ダークで不気味な『終天教団』。最も恐ろしいのは……?
3つ目に紹介する『終天教団』は、人類の滅亡を願う「終天教」が統治する国家を舞台に繰り広げられるマルチジャンルADV。DMM GAMESとの協業で開発されており、また新しいエッセンスが入ったタイトルです。
プレイヤーは暗殺されバラバラ死体となってしまったものの神の力によって一時的に蘇った「教祖」となり、数日の間に「自分を殺した犯人は誰か」を突き止めていく、インパクトありまくりかつ謎に満ちた物語が描かれます。

容疑者となるのは教団の幹部5名。彼らのうち誰を疑うかによって個別ルートへと分岐するのですが、ムービーでも紹介されているように、王道の推理アドベンチャーだけでなく恋愛ADVになったりステルスアクションになったりと、まったく異なるゲームへと変化。そしてその先にはまさかの……と、ここからは是非プレイしてご確認を。

「謎ばかりの状況に置かれて何も分からないまま」な始まり方や人の生死が描かれる物語はトゥーキョーゲームス作品や『ダンロン』シリーズの共通点ではあるものの、本作は何せ主人公が滅亡を目指す宗教の教祖であり、しかも開幕から暗殺されてスタートなので血生臭い展開も多めで、個人的には最もダークなテイストが感じられた作品でした。

主人公の下辺零(仮)は生前の記憶を失っており、それを取り戻すのも目的のひとつ。すごく穏やかかつ良いリアクションの素敵な人物に見えるのですが、前述の通り教祖だと明らかになっているため、遊べば遊ぶほど教団の“ヤバさ”が盛り盛り見えてきて「これ、自分(下辺零)は大丈夫な人なんだよね?」と疑心暗鬼になる不気味さが印象に残ります。

これまで紹介した2作品における「超探偵能力」「我駆力」といった名前もなく、ただただ「神の力」と言われて超常現象が起こるのもちょいと不気味で、いつも以上にサイケデリックでカルトチックな音楽とアートが不安感を煽って来ます。

ルートが多いのでキャラも大勢登場しますが、やはり主人公と幹部の関係性が本作のミソ。幹部の中にビジュアルや声が刺さるキャラがいるのであれば、今すぐにでも手に取っていただきたい1本です。

こんな方におすすめ!
カルトで不気味……でも、そんなダークな雰囲気が好物です
どう考えても裏があるキャラに惹かれる。幹部のビジュが好み!
段階的に秘密が明らかになっていく構造や斬新なゲームシステムに興味あり
「何食べてたらこの名前と見た目思い付くんだよ」なキャラクターや、シリアスが軸にあるからこそ痛烈に印象に残るコミカルなシーン。そして勝手に深読みしてしまうほど雰囲気を煽るBGMなどなど……皆さんの中で「『ダンロン』といえば」の魅力は数あると思われますが、今回紹介した作品の中にもそれらは少しずつ形を変えて登場しています。
本稿ではネタバレになりそうな点には気を付けて紹介したため、実際にプレイすると「ここもめっちゃ『ダンロン』ファンに良い要素じゃん!」となる部分もあるはず。ぜひぜひ、楽しくて絶望的な物語の数々をご賞味くださいませ。




