■3Dとの相性ばっちり
『マリオ&ルイージRPG』シリーズ初の3DS作品ですが、立体感のある見下し視点なので3D表現との相性はばっちりです。フィールドでも軽いアクションが要求されるので、高低差や奥行き感がわかりやすく、アクションで戸惑うことはほぼありません。
■RPGとアクションの融合
本作はマリオ本来のアクション要素と、RPG要素がほどよく馴染んでいる印象です。もとの世界とルイージの夢の中の2つの世界を行き来することで進めていきますが、夢の中はなじみ深い横スクロールアクションになっており、通常のフィールドよりもアクション色が強くなっています。でもテクニックは必要ないので大丈夫!
■タイミングバトルにハマる!
バトルはザコ戦でも、「たたかう」コマンドを入れ続けるだけの単純作業にならない配慮があってかなりハマります。攻撃および防御の際にタイミングをみてボタン操作を行うことで、戦闘を有利に進めることが可能です。
例えば踏みつけ攻撃なら敵を踏んだタイミングでもう一度ボタンを押すと追加攻撃ができます。ベストタイミングで攻撃すると「Excellent!!」と表示され大ダメージとなるので、これを狙うために何度もチャレンジしたくなります。
また、敵の攻撃もかわすことができるので、うまくやれば敵の攻撃ターンにカウンターを食らわせノーダメージクリアも狙えます。うまくタイミングを狙い回避し続ければ強い敵相手でも戦うことができるというわけです。
■状況判断能力と反射神経と決断力が大切
敵の攻撃パターンはいくつかあり、わざとタイミングをずらす敵もいるので、回避のタイミングを見極めるにはそれなりのやり込みが必要です。ルイージとマリオ、どちらに攻撃をしてくるかは敵の見線で判断することもできます。地味なところですが回避の際にはこれがかなり重要。
攻撃パターンの把握、それに合わせた的確なボタン操作、そしてリズム感も少々必要かも。やろうとすると案外難しいもので、だからこそノーダメージクリアしたときは爽快そのものです!
■初心者への配慮が丁寧すぎる
回避パターンを把握するため敵の攻撃を受けてたらHPへの配慮が足りずうっかりゲームオーバーに…。するとマリオたちが強くなった状態で再戦できるイージーモードで始めることができました。しかもバトルをやり直すとヒントメッセージも閲覧できます。
イージーモードではマリオたちはかなり強化されるので、ザコ戦なら1ターン目で倒すことも可能。とりあえず立て直したい、バトルから抜け出したいと思ったら、あえてゲームオーバーになってしまうのも手かも。タイミングよく攻撃しないと失敗してしまう「ブラザーアタック」もミスしまくるとスローアタックモードが出現。ゲームを楽しむための惜しみない配慮は謹んで受け入れるべきですね!
また、熟練者への配慮として「エキスパートチャレンジ」もあるので、簡単すぎるということもなく、己に合った難易度の設定ができ、老若男女問わず楽しめるシステムになっています。
■ルイージの寝込みをいじる
さて、システムの話はこのへんにして、そろそろ本題のルイージです!夢の世界のルイージはユメルイージになり、レンドーパーツにのりうつって色々なアクションを起こすことが可能になります。レンドーパーツにのりうつった状態でタッチスクリーン側の寝ているルイージをいじると夢の中にも変化が起こる、という仕組み。つまり、ルイージの寝込みを、寝込みを襲うのです!(大事なことなので二回言いました)
主な操作はひげをひっぱる、鼻をいじってくしゃみさせる、鼻をぐるぐる回すなど。まるでルイージに触っているような感覚です。もっといろんなところをいじりたかった…!と言いたいところですが、全年齢向けなので自重します(笑)。しかしこのルイージ、何をしても全く起きる気配がない。うらやましいほどの寝付きの良さです。
■ユメルイージの豪快バトル!
夢の中のバトルでは、ユメルイージはマリオにのりうつり、マリオが攻撃した後に追撃を食らわせます。しかも大量発生!夢の中ではブラザーアタックも変化。ユメルイージをくっつけて大きな球にして敵にぶつけたり、幾重にも重なってプレス攻撃したりと大胆で豪快なアクションを楽しむことができます。むしろこれ大丈夫?ルイージ死んでない?と心配になってしまうほどのアクションですが、そこは夢なので問題なし。夢って素晴らしい!ブラザーアタックはジャイロを使ったりするので、メニューからおてほんプレイを見て練習をしておくといいかも。次はユメルイージがどんな酷い目…もとい、面白いアクションを起こすのか、楽しみながらプレイできます。
■ルイージの深層心理
そしてルイージファンにはたまらないのが物語を進めた先にあるルイージの夢の底。ルイージの深層心理を垣間みることができるステージです。永遠の二番手に甘んじているルイージにも色々な悩みや葛藤があるのね…そして溢れる兄弟愛。ややもすれば若干引いてしまう程の深い愛が伝わってきます。いやぁ兄弟って本当にいいですね。
■そして進撃するルイージ!
これだけルイージを堪能すればもう充分?いやいや、ここで終わりません。大量のルイージの次はルイージ巨大化です!超大型ルイージが巨大化した敵を駆逐します。マリオは立体起動装置を…使うわけなく、ルイージの頭の上で回復のサポートをしてくれます。1対1のバトルに挑むルイージカッコいい!でもフィニッシュは兄弟連携プレー。結局おいしいところはマリオが持っていくのね…(泣)
<総評>
・立体的な見下し視点は3DSとの相性は◎。
・物語はもとの世界と夢の世界を行き来しながら進行。アクション要素とRPG要素がほどよく馴染んでいる印象。
・バトルはタイミングをみてボタン操作を行うことで戦闘を有利に進めることが可能。「たたかう」コマンドを入れ続けるだけの単純作業になりません。
・ゲームオーバーになった際にイージーモードで再戦できたりと、初心者のための配慮が充実。
・敵の攻撃パターンを見極めてノーダメージクリアを目指したり、「エキスパートチャレンジ」をこなしたり、難易度は自分の力量に合わせて設定するすることが可能。
・寝ているルイージをいじることでユメルイージにアクションを起こさせることが可能。ルイージいじりが楽しめます。
・ユメルイージは大量発生したり巨大化したりやりたい放題。ルイージ好きにはたまらない!
ルイージの数もボリューム満点ですが、物語もやり込み要素もボリューム満点。個人的には登場人物たちのブラックジョークやメタ発言なども本作の魅力だと思います。RPGとアクションの融合という点においては理想的な形ではないでしょうか。ルイージファンでもそうでなくても、文字通り“夢中”になれるゲームです。
『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』は好評発売中で価格は4,800円(税込)です。
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■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/
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