「(エンディングを見ると)すべてのセーブデータが消えてしまいます」という大嘘つき。2回目からは選択画面から開始する機能など当然無く、どう考えても数を埋めるための適当なエンディングが何個も存在し、数個エンディングを見たところで「流石に付き合っていられない」とゲームを終了したプレイヤーも数多くいることでしょう。

ただ、この100エンディングのたちの悪い所は、100個のエンディングをコンプリートした先に見られる景色があり、それが『シルバー事件』を愛するプレイヤーにとって素晴らしいものである所です。筆者はそれを見るために8時間費やしましたが、全く後悔はしていません。人にやれとは、口が裂けても言えませんが……。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』蘇りの秘術を求める理由は……? ネタバレ度:中
昭和後期を舞台に、呪いの力を得た9人の男女が「本所七不思議」の伝説《蘇りの秘術》を巡って呪い合う、スクウェア・エニックスより発売されたホラーミステリーアドベンチャー。
「呪詛珠(じゅそだま)」という呪いの力を得た「呪主(かしりぬし)」は、条件を満たした相手を「呪殺」する事ができ、実際に呪主のキャラクターを操作する際に相手が条件を踏んでいると画面左上に「呪詛行使」というボタンが登場します。「押したら殺せるのか……いや、でも……」と躊躇しながらもニヤニヤが止まらない、悪趣味好きプレイヤーの心を非常にくすぐるゲームです。

今回紹介するのは筆者が大好きなバッドエンディング「灯野あやめの本懐」。呪主たちは誰かを蘇らせるために争うのですが、その呪主のひとり「灯野あやめ」が蘇らせたい人物と理由には驚愕。なんと彼女は「葛飾北斎」を現代に蘇らせたいと本気で思っており、そのために他人の命を犠牲にすることも厭わないのです。


彼女の持つ呪詛珠の条件を踏むと見られるこちらのエンディングの振り切れ方には“凄まじさ”があります。蘇りの秘術は、死後の経過時間によって必要な人間の魂の数が違うのですが、江戸時代の人物である葛飾北斎を蘇らせるには大量の魂が必要に。そこで彼女は別の人物から奪った呪詛珠を使うのですが、その呪詛珠の条件が「その時点の顔・住所・氏名・年齢・職業・所在地のすべてを知る相手の手足を切断して失血死させる」。

しかし彼女の身の回りの人間では足りず、各所から名簿や電話帳を手に入れ片っ端から呪いで殺していき、突然手足をもがれて死ぬ、という怪奇現象が全国各地で発生。そして怪奇現象が治まってきたある時、現代に彗星の如く現れた天才浮世絵女性画家が話題になるのだった――。という世にも恐ろしいエンディングです。
やると決めたら徹底的にやる。自らの目的のためならば、と罪悪感もさほど感じていなさそうな彼女の姿には、ここまで来るともはや清々しい気持ちさえ湧いてきます。
『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』悪趣味展覧会 ネタバレ度:低
サウンドノベルの名作『かまいたちの夜』の続編であり、最大の問題作とも言われる本作。本編をプレイする分にはさほどその“問題作”ぶりは感じられません。ですが、ひとたびサブシナリオの世界に足を踏み入れると、その印象は一変します。

ミステリ、ホラー、オカルト、シュールなギャグ、そして陰惨な暴力描写にメタフィクション等、あらゆる不快さと奇妙さが押し寄せるサブシナリオこそが本作の真のメインシナリオなのです。
特に「底蟲村篇」「惨殺篇」「妄想篇」は本作の悪趣味さを象徴するシナリオ。「底蟲村篇」と「惨殺篇」にいたっては、タイトルを目にしただけでもう嫌な予感しかしません。


「とにかくプレイヤーを嫌な気持ちにさせよう」というサービス精神凄まじく、正規のエンディングでさえ救いのないもののがほとんど。しかし、その数々の理不尽なエンディングの中には、どうしようもなく惹きつけられてしまう魅力があり、一度それに毒されてしまったが最後、『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』が愛しくて仕方がなくなるのです。

これほどまでやる気に満ち溢れた悪趣味さを味わえるゲームはなかなかありません。現在移植されている『かまいたちの夜×3』には本編のシナリオしか収録されていないため、これらのサブシナリオたちが遊べないのが残念でなりません。気になっている方は、ぜひオリジナル版でこの「悪趣味の展覧会」ともいえる本作を遊んでみてください。
ちなみに、本作のシナリオを担当した我孫子武丸氏、田中啓文氏、牧野修氏が執筆した連作短編集「三人のゴーストハンター 国枝特殊警備ファイル」は、「実質かまいたちの夜2」と言っても過言ではないほど、本作の雰囲気をしっかりと感じ取ることができます。オリジナル版のプレイが難しい方は、まずはこちらの小説を手に取ってみては。

『ボーダーランズ2』サブクエストが醍醐味 ネタバレ度:低
「Vault(ヴォルト)」という伝説の場所に眠るお宝を求め、企業や「Vaultハンター」達が惑星「Pandora(パンドラ)」で暴れ回るルーターシューターRPG。いくつもの銃とお宝に、ワクワクするようなSF設定、ネジがぶっ飛んだハイテンションなキャラクター達と“ヒャッハー!”な本作は、シリーズを通して暴力とシュールな悪趣味ギャグに溢れています。

なかでも『ボーダーランズ2』はそのバランスが素晴らしく、Pandoraは筆者のもうひとつの故郷とも言える程好きなタイトルです。メインストーリーでも本作のメインヴィラン「ハンサムジャック」の非人道的な悪趣味さは存分に見られますが、今回は『ボーダーランズ』の醍醐味「サブクエスト」から悪趣味シュールギャグをみていきます。

「大脱走」というサブクエストでは、Pandoraから脱出を試みているがビーコンを「Bandit(バンディット、無法者)」に奪われてしまったので、取り返してきて欲しい。と依頼されます。

クエストマーカーに従い敵を倒しながらビーコンを拾うと「これまでに何度も脱出を試みたが、駄目だったんだ。だがあのビーコンがあれば逃げられる」と依頼者の「Ulysses」から通信が入ります。ビーコンを持ちUlyssesの元へ向かって話しかけると、クエストは完了。するとUlyssesは喜びながら歩き出し、ビーコンを設置します。


「連れてってくれ!」と叫んだ瞬間に空からコンテナが落下し、無事「Pandoraから脱出」成功。というオチ。つい口から「オイっ!」という言葉が出そうな終わり方ですが、Pandoraはこういう所ですし、まあ仕方ないですね。
他にも「Claptrap の誕生パーティ!」では、『ボーダーランズ』のマスコットキャラクター(?)でもある「Claptrap(クラップトラップ)」が誕生会を開きたいので友人たちに招待状を届けて欲しいとVaultハンターに依頼します。

言われた通り招待状を渡しますが、全員行く気なし。渡し終えてClaptrapの元に戻ると、パーティに来るのを今か今かと待ち続けています。ですが、当然誰も来ることはなく、次第に元気がなくなっていくClaptrap。大量のピザとクラッカーを残しながら、そのまま2人でパーティを終えるのだった……というサブクエストです。流石に可哀想……と思うか「キュートアグレッション」を感じるかはそれぞれですが、このように『ボーダーランズ』のサブクエストはバリエーションが豊富。まだまだ面白いサブクエストはたくさんありますよ!
『MOTHER2 ギーグの逆襲』ようこそ ムーンサイドへ。 ネタバレ度:中
『Undertale』や『OMORI』など、後のゲームにも多大な影響を与えた『MOTHER2 ギーグの逆襲』。本作は、コピーライターやタレントなどマルチに活動する糸井重里氏や、当時ハル研究所の社長だった岩田聡氏、ミュージシャンの鈴木慶一氏など、数々のクリエイターによって手がけられました。

ふるさとをおもい出すようなあたたかい画面と音楽に、へんてこな人びととことば、愛と勇気にあふれた本作は、ゲーム史に残る名作のひとつ。「大人も子供も、おねーさんも。」というキャッチコピーは、本作をプレイしたことがない方でも耳にしたことがあるのでは。


そんなやさしさとたのしさがギュッとつまった本作ですが、ドキッとするような台詞や残酷な描写でプレイヤーを驚かせることも。かわいらしくゆかいなビジュアルからのギャップが大きいため、より恐ろしく感じます。
例えば、大都会「フォーサイド」に隠された「ムーンサイド」は、ワイヤーフレームで表現されたネオンの町です。これだけ聞くとサイバーで格好良い雰囲気に感じますが、その不気味な音楽と住民たちの台詞に、どこか入ってはいけないような“異質さ”を感じます。


さらに、4人目の仲間「プー」が行う「ムの修行」では、先祖の霊が「しれんの しあげに おまえのあしを おるが よいな。」と問いかけてきます。瞑想中の出来事とはいえ、その残酷さにこのまま「はい」と返答していいのか不安な気持ちに。

その後も腕、耳、目……と続きますが、その際ゲーム画面と連動した演出がなされており、プレイヤーの恐怖心をより一層煽ります。大人も子供も、という割に子供が遊ぶにしては怖いのでは……と、大人になってから遊んだ筆者は思ったのですが、実際子供の頃に遊んでトラウマになった方も多かったとか。

ラスボスの「ギーグ」に挑むまでも、子どもたちが背負うにはあまりにも過酷な運命に、恐ろしいギーグ戦の演出など最後まで気の抜けない本作。しかし、それらを乗り越えてエンディングに到達した時には、きっとあたたかな気持ちで満たされているはずです。
『ふりかけ☆スペイシー』もはや言葉は不要 ネタバレ度:低




『ふりかけ☆スペイシーOVA ベトナム・カンボジア・タイ・フィリピン編』は近日登場予定!!
『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ』セイ ピース! ネタバレ度:中
『メタルギアソリッド ピースウォーカー(以下、MGSPW)』で平和を願う少女として登場した「パス・オルテガ・アンドラーデ」。その健気で可憐な姿からは想像もつかない“正体”に驚いた方も多いのではないでしょうか。

そんな『MGS PW』から1年後の『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ(以下、MGSV: GZ)』でも彼女は登場し、彼女自身と我々プレイヤーに壮絶な“痛み”を残します。
彼女に何が起こったのかは、ここでは明確に書きません。しかし筆者は本作をクリアした後、しばらく唖然と空を見つめる事しかできませんでした。よりにもよってパスと平和の象徴である「ピースマーク」をあんな風に使うとは……。
シリーズを通して「戦争」というテーマに向き合ってきた『メタルギアソリッド』ですが、ここまで惨たらしい光景を直接的に見せた事は少なかったため、大きな衝撃を与えられた瞬間でもあります。『MGS PW』が少し楽しげな雰囲気だったギャップも相まって「いくらなんでも、ここまでしなくても……」と言葉を失ってしまいます。

そもそも、『MGSV: GZ』だけでなく『メタルギアソリッドV ファントムペイン(以下、MGSV: TPP)』の構造自体が「悪趣味さ」の塊と言えるかもしれません。筆者は『MGSV: TPP』のその部分が好きでたまらないところもあるのですが……。

今回は“楽しむ”方向でなく、 “落ち込む”悪趣味さでしたが、このように「悪趣味さ」はプレイヤーの感情にプラスにもマイナスにも働く所が魅力であり、物語に欠かせないひとつの要素なのです。


『エースコンバット3 エレクトロスフィア』身体はただの器 ネタバレ度:中
企業が国家よりも大きな力を持つ近未来を舞台にした「ドラマチックフライトシューティング」。SF色の強い設定や、「選択」する事で変わるマルチエンディング、Production I.G制作のアニメーションが随所に挟まる本作は、シリーズ内でも異色とされています。


今回紹介するのは、数あるルートの中から筆者が一番最初に選び、かつ最も好きな「ニューコムルート」。このルートが何より“意地悪”なのは、「順当に進めているプレイヤーが最も辿り着きやすいルートでありながら、終盤の難易度が高く、感情移入しやすいキャラクターが一切報われないエンディングを迎える」点にあります。

本作はルートによって共に行動するキャラクターが変わるのですが、ニューコムルートで主に関わるのは同僚の「フィオナ」です。彼女には姉の「シンシア」がおり、そのシンシアは「肉体を捨てて電脳化」する事を望んでいます。ですが、大事な姉にそんな危険な真似をして欲しくない、とフィオナは反発し、2人の対立にプレイヤーも巻き込まれていくことに。

そうしてフィオナと共に――時には姉のシンシアとも空を飛び、辿り着いた先に待っているのは、後のとあるナンバリングにも受け継がれた凶悪なトンネルと、唐突に放り出されるかのようなラスト。この報われなさと後味の悪さには、呆然とするしかありません。そんな中で流れるエンディング曲「The Crew」の無機質で美しい音色は、他では味わえない余韻を私たちに残します。
本作はニューコムルート以外にも救いのない展開が多く、さらには「ゲームの構造」にも大きな仕掛けが施されています。『エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ』からさらに先の時代を描き、同じジャンル名を冠する『エースコンバット3 エレクトロスフィア』。SF好きな方は、ぜひ最新作の前にこちらも遊んでみてはいかがでしょうか。
『真・女神転生IV FINAL』絆か、皆殺しか? ネタバレ度:低
2013年に発売された『真・女神転生IV(以下、真IV)』をベースに、その終盤から全く異なる物語と結末を描き出した本作。そもそも『真・女神転生』シリーズ自体が悪趣味な設定や展開に溢れているため、どれか一つに絞る事自体難しくはあるのですが……。

『真・女神転生』シリーズでは、法と秩序を重んじる「LAW(ロウ)」と自由を重視した「CHAOS(カオス)」、どちらにも属さない「NEUTRAL(ニュートラル)」の対立構造が主軸でした。ですが、こちらのPVにもあるように、本作が突きつける選択は「ロウとカオスとニュートラル」ではなく「仲間との絆か、皆殺しか」という、より身近に感じる存在を天秤にかけた二択なのです。
そのため本作では従来のシリーズよりも仲間との交流が描かれており、プレイヤーは自然と彼らに“愛着”を抱くようになります。しかし、主人公と契約する魔神「ダグザ」が望む世界のためには、仲間を自らの手で切り捨てなければいけません。


絆を選ぶか、それとも理想のために仲間を殺すのか。どちらも選ぶことの出来ない不条理さは「真・女神転生」らしさそのもの。そして、この『真・女神転生IV FINAL(以下、真IVF)』が優れている点は、たとえ仲間への愛着と道徳心から「絆ルート」を選んだプレイヤーであっても、クリア後には「皆殺しルート」も歩まねばならない。と思わせる話の構成にあります。

仲間を殺さなければ手に入れられない。そんな世界の椅子に座った時にあるのは、悲しみではなく、形容しがたい全能感と高揚感です。
シリーズの中でも唯一無二な「ダークヒーロー」さを味わえる本作。『真IV』と『真IVF』以外のナンバリング作品は全て現行機で遊べるため、移植やリメイクを願ってやみません。もちろん、『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』も……。
『Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-』辛く苦しい現実か、甘くてぬるい幸福か ネタバレ度:低
バーチャルアイドルの「μ(ミュウ)」が人々の幸福のために創りだした仮想空間「メビウス」。メビウスに囚われた人々は現実の世界を忘れ、姿や環境など本来の自分とは異なる「なりたかった自分」になって終わらない学園生活を繰り返す。
だが、ある日この世界が現実ではない事に気付いてしまった主人公は、現実に帰るための組織「帰宅部」の仲間たちとともに、メビウスから脱出を試みる――というあらすじの本作。帰宅部に立ちはだかる「オスティナートの楽士」の楽曲を、数々の「ボカロP」が担当している事が特徴であり、筆者が愛してやまない作品でもあります。
本作は2016年に発売されたPlayStation Vita用ソフト『Caligula -カリギュラ-』に、キャラクターや楽曲など様々な要素を追加したリメイク版となります。その中でもとりわけ特徴的なのが「楽士ルート」の追加です。

こちらのルートでは、帰宅部だけでなく楽士としても活動することでオスティナートの楽士達のパーソナリティや過去に触れ、また何故メビウスを必要としているかを知ることができます。そんな事をしたらバレてしまうのではないか。と思うかもしれませんが、μの力で姿を変えているので安心。ですが、楽士として活動するという事は、帰宅部とも敵対するという事です。

要するに、先程の『真IVF』と同じく「裏切りルート」なのです。帰宅部の「部長」として仲間達に接し、部員達はそんな部長を信じて悩みや現実で抱えているものを明かしたというのに、はたしてそんな仲間達を裏切る事が出来るのだろうか?と敵対する度に罪悪感に襲われます。
しかし、楽士達の事も知っていくと、本当に自分たちがメビウスを脱するために、この「ゆりかご」を壊してもいいのだろうか。という思いも浮かんでくる。そんな主人公であり「あなた」であり部長、そして楽士としての楽曲「SuicidePrototype」は、おおよそ主人公とは思えない歌詞と曲調です。

『真IVF』における皆殺しルートのように、楽士ルートを完遂するためには仲間を殺す……とまでは行きませんが、楽士側につくという事は、帰宅部達が帰る術を完全に断たなければなりません。信用していたはずの人間から裏切られた帰宅部の仲間達に向けられる怒りや憎悪、絶望は、非常に心苦しいもの。ですが、裏切られ、そして完全に敗北した時にしか聞けない登場人物達の言葉や思いには、どこか恍惚とした気持ちを抱きます。
大切な仲間を裏切る、という非人道・倫理的な行いには、ここでしか聞くことの出来ない、また言うことができなかったキャラクターの台詞や一面が見られる。という魅力があるのです。

辛く苦しい現実でなく、甘い夢のようなメビウスを選んだ先にあるのは永遠の幸福か、それとも――。
『ダークソウル』『ブラッドボーン』せっかく完遂したのに…… ネタバレ度:低
フロム・ソフトウェアから発売されたアクションRPG。『ダークソウル』は「ダークファンタジー」、『ブラッドボーン』は「ゴシックホラー」「コズミックホラー」とジャンルは違いますが、どちらも暗鬱な世界で死闘を繰り広げることが特徴です。


プレイヤーは「火」や「王座」を求め、また「獣狩り」のために辛く険しい道を歩むのですが、そんな世界に生きる人々にも“成すべき事”があります。物腰の柔らかい人や不遜な態度を取る人など、彼らの性格やスタンスはそれぞれ違いますが、常に孤独な戦いを強いられるプレイヤーにとって、そんな人々との交流はどこか嬉しいもの。
彼らがどのような過去を持ち、何を目的としているのか。どのような「運命」を辿るのかを見届けたくなる魅力がフロム・ソフトウェアの登場人物にはあるのです。

ですが、この「NPCイベント」。ほとんどが初見でイベントを完遂するのは難しく、そもそもキャラクターの存在すら知らないままクリアすることも。たいていのプレイヤーは2周目でじっくり探索して進めるか、攻略を頼りに進めるかのどちらかだと思われます。必要なアイテムの取得が大変だったり、フラグ管理を考えながら進めないといけなかったりと、なかなか簡単にはいきません。
そうして大変な思いをしながら最後まで辿り着いたとしても「幸せ」とは思えない結末を迎える事が多く、なんなら敵対して己の手でとどめを刺す事も少なくない。


これだけだと「あんなに頑張ったのに、こんな終わり方なんて……」と落胆しそうですが、出会った時とは似ても似つかない姿に変わり果てたとしても、道半ばで命を落としたとしても、この「世界」で何を求め、足掻き、どう生きたかったのかを見てきた我々プレイヤーには、そんな幕引きさえ美しいと思えるのです。

このフロム・ソフトウェア特有の「NPCイベント」の“美しさ”は『デモンズソウル』から『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』、『エルデンリング』でも健在。「悪趣味さ」でいえば「病み村」や「アマナの祭壇」の敵配置、「実験棟」のおぞましい実態の方が合っているのでは……とも思いましたが、時に悪趣味な展開には“美しさ”が宿り、その倫理を超えた“美しさ”がこれらのゲームを構成する大事な要素としてより世界を彩っているのです。

演出部門
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』インパクトはバツグン、おなじみのアレ ネタバレ度:高
今年15周年を迎え、『スーパーダンガンロンパ2×2』の発売も控える「ハイスピード推理アクション」ゲーム。クラスメイト達が「コロシアイ」を強制させられる設定に、次第に明かされる真実が“絶望”的なシナリオ、学園長「モノクマ」をはじめとする不謹慎な台詞のどれをとっても悪趣味全開な本作は、筆者の「悪趣味好き」を加速させた罪深い作品でもあります。

そんな本作を象徴するものは何かといえば、なんといっても「おしおき」でしょう。ゲームを開始して最初に目にする映像なのですから。

自身が人生をかけてきた「超高校級の◯◯」を悪意たっぷりで利用され、最期を迎える姿に心を痛めながらも、次はどんなものを見せてくれるのかとワクワクしてしまう魅力が「おしおき」にはあります。
1、2、V3とバラエティに富んだおしおきを我々プレイヤーにいくつも見せてくれましたが、やはり「千本ノック」を初めて見た時の衝撃は忘れられません。

自分が人を殺した事を誤魔化しようもない程に暴かれ、クラスメイト達からの突き刺さるような視線を浴びたままおしおき場へ連行。あまりにも残酷な、見るからに“痛い”方法で自らのアイデンティティに「殺される」様は、登場人物達とプレイヤーが「おしおき」とは何かを初めて知る絶大なインパクトを与える演出として、“超”大成功といえるでしょう。

その後に生き残った者達が向ける不安や驚き、焦りの表情もプレイヤーの感情とリンクしており、こちらも後味の悪さをより感じる演出です。後のシリーズでオマージュされた「おしおき」も、とても素晴らしいものでした。
『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』ナイスDEATH ネタバレ度:低
『ダンガンロンパ』シリーズのシナリオを担当した小高和剛氏と、『極限脱出』や『AI: ソムニウム ファイル』のシナリオを担当した打越鋼太郎氏がタッグを組んだアドベンチャーゲーム。本作はキャラクターデザインや音楽なども『ダンガンロンパ』と同じ小松崎類氏と高田雅史氏が担当しており、どちらかというと「小高和剛らしさ」を感じやすい作品です。

こちらも設定、シナリオ、台詞ともに『ダンガンロンパ』に負けず劣らず悪趣味全開。本編もいたる所で悪趣味さが発揮されていますが、特にサブシナリオの「◯◯たくさん編」や「カリスマ澄野編」などは非常に“らしい”内容となっています。

本作は15名の学生達が100日間の防衛戦争を命じられるストーリーで、戦闘パートはSRPGで進められます。その戦闘部分でも悪趣味さが現れており、筆者としてもお気に入りのシステムです。

戦いの中で溜まる「VOLTAGE」を使用すると、特定のユニットにバフをかけたり、強力な大技「必殺我駆力」を使う事ができます。ですが、この大技はなんとVOLTAGEを使わなくても発動する事が可能。その方法は、体力が一定以下になると自らの命と引き換えに「決死必殺」を放ち、その後死亡する。というものです。


通常のSRPGはユニットをいかに守るかが大事なのですが、本作はユニットを危機的状態に陥らせて殺すことがチャンスに繋がります。死んだユニットは次のWAVEで蘇生されるため、安心して殺していいという保険つき。そのためわざと敵陣に突っ込ませて体力を削り、大技を与え死んでもらう、という悪い作戦を取ることも。
シナリオだけでなく、戦闘でも「悪趣味さ」のこだわりを感じられる、本作の非常に面白い要素です。
『アーマード・コア』初代から変わらぬ味 ネタバレ度:低
フロム・ソフトウェアが送る3D戦闘メカアクション『アーマード・コア』シリーズ。国家が解体され、企業が実権を握る世界で傭兵「レイヴン」として生きる本作では、血も涙も無い依頼が数多く登場します。まず、一番最初に受ける依頼が「労働条件の改善を訴えている作業員がうるさいのでACで排除してきてくれ」な所からその過酷さを感じられます。



このような依頼は『アーマード・コア3』の冒頭などでも登場し、シリーズでも「お約束」のような立ち位置となっています。



他にも「警備部隊をおびき寄せたいので高速道路を走る一般車をACで破壊して欲しい」という依頼や、「ある企業の信用を落としたいので連絡橋を事故と見せかけて爆弾で破壊してほしいのだが、その際橋を通過するモノレールを市民もろとも巻き込んでくれたら報酬を上乗せする」というとんでもない依頼が存在。

最新作の『アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン』でも企業の横暴さを感じる依頼はありましたが、過去シリーズと比べるとまだまだ“優しい”方。主人公としての背景やある種のヒロイックさを感じるストーリー上、このような人として最低の依頼が少ないことに納得はできますが、どこか寂しさを感じる所も。別に、無差別殺戮がしたい訳ではないのですが……。
『バトルフィールド 1』忘れられない冒頭 ネタバレ度:低
筆者がプレイしたFPSキャンペーンの中でも度肝を抜かれた本作の冒頭。その演出に「これを考えた人は凄すぎる」と思った方も多くいるのでは。
通常、キャンペーン(ストーリーモード)では特定の主人公が存在し、その主人公の目から作中の世界を体験しつつゲームのチュートリアルを学んでからマルチプレイへと向かうのですが、本作の冒頭は“無名の兵士”から開始。

操作説明やマーカーも何もなく突然投げ出され、とにかく敵兵を迎え撃ちますが、だんだん弾は枯渇し、体力も尽きてきます。そのまま攻め入られ、あえなく死亡すると、そこで初めて自分が操作していた兵士の名前と生没年が表示されるのです。

すると別の兵士の視点へ移り、また向かってくる兵士を撃ち、死亡すると名前と生没年が表示……と繰り返される。あっけなく散っていく数々の命を目にすることで、戦争の恐ろしさと残酷さを感じられます。


『バトルフィールド 1』の舞台である第一次世界大戦では、およそ800~1,000万人近くの兵士が亡くなったとされています。
戦争の痛ましい光景を我々に見せ、また名もなき兵士一人一人は確かに“人間”なのだ。と『バトルフィールド』の象徴ともリンクさせたキャンペーンとなっているこちらは、ゲームとしてとても優れた演出です。しかし、それにしてもこんなものをよく思いついたな……と、制作者側の良い意味での悪趣味さを考えざるを得ません。
『Wolfenstein: The New Order』貴方はどっちを選ぶ? ネタバレ度:低
ナチスが第二次世界大戦に勝利した世界を舞台に、主人公の「ウィリアム・ジョセフ"B.J."ブラスコヴィッチ(以下、ブラスコヴィッチ)」が復讐のためレジスタンスとともに反逆を仕掛ける本作。世界設定だけでなく、ゲーム開始時の難易度設定からもう既に悪趣味が漏れています。

レトロフューチャーでディーゼルパンクなトーンや、デザインの格好良さ、とんでもメカが登場するSF設定など“どギツイ”設定以外にも魅力はありますが、しかしキャンペーンの冒頭は悪趣味にも程があります。

経験豊富な「ファーガス」中佐と新兵の「ワイアット」と共に連合軍の大尉としてナチスの基地に乗り込んだブラスコヴィッチですが、途中で任務は失敗し、標的の「デスヘッド」に身柄を捉えられてしまう事態に。
そこでブラスコヴィッチとプレイヤーは「究極の選択」を迫られます。それは「ファーガスとワイアット、どちらかを研究の標本として解剖するか選べ」というもの。


この選択肢、拒否することは出来ず、必ずどちらかを選ばなければなりません。ファーガスの方が死線をくぐり抜けている……が、しかし未来ある若者を殺すだなんて……と、プレイヤーは頭を抱えます。悩んだ末に選ばれた方は眼の前で命を奪われ、残された方には「何であいつを殺したんだ!」と責められ、デスヘッドへの強い憎しみをブラスコヴィッチとプレイヤーは抱くのです。
更にその選択が与える影響は、冒頭だけでは終わらない所が本作の意地の悪いところ。
この後目にする数々の悪逆非道な行いに我々プレイヤーも怒りに燃え、ブラスコヴィッチとリンクします。ストーリーや動機のために、このような“悪趣味さ”をフックにする事は復讐譚では欠かせないものではありますが「それにしてたって、ここまでしなくても……」と『MGSV: GZ』同様に思いたくなる程、強いインパクトを与える冒頭でした。
ゲームプレイ部門
ここからは、ゲームプレイ体験で悪趣味さを味わわせてくる作品を紹介します。
『Cult of the Lamb』子羊として信者たちを導く ネタバレ度:低
カルト教団の教祖として、信者を増やすため謎多き土地を探索し、自身の教えと教団を広めていくローグライクアクション+運営シミュレーションゲーム。かわいい絵柄に対してかなりダークな世界観の本作は、少し触っただけでもその「悪趣味さ」を感じられることでしょう。

本作には「信者の特性」があり、これらを見ながら信者たちに合った作業を割り振ります。しかしその中には「糞尿愛好家」や「カニバリズム」などの危険な特性も。信者に話しかけてみたら突然「人にウンチを食べさせたい」と告白される事も珍しくありません。教祖の仕事は大変です。


さらにゲームを進めると教団の「教条」を決められるのですが、そちらも選択によっては“マッド”な教団に。例えば全ての信者が特性の「カニバリスト」を得るか、全ての信者が特性「草食」を得て雑草料理を食べた際に信仰が減少しなくなるか。という教条や、信者が生贄にされる度信仰を得る特性を得るか、信者が死んだ時の信仰の減少量が低下する特性を得るか。など、どちらを選んでも……というものばかり。

効率プレイのため己の倫理観を捨てるか、なるべく信者に楽しく暮らしてもらう教団にするかはプレイヤー次第。出来上がった教団を見て、己を省みる事もできそうなゲームです。
『ROMEO IS A DEAD MAN』最もひどいパズルのひとつ ネタバレ度:低
今年発売したばかりのグラスホッパー・マニファクチュアの新作『ROMEO IS A DEAD MAN』死にかけてしまった主人公の「ロミオ・スターゲイザー」が「デッドマン」として復活し、FBIの「時空警察捜査官」として時空を駆け巡る本作は、須田剛一氏と山﨑廉氏が共同でディレクターとシナリオを務めています。そして、グラスホッパー特有の暴力表現に「悪趣味さ」も盛り盛り。
そんな中でもとりわけ「ひどすぎる」のが、チャプター5「贖罪」の病院ステージで登場するギミック。こちらの画像を見れば、そのひどさがひと目で分かることでしょう。


こちらのパズルは、左の写真を見ながらスティックを動かして同じ表情にするとクリア、というもの。動かしてもどこが変わるのかは探らないと分からないため、一生懸命脳みそをいじくり回して変顔をさせることに。
一応、「よくできた人形」という設定ではあるのですが、それにしてもです。しかも成功すると「ピロリロ~♪」という軽快な効果音とともに脳みそが爆発。あまりのひどさに、筆者も思わず笑ってしまいました。
『Mouthwashing』最もひどい水道管パズル ネタバレ度:中
難破した宇宙貨物船を舞台に、5人のクルーたちの運命を見届ける一人称視点のホラーゲーム。短い中で描かれるインパクトのあるストーリーと演出、日本語訳を担当するnicolith氏の言葉選びがぴったりとハマった本作は、独特の雰囲気を放っています。


クリアした時は誰もが「とにかく嫌な気持ち」にさせられる点でも悪趣味な本作では、筆者が今までプレイした中で最もひどい水道管パズルが存在します。


一見、何をどうすればいいのか分からないのですが、バルブを回して“何か”を食べさせればいい様子。しかし、食べさせると途中で吐き出してしまいます。何回か回していると、どうやらこの画面同士の繋がりを明かし、飲み込めるようにすればいい事に気付きます。それに気付くまで、また気付いてから何度も身体に突き刺さったバルブを回しては吐き出し、また食べさせては吐き出し……を繰り返します。
痛ましい光景と“あえて”分かりづらくしていたのであろう制作者の意図、そして食べさせている“何か”、全てが悪趣味なこのパズルは、本作でもかなり印象に残るシーンです。
『Spec Ops: The Line』英雄らしい気分にはなってきたか? ネタバレ度:高
私たちは何を求めてゲームを遊ぶのだろう。敵を倒す爽快感、頭を悩ませながら戦略を練る楽しさ、魅力的なキャラクターとの出会い、あるいは自分ではない誰かの人生を追体験し、人々を救うヒーローとなる物語――。

砂嵐に覆われ廃墟と化した都市「ドバイ」を舞台に、アメリカから派遣されたデルタフォース隊員の一人「マーティン・ウォーカー大尉」として、消息を絶った「33部隊」の実態を追う本作は、あらゆるシューティングゲームにおけるキャンペーンの中でも、その残酷さと苛烈さ、そして悪趣味さから確固たる地位を確立しています。

通常、ゲームを進めれば誰かを救い、なにかしらの“感謝”をされるものです。しかし、本作にはそんな「気持ちの良い」瞬間はほとんど訪れません。それどころか、事態は最悪の方向へと転がり続け、「何故暴力で全てを解決しようとするんだ」「お前がやったんだ」と責め立てられ続けます。


本作は『メタルギアソリッド』や『バイオショック』などにもある「プレイヤーが無自覚に行使する暴力への批判」を映し出したゲームです。しかし、本作が他の作品と異なる部分はその「容赦のなさ」でしょう。「地獄の黙示録」を彷彿とさせる重苦しい空気の中、どこまでも広がる砂と埃、そして積み重なる人の死は、ウォーカー大尉とプレイヤーに対し、「お前は英雄ではない」と突きつけ続ける。

しかし、本作の魅力はそれだけではありません。砂嵐に包まれたドバイの退廃的な美しさと画面越しにも伝わる焼けるような暑さは、発売から10年以上経った今プレイしても全く色褪せてはいません。
現状、ライセンス切れによりオンラインストアから購入できなくなっているため遊びづらくなってしまったのですが、ビデオゲームにおける「物語の語り方」の一種として重要な本作。“徹底的に嫌な思いをさせる”ことでしか描けない物語として、ぜひ自身の手で「ドバイ」を体験してほしいものです。
これまで約20本の「悪趣味ゲーム」を紹介してきましたが、これらはほんの一部でしかありません。紹介しきれなかった作品や、筆者もまだ見ぬ「悪趣味ゲーム」はこの広大なゲームの世界にまだまだ多く存在します。
ですが、この記事を通じて単なる不快さだけでない「悪趣味」という表現の多様さや、「悪趣味さ」でしかもたらせないゲームと物語への効果を感じていただけたら、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。

フィクションだからこそ味わえる「嫌な気持ちを楽しむ」こと。しかし、そのエンターテインメントのような体験は、現実が平穏であって初めて成り立つものです。私たちが虚構の世界で「悪趣味さ」を穏やかに享受できるよう、そして一刻も早く世界が平和になることを願ってやみません。


