
SHIFT UPとLevel Infiniteは11月5日、『勝利の女神:NIKKE』の公式PCクライアントに、PCランチャーのセキュリティインシデントで配布された不正プログラムを検査・削除する機能を実装しました。
同作では11月4日、PCランチャーのスクリプトファイルが第三者によって改ざんされた可能性があると発表されていました。今回のお知らせによると、2026年9月27日15時41分以降にWindows版PCランチャーを一度でも起動したプレイヤーは、セキュリティ確認と必要な措置が求められています。
なお、問題はPCランチャーで発生したもので、モバイル版のみをプレイしている場合は確認不要です。
クライアントを起動するだけで不正プログラムを検査。見つかればその場で削除
新機能は、公式PCクライアントに搭載されたセキュリティ機能(ACE)を通じて、11月5日8時から提供されています。
使い方はシンプルで、Chromeなど起動中のブラウザーをすべて終了してからPCクライアントを起動するだけ。不正プログラムが検出された場合は、PCに保存されている関連ログやDLL、レジストリ情報を削除するか確認するポップアップが表示され、同意すると関連データがすべて削除されます。
検出されなければポップアップは出ず、そのままゲームが起動します。ブラウザーを完全に終了していないと一部のDLLファイルが残る場合があるものの、そのファイルが実行されることはなく、追加のリスクは生じないとのこと。なお、迅速に対応する過程で、ポップアップの画面構成は簡素なものになっているそうです。
目印は「k2f_chan registered」……ランチャーを使わない手動チェックも可能
PCランチャーをすでにインストールしていない場合や、ランチャーを使わずに確認したい場合に向けて、手動での確認方法も案内されています。手順にはファイルやレジストリの操作が含まれるため、公式は指定されたパスと項目をよく確かめ、ほかの項目を削除しないよう注意を呼びかけています。おおまかな流れは以下のとおりです。
準備:ネットワーク接続を切断し、NIKKEのゲームとランチャー、Google Chromeを完全に終了する。PC画面右下のシステムトレイにNIKKEのアイコンが残っていないかも確認し、作業が終わるまでランチャーは再起動しない
ログの確認:デスクトップのNIKKEアイコンを右クリックし、[ファイルの場所を開く]からインストール先フォルダーを開く。「Launcher\intl_service\debug.log」をメモ帳で開き、Ctrl+Fキーで「k2f_chan registered」を検索する。この文字列が見つかった場合は、PC上で不正なプログラムが実行された可能性があるため、以下の削除手順に進む
不正なレジストリ項目の削除:Win+Rキーで「regedit」を入力してレジストリエディターを開き、「HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID」にある「{E77CC89B-7401-4C04-8CED-149DB35ADD04}」を削除する。同じ名前の項目がほかのパスにも存在するため、必ずこのパスのものだけを削除する
PCの再起動
不正なDLLファイルの削除:Win+Rキーで「%LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\」を開く。「PlatformExperienceHelper」フォルダー内に、名前が64文字の16進数(数字0~9と英小文字a~f)のみで構成されたサブフォルダーがあり、その中に「platform_experience_helper.dll」がある場合に限って、そのサブフォルダーを削除する。PlatformExperienceHelperフォルダーにはChromeの正常なファイルが含まれる場合があるため、フォルダー全体は削除しない
不正なダウンロードファイルの削除:インストール先フォルダーの「Launcher\log\tinyget」で、「tinyget.-.log」に似た名前で、サイズが205,135バイト(約200KB)のファイルを削除する
ローカルキャッシュの削除:Win+Rキーで「%APPDATA%\nikke_launcher」を開き、「tbs_cache」フォルダーを丸ごと削除する
ログに文字列が見つからなかった場合でも、セキュリティ上のリスクを完全には排除できないとのこと。Windowsセキュリティなどのウイルス対策ソフトを最新バージョンに更新したうえで、フルスキャンとMicrosoft Defenderのオフラインスキャンを実施するよう推奨されています。
パスワード変更やAPIキーの再発行も……ゲーム外の被害もサポートが受け付け
不正プログラムを削除した後は、アカウント保護の対応もあわせて求められています。
対象のPCで使ったことのあるアカウントのパスワードを変更するほか、APIキーやアクセストークンを使用・保存していた場合は、既存のものを破棄して新たに発行するよう案内されています。これらの作業は、不正プログラムの影響を受けていない別の端末か、セキュリティ確認を終えたPCで行うのがおすすめとのことです。
また、本件でアカウントに異常が生じた場合や、金銭的な被害を受けた場合は、ゲーム内のカスタマーサポートで受け付けるとのこと。あわせて公開されたお詫び文では、ゲーム内補償を用意したことにも触れつつ、補償だけでは不安や不便を解消できないとして改めて謝罪しています。
発端はドメインの乗っ取り。不正プログラムの配布は10月30日から
お知らせでは、インシデントの経緯も明かされています。
9月27日10時59分:ゲームサービスの一部で利用していた「insightjs.com」ドメインが第三者に乗っ取られる
9月27日15時41分~15時42分:ランチャーがダウンロードする公式CDNのスクリプトファイル4件が改ざんされ、特定のドメインへ接続する不正なコードが挿入される
10月30日3時52分:当該スクリプトを通じて、ユーザーのPCへの不正プログラムの配布が始まる
11月4日0時頃:スクリプトファイルの異常を確認し、調査と対応を開始
11月4日2時04分~2時23分:不正なスクリプトファイル3件を差し替え、不正プログラムの追加配布を遮断(第1次対応)
11月4日12時09分:残る1件に関連するCDNキャッシュの更新を完了し、関連するCDNノードに正常なファイルを順次反映(第2次対応)
現在も被害範囲の調査を続けているほか、改ざんの経路を特定するため、CDNを含むネットワークのセキュリティ環境を詳しく確認しているとのこと。再発防止策としては、PCランチャーと関連システムの監視体制の強化、ランチャーが読み込む外部リソースの完全性を検証する仕組みの構築、各機能の権限を必要最小限に絞る見直しを挙げています。



