罪を背負った少女たちが死後の世界で殺し合う、ダークな物語とポーカーを取り入れたバトルが魅力のローグライクアクション『クライムライト/CRYMELIGHT』先行プレイレポ

フリューが送る、新作ローグライクアクション『クライムライト/CRYMELIGHT』の先行プレイレポートをお届け!

ゲーム プレイレポート
罪を背負った少女たちが死後の世界で殺し合う、ダークな物語とポーカーを取り入れたバトルが魅力のローグライクアクション『クライムライト/CRYMELIGHT』先行プレイレポ
罪を背負った少女たちが死後の世界で殺し合う、ダークな物語とポーカーを取り入れたバトルが魅力のローグライクアクション『クライムライト/CRYMELIGHT』先行プレイレポ 全 29 枚 拡大写真

フリューから11月5日に発売される『クライムライト/CRYMELIGHT(以下、クライムライト)』は、死後の世界を舞台に、罪を背負った少女たちが戦いを繰り広げるローグライクアクションゲームです。

『CRYSTAR -クライスタ-』『クライマキナ/CRYMACHINA』に続く『クライ』シリーズの新作で、プロット・ストーリー監修を久弥直樹氏、キャラクターデザインを夜汽車氏、コンポーザーを削除氏が担当しています。

今回は、発売に先駆けてプレイする機会を得ました。ダークなストーリーやローグライクアクションの仕上がりなど、本作の魅力をご紹介します。

※掲載画像はすべて開発中のものです。

◆記憶を失った少女アリスが迷い込む「ワンダーランド」

物語の舞台は、死者の魂が囚われる牢獄「ワンダーランド」。記憶を失った少女は、案内人・白兎から「アリス」という名前を与えられ、ティーパーティーの会場へと導かれます。そこで彼女が知るのは、「ハートのクイーン」を倒した者だけが“自由”になれるというゲーム「コロシアイ」に招待されたという事実でした。

コロシアイの参加者ではない、迷い込んだ謎の少女「メアリ」と手を取り、「自分の望む場所へ行く」ために戦いへの参加を決意するアリス。ですが、戦いを進めていくなかで彼女が失った過去が、痛みとともに甦っていきます。

アリスは皮肉屋で他人の厚意を素直に受け取れず、メアリに対してもきつい態度を取る一方で、自分を支えてくれる彼女に依存しているような一面も見せます。素直になれないアリスと、それでも彼女に寄り添うメアリの関係は、単純な友情とは言い切れない複雑さを帯びています。

主人公としては非常に癖の強い人物ですが、登場人物の心の弱さや歪んだ関係性を描いてきた『クライ』シリーズらしい造形ともいえるでしょう。

アリスとともにコロシアイに招待された少女たちも、本作の物語を語るうえで欠かせない存在です。「チェシャ」は、もう一度友達に会いたいという願いを抱く好奇心旺盛な少女。生前からオカルトや都市伝説が好きだった彼女は、死後の世界であるワンダーランドでの日々を満喫しています。

一方「マッド」は天国へ行くことを願う穏やかな少女でありながら、死を救済と考えてためらうことなく魂を狩ります。「マーチ」は気弱で引っ込み思案な少女で、コロシアイへの参加を望まず、ティーパーティーのお世話係として過ごしていますが、招待者である以上、彼女にも戦いに参加するだけの願いと罪があるはずです。

異なる性格や願いを持つ少女たちが、どのような事情を抱えてワンダーランドにたどり着いたのかも、物語の気になる点。ストーリーを進めるごとに、アリスや招待者たちの過去がフラッシュバックとして挿入され、彼女たちが背負う事情が少しずつ明らかになっていきます。なかには不穏な描写も多く、断片的な情報だけでは意味をつかみにくい場面もあります。だからこそ「彼女たちに何があったのか」「なぜ罪を背負うことになったのか」と気になり、先のステージへ進む動機につながっていました。

物語はステージの進行に合わせて展開し、少女たちの会話や過去にまつわる描写が随所に挿入されます。戦いの合間に訪れるティーパーティー会場では、ショップを利用できるほか、書庫でアリスの視点から描かれたあらすじや世界観にまつわる設定などを確認できます。物語を振り返りながらワンダーランドの謎に思いを巡らせたり、作中で語られた情報を整理したりできるため、世界観をじっくり楽しみたい人にはうれしい要素です。

また敵に倒されて時間が巻き戻り、ティーパーティー会場へ戻された際にも、過去にまつわる描写が挿入されることがあります。敗北は本来なら避けたい出来事ですが、思いがけず少女たちの過去に触れられることもあり、戦闘を繰り返すなかで物語の新たな一面が見えてくるのも興味深いところ。先へ進むために敵を倒すだけでなく、戦いを繰り返すなかで少女たちの過去や世界の謎に触れていく構成も、物語を追ううえで興味深い点です。

また、キャラクターの名前からもわかるように、本作は「不思議の国のアリス」を思わせるモチーフを物語やビジュアルに取り入れています。ただ幻想的な世界観や少女たちのかわいらしいビジュアルとは裏腹に、死後の世界で繰り広げられるコロシアイを通じて、罪と懺悔をテーマに少女たちの後悔や過ちが描かれる点が強く印象に残っています。

◆トランプの役を作り、戦い方を組み立てる「ポーカーシステム」

『クライムライト』は、マップ上で進行ルートを選びながらバトルをこなし、最奥に待ち受ける敵を目指すローグライクアクションゲームです。マップにはランダムにショップや成長要素の報酬マスが用意されており、進むルートによって獲得できるアイテムが変わります。そのため毎回同じ手順で攻略するのではなく、その周回で手に入るものを活用しながら先へ進むことになります。

本作の特徴となるのが、トランプのポーカーを取り入れた「クライムカード」のシステムです。カードには攻撃力や防御力を上昇させる効果に加え、ダメージを受けた際に周囲の敵へアンカーを落下させたり、倒した敵を爆発させたりする特殊な効果も用意されています。単純なステータス強化だけでなく、被弾や敵の撃破をきっかけに追加効果が発生することも多いため、引けたカードの構成によって戦闘中の立ち回りにも違いが生まれます。

クライムカードは5枚で1つの手札を構成し、ポーカーの役を成立させることでカードのレベルが上昇します。ツーペアではレベルが2、スリーカードでは3といったように上昇します。役を完成させると効果が継続したまま次の5枚で新たな手札を作るため、強化を重ねながら順次カードを入れ替えていく仕組みです。手札を揃えること自体が強化につながるので、カードを集める段階からポーカーの組み合わせを意識する楽しさがあります。

カードの効果には、敵を倒した際にHPを回復するものや、回避のクールダウンを短縮するものもあります。回復の機会が限られる本作では、攻撃力を高めるだけで押し切るのが難しい場面もあるため、こうした効果が生存率を大きく左右します。攻撃に特化した構成を目指すか、回復や回避を補って粘り強く戦うか。周回ごとに入手できるカードが異なるなかで、手持ちの効果をどう活かすかがビルド構築の軸になっています。

またバトルや雰囲気を支えるビジュアル面も大きな魅力です。フリューのゲームは3Dグラフィックを採用したタイトルも多く、作品によっては同価格帯のタイトルと比べてグラフィック面で見劣りすることもありますが、本作は2Dを基調とした表現を採用しているため差が気になりにくくなっています。キャラクターデザインの魅力を引き立てるビジュアルに加え、黒いインクが広がるワンダーディメンションなど、作品のダークな世界観を表現する演出も印象的です。

◆コンボや掴み、投げを駆使するアクションバトル

アクション面では、通常攻撃と強攻撃を組み合わせた動きが基本となります。コンボ中に強攻撃を繰り出すと派生スキルが発動し、攻撃を続けてゲージを溜めると必殺技も発動できるため、コンボを組み合わせながら、機会を狙って大技を繰り出すのが基本的な戦い方です。

敵を掴んで投げ飛ばすアクションも用意されており、掴んだ敵はスティックを倒した方向へ投げることができ、一部の敵は掴むと「引っ張り」状態になります。敵を掴んだまま離れる方向へ移動するとゲージが増加し、最大まで溜めてから掴みのボタンを押すと、敵の種類に応じた特殊なリアクションが発生します。

また移動アクションの「クライムライド」は、通常よりも素早く移動できる一方、発動中は無防備になり、防御力が低下して受けるダメージが増加します。クライムライド中に攻撃すると「ライドアタック」が発動し、敵のショットや投げ飛ばした敵を跳ね返せます。敵の飛び道具を防ぐだけでなく、こちらから投げた敵も利用できるため、移動と攻撃を組み合わせた立ち回りが可能です。

さらに敵を攻撃すると、黒いインクのような領域「ワンダーディメンション」が広がり、侵食が広がるほどにバトルが有利になります。侵食具合は画面左下の薔薇の咲き方で示された「クライムゲージ」で分かり、レベル2になると反射した敵の弾が追尾するようになり、レベル3の「満開」では移動速度が上昇します。

このように本作の戦闘は、クライムカードによるビルド構築に加え、コンボや掴み、クライムライドを組み合わせたアクションが戦闘の軸となっています。敵を直接攻撃するだけでなく、投げ飛ばした敵や跳ね返した弾も利用できるため、状況に応じて臨機応変に攻撃手段を切り替えながら戦える幅広さが特徴です。

また画角やUI表示を切り替えられる点も特徴で、「ワンダービュー」は画角が低く、UI表示も最低限に抑えられており、作品の世界観や雰囲気を重視したモード。一方の「バトルビュー」は画角が高く、UIがすべて表示されるため、敵や戦闘状況を把握しやすく、世界への没入感を重視するか、戦闘中の視認性を優先するか、プレイスタイルに合わせて選べます。

◆敗北を成長につなげ、何度でもクイーンに挑む

バトルでHPが尽きると、プレイヤーは拠点となるティーパーティー会場へ戻され、獲得したクライムカードやアイテムによる一時的なバフは失われますが、すべてが無駄になるわけではありません。周回をまたいで引き継がれるリソースを使い、アリスやワンダーランドを恒久的に強化する仕組みがあり、敗北を重ねながら少しずつ攻略の手段を増やしていくローグライクらしい成長要素が用意されています。

拠点で行える「懺悔」では、敵である「幽鬼」を倒すことで得られる「断末魔の思念」を消費し、アイテムを入手可能。また「昇華」では「罪」などの「罪産」を使ってアリスのステータスなどを恒久的に強化できるため、何度も挑戦を繰り返すことで攻略の基盤を整えていけます。

さらに「白兎」に歯車クッキーなどの素材を渡すと、ワンダーランド自体の仕組みを変化させられます。たとえばエリア中にHPを回復できるマスが出現するようになったり、必殺技が報酬として出現するようになったりと、周回中の攻略環境が大きく変化します。ちなみに派生スキルや必殺技の使用は各周回でマップ上の報酬として入手する必要があり、せっかく恒久的な強化を進めても、運が悪ければ通常攻撃や回避といった基本的なアクションを中心に戦わなければなりません。

また、ステージ攻略中に使用する通貨として「スピリット」が存在します。スピリットはショップでの買い物に使えるほか、回復マスでは消費することで、より多くのHPを回復できる選択肢を利用できます。どのアイテムを購入するかだけでなく、回復にどれだけのリソースを割くかも判断する必要があるため、道中でスピリットをどう使うか攻略を左右します。

◆難易度の落差が大きく、戦闘のバランスには課題も

ただし、戦闘バランスにはやや不満が残りました。本作には「ストーリー」と「ノーマル」の2種類の難易度が用意されており、拠点で随時変更できます。しかし、アクションゲームが極端に苦手というわけではない筆者でも、「ノーマル」では敵に囲まれると一瞬で倒されてしまうことが頻発しました。複数の敵から集中攻撃を受けると、いくらHPや防御力を高めていても、回避や立ち回りを工夫する余裕がないままHPを削り切られてしまい、歯ごたえや達成感というよりも、理不尽なほど敵の火力が高いと感じる場面がありました。

また恒久的な成長要素があるとはいえ、敗北するとシナリオの進行がリセットされます。敵の火力によって一方的に倒される場面では、敗北を重ねながら戦い方を学んでいくローグライクの面白さというよりも、同じ道のりをやり直す負担が大きく、次の挑戦に向けた手応えを得にくく感じました。

一方で、難易度を「ストーリー」に変更すると、今度は簡単になりすぎてしまいます。強攻撃を連打するだけでも攻略できてしまうため、敵の攻撃を見極めて回避したり、コンボやクライムカードの効果を活用したりする必要性が薄れてしまいます。物語をじっくり楽しみたいプレイヤー向けの難易度が用意されていること自体はありがたいものの、戦闘を工夫して突破する手応えを求めるプレイヤーにとっては、両極端に感じられました。

本作はクライムカードによるビルド構築に加え、敵を投げたりクライムライドを活用したりしながら攻防を組み立てるアクションが魅力です。だからこそプレイヤーが敵の動きを見極め、カードの効果やアクションを工夫しながら攻略できる難易度が欲しかったところ。敵の火力に押し切られる厳しいノーマルと、連打だけで突破できる簡単なストーリーの中間に、試行錯誤を楽しめる難易度があれば、戦闘システムの面白さがより実感しやすかったのではないでしょうか。

◆ダークな物語と独自の戦闘システムが光る一作

『クライムライト』は、罪と懺悔をテーマにしたダークな物語と、ポーカーの役を利用した独自のカードシステム、敵を投げたり飛び道具を跳ね返したりするアクションが組み合わさった作品です。少女たちが背負う過去や歪んだ関係性には『クライ』シリーズらしい魅力があり、断片的に描かれる物語の真相を追いながら、周回ごとに異なるカードを活用して攻略する楽しさも味わえます。

一方で、難易度の落差や敵の火力には気になる部分もあり、戦闘の手応えを求めるプレイヤーにとっては、バランス面で惜しさが残りました。少女たちの物語とローグライクアクションを融合させた本作が、今後の調整によってより遊びやすく、戦略を練る楽しさを実感できる作品になることに期待したいところです。


『クライムライト/CRYMELIGHT』はPC(Steam)/ニンテンドースイッチ2/PS5向けに11月5日より発売中です(Steam版のみ後日発売)。

詳細は公式サイトをご確認ください。

《SIGH》

RPGとADVに強いと自称するライター SIGH

RPGとADVが好きなフリーのゲームライター。同人ノベルゲームは昔から追っているのでそこそこ詳しい。面白ければジャンル問わずなんでもプレイするのが信条。

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