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このインタビューは最終日の日本ゲーム大賞フューチャー賞の授賞式直後に行いました。まずは多数の賞を受賞した感想から。
―――本日はどうぞ宜しくお願いします。まずはゲーム大賞で多数の受賞おめでとうございます!
日野: ありがとうございます。やっぱり嬉しいですね。今回は『レイトン教授と不思議な町』で優秀賞、『レイトン教授と悪魔の箱』と、開発を担当している『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』でフューチャー賞、合計3作品で賞を頂きました。とても有り難いことですね。
レイトン教授3部作 |
第一目「不思議な街」が67万本の出荷となっているレイトン教授3部作。当初から3作品が予定されていました。日野社長によれば、1作目はこう、2作目はこう、3作目はこう、というプランがちゃんとあったそうです。 |
日野: 最初は20万本も行けば、という感じで考えていたので本当に予想以上でした。
―――その要因はどんなところにあったと思いますか?
日野: やはり、徹底的にライトユーザー向けに作ったところでしょうか。『レイトン教授』はアドベンチャーゲームですけど、選択肢は一度も出てきません。だけどちゃんとストーリーを辿っていける作りになっています。全くゲームを遊んだ事がなかったり、ゲームのセオリーというものを知らない方たちが「脳トレ」の次に選んでくれて、遊んでみたら結構楽しめるぞ、と思っていただけたんじゃないでしょうか。普通のゲームの要素も、「脳トレ」の要素も持った、そういう作品だと思います。そこが一般の人にもウケた要因だと思います。女性のユーザーも非常に多いんですよ。
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―――なるほど。それでは「悪魔の箱」の注目点を教えてください
日野: 注目して欲しいのはやっぱりボリュームの面で非常にアップしたということと、全てのナゾが今回の物語用に作られたという点でしょうか。前作「不思議の町」はナゾが強引に出てくる所も多くて、それが良い部分もあったのかもしれないけど(笑)。そうじゃなくて、今回はストーリーに沿った、例えば、鍵穴をあけるときは鍵穴をあけるナゾ、というように、物語に必然性のあるナゾの出し方になっています。そういうところを見ていただければ嬉しいですね。
―――難易度という面ではいかがでしょうか?
日野: 難しさは前作と同じくらいですかね。ただ、あまり辛いナゾ、例えば凄く計算させるような、そういうのは避けようということでやってきました。タッチペンを使って触って楽しいようなナゾを優先して入れました。
―――Wi-Fi対応などは?
日野: 今回はまだ発表できませんが、前作を意識してやっていこうと考えています。どのくらいのボリュームになるかはまだ分かりません。
―――声優陣を見ると「水曜どうでしょう」のファンがいるように思えてならないのですが…?
日野: 僕が大ファンなんです(笑)。
―――安田顕さんが出ると聞いて確信しました(笑)
日野: 実は声の収録の終わりに大泉洋さんと、CMで問題を出す声をあててもらった安田顕さんと、あと何人かで飲みに行く機会があって、二人と話してたら、安田さんが次はどうしても出たいっておっしゃってくれて。「車掌でもいい」っていうんで車掌をやってもらうことになったんです。ここだけの話、藤村Dにも出て欲しいんですよね。
―――映画のプロジェクトが進行中という話でしたが、キャストや時期なんかは? 映画以外の展開も考えられますか?
日野: 詳しくはまだ決まってないですね。公開時期もだいたいというのはあるのですが、決定ではないのでまだ言えません。中身に関しては、プロットなど大筋の部分が大体固まりつつあります。映画以外の展開については、考えてはいるけど、発表できるような確実なものはないといった感じですかね。
―――続いて『イナズマイレブン』についてお聞きします。初めてのジャンルにチャレンジということになります。
日野: 実はサッカーゲームが大好きなんです。『サカツク』(=プロサッカークラブをつくろう、セガ)、『ウイイレ』(=ウイニングイレブン、KONAMI)は全部持ってるし、『LOVE FOOTBALL』(=LoveFOOTBALL 青き戦士たちの軌跡、バンダイナムコXbox360)なんてちょっとコアなゲームも持ってます。いつかは自分でも、と思っていて、『イナズマイレブン』はそんな思いを込めたゲームです。
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―――今までにないジャンルですが、その中でもレベルファイブらしさというのはどんな所にあると思いますか?
日野: そうですね、レベルファイブらしさは暖かい作品のイメージとかそういうところだと思いますが、それは『レイトン』にも『イナズマイレブン』にも共通するところがありますね。
―――1000人以上のキャラクターが出てくるそうですが、すごいキャラクター数ですよね。やっぱり全員は見られませんよね
日野: 全員を見るのは大変ですよ(笑)。自分が集めた11人が他の人のイレブンと違うというのがやっぱり面白いところなんですね。ポリゴンも一人一人違うし、顔のグラフィックも違う。一人分を構成するセットが沢山あって、凄く手間がかかってる所です。
―――その他にこだわった点があれば聞かせてください
日野: やっぱりみんなで遊ぶことができるという所ですね。『レイトン』も同じですが、サッカーゲームのユーザー層を広げようという意識があります。子供達がみんなで遊べるように敷居を低くしたいので、反射神経が必要な指先だけで遊ぶゲームじゃなくて、頭を使って遊ぶゲームにしたいという思いです。戦略を立てて遊べるのがこの作品のおもしろいところだと思うので。
―――みんなで遊ぶという点ではWi-Fiはどうですか?
日野: Wi-Fiは何らかの対応をするつもりです。もちろんワイヤレス対戦にも対応します。
福岡のオススメ |
「ラーメン」を筆頭に「もつ鍋」「焼き鳥」「明太子」と名産が多い福岡。日野社長にオススメのお店を聞いたところ、中央区大名にある「魚末(うおすえ)」という名前が。とっても美味しい魚料理のお店だそうです。行ってみたい〜♪ |
日野: 毎回同じ事はやりたくないですね。そういう思いもあって、今回サッカーゲームを作ったので、次も新しい事をやりたいですね。
―――Wiiもそろそろどうですか?
日野: Wiiは本当に面白いハードなので、近いうちに作りたいと思ってます。
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―――最後に2つのゲームに期待してる読者の方に一言コメントを
日野: 「悪魔の箱」に関しては、前作よりさらにナゾはボリュームアップしているし、ストーリーもスケールアップして、豪華な出演者にも参加していただき、全ての要素が絡み合って、映画級と呼ぶにふさわしいものになりました。テーマ曲はSalyuさんに歌って貰いました。すごく力をかけたタイトルで、単なるゲームを超えた作品になってます。前作とはイメージが大分違っているので、期待して欲しいと思います。「不思議な町」が好きだった人は何倍も楽しめるし、新しいユーザーも楽しめる、本当に良い作品になっているので、ぜひぜひ期待してください。
日野: 『イナズマイレブン』に関しては、まだまだ体験版の段階ですが、新しい作品で、こういうサッカーゲームがサッカー文化に影響を与えて未来の日本代表を生むような、そんな夢を持っています。とてもチャレンジした作品なので期待してください。
―――本日はどうもありがとうございました!