9,020円でも15万本超えのヒット!『ほの暮しの庭』はなぜ売れた? 実績と巧みな戦略が、新規IPの躍進を下支え【特集】

強気な価格設定ながら発売直後から話題をさらった『ほの暮しの庭』。ニンダイでの初報からユーザーの期待感を煽り、実売へと繋げた見事な情報開示戦略などの背景に迫ります。

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9,020円でも15万本超えのヒット!『ほの暮しの庭』はなぜ売れた? 実績と巧みな戦略が、新規IPの躍進を下支え【特集】
9,020円でも15万本超えのヒット!『ほの暮しの庭』はなぜ売れた? 実績と巧みな戦略が、新規IPの躍進を下支え【特集】 全 9 枚 拡大写真

日本一ソフトウェアの完全新作『ほの暮しの庭』は、プレイする人を選ぶホラーアクションというジャンルであり、かつ税込9,020円(Nintendo Switch版のみ7,920円)という強気な価格設定ながら、発売からわずか4日で国内累計販売本数10万本を突破しました。

さらに、8月10日には15万本超えも発表。当時、一部店舗ではパッケージ版が品切れとなるほどの人気ぶりを見せています。

新規IPのタイトルであれば、よほどの大作か強いフックがなければ、発売前から大きな注目を集めるのは容易ではありません。しかし『ほの暮しの庭』は、発表直後から話題を呼び、発売後もこれだけの結果を残しています。

完全新規IPのホラーアクションが、なぜこれだけのヒット作となったのでしょうか。これまでの経緯と発売後の動向から、その背景へと迫ります。

■人気シリーズ続出の「Nintendo Direct」で異彩を放った『ほの暮しの庭』

『ほの暮しの庭』が大きな注目を集めるきっかけとなったのが、2025年7月31日に配信された「Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ 2025.7.31」です。本作は、この配信で初めて公の場に登場しました。

このNintendo Directでは、『桃太郎電鉄2 ~あなたの町も きっとある~ 東日本編+西日本編』や『オクトパストラベラー0』、『冒険家エリオットの千年物語』などが新たに発表されたほか、『ドラゴンクエストI&II』『ゼルダ無双 封印戦記』といった話題作の続報も寄せられました。

注目を集めたタイトルの多くは、すでに根強いファンを持つ人気シリーズの最新作です。しかし、そうした強豪に肩を並べ、完全新規IPの『ほの暮しの庭』も確かな存在感を放ちました。

その反響の大きさを示す一例が、任天堂公式YouTubeで公開された紹介映像の再生回数です。Nintendo Directの実施からしばらく経った2025年8月5日午前1時頃、『ドラゴンクエストI&II』が約28万回、『ゼルダ無双 封印戦記』が約26万回だったのに対し、『ほの暮しの庭』は約35万回を記録していました。

『桃太郎電鉄2』の約38万回には及ばないものの、人気シリーズの新作が並ぶ中で、新規IPの初報がここまで注目を集めたのは、快挙といってもいいでしょう。

しかも、この時点では『ほの暮しの庭』の全貌は多くが謎に包まれていました。そのミステリアスさもまた、ユーザーの好奇心を強く刺激する要因となったのです。

■『夜廻』チームが手がける新作という強み

『ほの暮しの庭』が話題となった理由はいくつもあります。その中でも最も大きかったのは、『夜廻』シリーズのスタッフが手がけている点です。

『夜廻』は、可愛らしいビジュアルとは裏腹に、強烈な恐怖を味わえるホラーアクションゲームです。ホラーアクション作品そのものは決して珍しくありませんが、『夜廻』は誰もが本能的に感じる「夜の怖さ」をコンセプトに据え、独自のポジションを確立しました。

さらに、物語を盛り上げる展開の数々も評価され、『夜廻』の評判は上々。3作品が展開される人気シリーズへと成長を遂げています。

そんな『夜廻』シリーズを生み出したスタッフが、今度は「田舎暮らし」をテーマにした新作を手がける。この情報だけでも、『夜廻』を知るゲームファンなら興味を惹かれずにはいられません。

もちろん、『夜廻』と『ほの暮しの庭』は同じゲームではありません。しかし、これまでホラーゲームを手がけてきたスタッフが新たなジャンルに挑戦するという事実が、単なる新規IPに留まらない関心を集める理由となりました。

次ページ:■「絶対に何かある」ユーザーの予想も話題に
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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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