鉄道・箱庭・経営、全方位のおもしろさが進化! 『A列車で行こう3D』飯塚ディレクターインタビュー
鉄道会社の社長となって、会社と都市を成長させる。アートディンクの『A列車で行こう』シリーズは、日本の風景で遊べる箱庭ゲームであり、列車の運行を楽しむ鉄道ゲームとしても多くのファンがいます。
任天堂
3DS

―――秘書が歳を取らないのはなぜ? って声がありますね。
そりゃあ、年取った秘書なんて見たくないでしょう(笑)
―――新キャラクターが登場した、公式サイトの飯塚さんのインタビューでは、30代女性と予告されていました。六本木艶子さんですよね。別のキャラクター紹介のページではアラフォーと紹介されています。
はい。30代のアラフォーです。30代後半の方です。
―――なんとなく年齢が上がったんじゃないかと思うんですけど、飯塚さんの好みがこの数年間で変わったんですか?
違います(笑)。最初からアラフォーの設定でした。
―――成熟した女性がお好みなんですね?
いえいえ、自分が好きというわけではなく、デザインを発注したAさんの趣味かなーと(笑)。
―――女の武器を熟知している、とあるんですが。これは具体的にはどんな?
えーと、キャラの細かい設定については自分は細部までタッチしていないんです(笑)。自由にやってもらったら、ああなったんです(笑)。
―――変なところにつっこみを入れて済みません。今回はシナリオも作れるということで、登場人物のプロフィールも気になるんです(笑)。そのあたり、想像を膨らませて楽しませていただくと。さて、艶子さんは都市開発課長ですから、自治体側の人ですね。
前作では市街化調整区域があったんです。今回は商業地域とか、住宅地域とか、地域設定があるんです。商業地域に商業のビルを建ててくれたら30%の助成金が出るんです。艶子さんの役目はこういう提案をいろいろとすることですね。プレイヤーを街作りに誘導していく役割です。
―――商業地域などは、マップ上に自治体が設定するんですね。
そうです。プレイヤーは直接設定できないんですけど、間接的に関与します。いきなり商業地区になりました、ではないんですよ。商業地区にするべきか検討することになりました、と表示されて、半年くらいの猶予があるんです。その半年以内に、商業地区指定が嫌なら、別の分野の建物を建ててしまえばいい。地域のバランスを変えてしまうんです。そうすると、半年後に「指定されませんでした」と表示されます。
―――助成金のほかに、制限がかかったりするんですか。
そうです。工業地域になったら大きな商業施設は建てられないとかですね。住宅を多めに置くと、住宅地域に設定されましたと。工場は建てられないかもしれない。
―――それははじめからマップに設定されているのではなく、あとから設定されるんですね。
マッブによってははじめから設定されています。自分の街作りのやりかたによって、あとから指定される場合もあります。
■鉄道ダイヤ設定を詳しく
―――飯塚さんの苦手な鉄道の話題なんですけど(笑) びっくりしたのが、カーブがきれいになりましたね。前作ってカーブも斜めの直線で、カクカクっとしていたんですけど。
機能的には同じタイル処理なんですよ。ただ、解像度的に約1.5に増えたんです。前のタイルは24ドット、今度は32ドット。そのぶん滑らかに描けるようになったんです。曲線の種類が増えたのではなく、前作と同じ斜めと直線の組み合わせです。
―――貨物駅ができました。貨物の積み卸しは旅客用の駅ではできますか。
できます。通常の駅で貨物を扱えないとなると難易度が上がってしまうので。基本的には全部貨物を扱えます。ただし、貨物駅は維持費が安くなって、積み卸しの範囲が旅客駅より広くなっています。
―――鉄道ファンにとって、車庫や信号場ができて、ダイヤ作りが楽しくなりました。
ダイヤの設定は5分単位です。前作は1分がゲーム無いの1フレームだったんですよ。それが3フレームで1分になっています。1回のフレームが20秒になってます。前作は電車がカクって動くと1分経過。今回はそれが20秒。ただし、マスコンでゲームスピードは変更できるので、そこは動きとしては補完されてスムーズに動くように見えるんです。よほどこだわるユーザーでないと、そこがどう動いているかはわかりにくいと思います。
―――列車の追い越しができるとか、いろいろできそうですね。
カーブで減速ってのはもともとやっていたんですけど、今回は、駅を発車するときに速度を設定できます。次の駅に行くまでは、高速な列車でも中速まで、って設定の仕方です。中速列車の路線に高速列車を走らせても追突しないように、運行間隔を揃えられるようにしました。
―――車庫に入ると維持費が下がるという点がリアルだなと思いました。
列車を使い続けると時代が進むにつれて老朽化していきます。それにともなって維持費が上がります。車庫に泊めるようにすれば、5年で1.5倍になるペースを10年にできるかも、という感じです。
―――電車は駅に留置するより、車庫に停めておいた方がいいよと。
ただ、それを普通のユーザーにこうしてね、というとまたハードルが上がっちゃうじゃ無いですか。これはそういうところにこだわるユーザー向けの要素ですね。
―――車庫と信号所って、かなりハイレベルなテクニックですよね。
そうですね。だから、ほとんどの人は必要ないと思います。こだわりたい人向けの機能です。
―――隣町の運転時刻を調整できるといいな、という意見が採用されていますね。複線もできる。隣町の駅はどのくらいの距離なんですか。
線路を引くときに、前作は隣町につなぎますか「はい」「いいえ」だったんですけれど、複線を選ぶと、1本の線路の隣にもう1本の線路ができて、行きと帰りで別けられるんです。およそマップ半分くらいの距離に隣町の駅がある感じで固定されています。そこに仮想の駅が建っています。
―――ダイヤ設定が楽しみになってきました。
そうですかねぇ。要望に併せていろいろ追加していった物の、自分としてはそっちを楽しむタイプでは無いので、これでホントに楽しくなってるのかなって思うんですよ(笑)
《杉山淳一》
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