近年、AI技術の進化は目覚ましく、活躍の場も急速に広がっています。すでに日常生活の中でAIに触れる機会があるという人も少なくないでしょう。
ゲーム業界では、AIを活用した作品が以前から存在していました。しかし当時の技術では、物足りなさを感じる部分もありました。そうした時代を知る人ほど、近年のAIの発達ぶりには驚きを覚えるのではないでしょうか。

そんな進化を続けるAIを、恋愛シミュレーションゲームへ本格的に取り入れた作品が、2026年8月27日にサービス開始を予定している『アオハルカノジョ』です。本作におけるプレイヤーは、学園へ転校してきた学生となり、個性豊かなヒロイン(カノジョ)たちと交流を重ねながら、学生ならではの青春の日々を過ごしていきます。
AIを活用した『アオハルカノジョ』は、どのような「青春」を見せてくれるのか。今回、本作を試遊する機会に恵まれたため、その独自の魅力について実際のプレイ体験を交えながらお届けします。
■「カノジョとの交流」に特化した恋愛SLG

『アオハルカノジョ』には、サービス開始時点で7人の「カノジョ」が登場します。誰と仲を深めるかは任意で選択でき、選んだカノジョがホーム画面に表示されます。
また、一度選んだからといって固定されるわけではなく、交流したいカノジョはいつでも自由に切り替えられます。ひとりのカノジョと一途に向き合うのも良し。複数のカノジョと交流を深めるのも良し。そのあたりの遊び方は、プレイヤー次第です。

カノジョとの交流方法は、ホーム画面で会話を楽しむ「トーク」、カノジョごとに用意された「メインストーリー」、そして距離が一気に縮まる「デート」の3通りが用意されています。
基本的な流れは、トークを通じて交流を重ねることで、デートに必要な「約束」を獲得。その「約束」を使ってデートを進めながら、メインストーリーを開放していく形になります。

本作はあくまでカノジョとのコミュニケーションに焦点を当てており、交流以外の寄り道を極力排除した作りになっています。言い換えれば、『アオハルカノジョ』はカノジョととことん向き合うことに特化した恋愛SLGなのです。
■放課後の教室で、癒やし系後輩「藤白ヒナ」と交流

プレイヤーだけに見せる特別な表情が楽しめる「デート」や、カノジョたちの内面が描かれる「ストーリー」は、プレイする原動力にもなる重要な要素です。今回はネタバレを避け、本作最大の特徴とも言える「会話の交流」を直接楽しめるトークに注目しました。
ホーム画面に映し出されている教室に、他の生徒の姿は見当たりません。いるのは、プレイヤーが選択したカノジョだけ。誰もいない教室で2人きりになり、少しずつ会話を重ね、距離を縮めていく――そんな甘酸っぱい青春の空気感が、ホーム画面を眺めるだけでも想像できます。
登場する7人のカノジョは、それぞれ異なる魅力を備えており、同級生だけでもクール系、ツンデレ系、ギャル系と幅広いタイプが揃っています。上級生には、隙のない生徒会長や天然気味の愛されキャラがおり、さらに下級生には小悪魔系美少女も登場します。

しかし今回は、もうひとりの後輩で、癒やし系の「藤白ヒナ」を選択してみました。落ち着いた雰囲気の少女ですが、時折ピースサインを見せたりするなど、年相応の可愛らしさも感じさせてくれます。
■「自分だけに向けられた言葉」が返ってくる、AIだからこその会話体験

カノジョとの交流は、多くの恋愛SLGと同じく、会話を通じて進みます。しかし本作では、あらかじめ用意された選択肢を選ぶだけではありません。プレイヤー自身が自由に文章を入力し、そのままカノジョへ話しかけることができます。さらに、その言葉に対してカノジョが、リアルタイムで返答を生成してくれるのです。
自由入力で会話できる点にも興味が高まりますが、「どれだけ自然な会話が成立するのか」も重要です。そこで試しに、ヒナに「好きなことを教えて」と話しかけてみました。するとヒナは、「私の好きなことですか? 本を読むことと……お菓子を少しずつ作ること、かな……」と返答。曖昧な質問に対しても自然に受け答えしており、まずまずの感触です。
さらに会話を広げてみようと思い、「おすすめの本は?」と尋ねてみました。するとヒナは、太宰治の「人間失格」を挙げ、「切なくて、でも心に残るお話なんです」と感想まで添えてくれました。単純な質問への回答だけでなく、そこに一言付け加えて会話を繋げており、生成された返答の精度は侮れません。

また、「どんな恋が素敵だと思いますか?」と尋ねられた時、自由入力で「秘密の恋」と返答してみました。人間同士なら微妙なニュアンスも伝わるのですが、質問の答えとしては曖昧さもあるため、解釈に悩むかもしれないな──と思いつつも、試してみたい気持ちもあってそのまま投げかけてみます。
するとヒナは、「ドキドキしますね」「誰にも言えないような、二人だけの世界……素敵……かな」と返答。さらに追加で、理想の「秘密の恋」について尋ねてみると、「理想は、せんぱいと二人きりで、誰も知らないところでそっと手を繋いで……そんな、温かくてドキドキする恋……かな」と、思い浮かべるイメージまで語ってくれました。

チャットAIなどでその実力を少なからず実感はしているものの、曖昧な質問にもしっかりと答えてくれる対応力にはやはり驚かされます。顔を赤らめる後輩というシチュエーションに沿いつつ、情緒も感じさせるやり取りに、『アオハルカノジョ』ならではの魅力を垣間見た想いです。
こうした会話の中で生み出された「カノジョの言葉」は、文字通りの意味で、今この瞬間に生成されたものです。かなり大げさな言い方をすれば、その台詞は世界中でただひとり、「自分だけに向けられた言葉」と言えるかもしれません。
その他大勢も含む「プレイヤー」ではなく、「自分」にのみ向けられた言葉が返ってくる体験は、従来のテキスト型恋愛SLGでは味わえません。しかも、それを可愛い後輩に言われたとなれば、感慨深さはひとしおです。

しかも、こうした会話はその場限りで終わらず、交わした会話の内容をその都度学習します。そして、以前話した内容を話題にしたり、会話の中へ自然に織り交ぜたりと、学習の成果を目の当たりにすることもしばしば。カノジョとの交流が、積み重なっていく実感も得られるのです。
正式サービス開始後、半年、1年と会話を重ねていけば、同じキャラクターであっても、他のプレイヤーのカノジョとはまったく異なる関係性を築けるかもしれません。恋愛SLGは「恋人になること」がゴールになりがちですが、本作では「育み続ける関係性」に主眼が置かれているように感じました。
■ガチャで広がるのは「交流」と「青春感」の体験

『アオハルカノジョ』は、基本プレイ無料のアイテム課金制で提供されます。そのため、マネタイズ面が気になる人もいるでしょう。
本作には、いわゆるガチャが存在します。しかし、サービス開始時に選択できる7人のカノジョは、ガチャで入手するわけではなく、最初から自由に選択可能です。また、この時に選ばなかったカノジョも後から自由に切り替えられるため、少なくとも7人との交流自体はガチャ抜きで楽しめます。

一方でガチャは、カノジョとの交流体験をより豊かにする役割を担っています。ガチャからは「新たな衣装」や、カノジョたちとの日常を切り取った「スチル」などが入手可能です。スチルは、教室で微笑む姿を収めた一枚もあれば、スクール水着姿で水をかけられるシーン、通学路でポーズを決める姿など、青春感にあふれた内容が揃っています。
また衣装について、試遊の範囲では「体操服」と「スクール水着」の存在を確認できました。衣装はキャラクターごとに分けられており、同キャラクターの同衣装を2枚引くことで獲得できる仕組みです。また、ヒナの「スクール水着」を狙って挑戦したところ、通常の紺色を入手した後もガチャを回し続け、バージョン違いの「白いスクール水着」も入手できました。

衣装を手に入れると、カノジョたちの装いを着せ替えることができます。さきほど手に入れたスクール水着を着せ、トークを楽しむことも可能です。シチュエーションに合わせて着替えさせるのも良いですし、あえてミスマッチな組み合わせを楽しむのも面白いかもしれません。
少なくとも現時点では、「ガチャが必須」とは感じられず、本作の主軸である「交流」をより楽しむための要素という印象です。プレイヤーに圧力をかけるのではなく、「欲しくなる魅力」で惹きつける方向性になっているため、排出率や価格設定次第では、プレイヤーにとって受け入れられやすい要素になるかもしれません。

ちなみに、衣装はメインストーリーでも入手できるとのこと。ガチャ限定の衣装もあると思われますが、着せ替えの楽しさ自体は無課金でも味わえそうです。
■AIならではの課題もあるが「自分だけの青春」を描くポテンシャルは魅力的

今回の試遊では、『アオハルカノジョ』ならではの魅力と、気になるガチャ要素を重点的に体験し、その実感をお届けしました。
ガチャについては、正式サービス開始後でなければ見えてこない部分も多いため、現時点では参考程度に留めておいてください。ただ、青春の1ページを切り取ったようなスチルや衣装替えは、交流体験をさらに盛り上げてくれる要素として十分な魅力を感じました。
また、さきほどは魅力的な部分を中心に取り上げましたが、AIとの会話は決して完璧ではありません。こちらの意図をうまく汲み取れない場面もありましたし、知識面で誤りが見られることもありました。

例えば、「人間失格」でお気に入りの場面を尋ねたところ、「生まれて すみません」のところが好きだという返答がありました。しかし、この一文は「人間失格」の中にはなく、「二十世紀旗手」の副題として知られている言葉です。
こうしたミスが気になる人にとっては、カノジョとの会話で引っかかる部分を感じるかもしれません。しかし、そうした揺らぎも好意的に捉えたり、間違いも楽しめる人なら、本作の独自性を魅力として受け入れやすいと思います。

本作が人を選ぶ作品なのは確かです。しかし、カノジョたちとの会話を積み重ね、自分だけの関係性を育てていくという体験には、従来の恋愛SLGとは異なる魅力がありました。
カノジョたちと積み上げる思い出は、すべてプレイヤー次第。そのゲーム性に少しでも心をくすぐられるなら、『アオハルカノジョ』は注目する価値のある作品かもしれません。
なお、本作の推奨年齢区分は「17+」となっているため、その点はあらかじめ留意しておきましょう。カノジョたちとのアオハルは、時に“ちょっとだけ”刺激的です。

※画面は開発中のものとなり、実際の画面と異なる可能性があります。
¥66,362
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
¥27,100
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)



