これは“一騎当千の爽快感”と“戦略性”のコラボだ! 試遊プレイが楽しくて製品版も購入した『ファイアーエムブレム無双』プレイレポ

「ファイアーエムブレム」シリーズの名を冠するタクティカルアクション『ファイアーエムブレム無双』。本作は、一騎当千の爽快アクションを展開し続けている「無双」シリーズとのコラボレーションタイトルとなっており、これまでにない新たな一作となります。

任天堂 Nintendo Switch
これは“一騎当千の爽快感”と“戦略性”のコラボだ! 試遊プレイが楽しくて製品版も購入した『ファイアーエムブレム無双』プレイレポ
これは“一騎当千の爽快感”と“戦略性”のコラボだ! 試遊プレイが楽しくて製品版も購入した『ファイアーエムブレム無双』プレイレポ 全 18 枚 拡大写真

「ファイアーエムブレム」シリーズの名を冠するタクティカルアクション『ファイアーエムブレム無双』。本作は、一騎当千の爽快アクションを展開し続けている「無双」シリーズとのコラボレーションタイトルとなっており、これまでにない新たな一作となります。

「無双」と一口に言っても、シリーズ作品の特徴は実に多彩。本作では、シミュレーションRPGシリーズとして名高い「ファイアーエムブレム」の要素を取り入れており、インタビューでも戦略性についても重要視しているとのコメントがありました。

「無双」シリーズはこれまで、「真・三國無双」や「戦国無双」など、多彩なシリーズ作品を展開。作品同士の垣根を超える代表シリーズとして「無双OROCHI」もあり、また今回のような任天堂タイトルとのコラボレーションでは、「ゼルダ無双」という先駆者もいます。

ですが、「ファイアーエムブレム」のようなシミュレーションゲームとコラボするのは、今回が初めて。「ファイアーエムブレム」のキャラクターを操作してアクションできるというのは、ファンにとって嬉しい要素であると同時に、どんなゲームになるのかと一抹の不安を感じてもおかしくありません。

筆者も「ファイアーエムブレム」ファンとして、本作に大きな期待を寄せつつ、戦略性の有無や原作の要素がどのように活かされているのか、ずっと気になっていました。そこで、「東京ゲームショウ2017」に出展されていた本作を試遊し、まずはその手触りをチェックしてみます。

◆「FE」キャラで「無双」って……楽しい!



『ファイアーエムブレム無双』が持つ魅力のひとつは、作品の垣根を越えて力を合わせる点。「東京ゲームショウ2017」での試遊では、セリカやティアモら4人のキャラクターを率いて戦うことができました。

今回は試遊なので、残念ですが時間制限つき。そのため、戦略性やゲームシステムについては二の次とし、アクション面を意識して遊んでみました。まずは、操作方法をチェック。Yボタンで弱攻撃、Xボタンで強攻撃など、馴染みやすいボタン配置なので、特に大きな問題はなさそうです。ボタン配置が気になる方は、下記をご覧ください。

L:ロックオン
ZL:ガード
十字キー 上:操作キャラ変更(逆)
十字キー 左:指南表示
十字キー 下:操作キャラ変更(順)
十字キー 上:ミニマップ表示切り替え
Lレバー:移動

R:覚醒
ZR:同時押しボタン
X:強攻撃
A:無双奥義
B:回避
Y:弱攻撃
R押し込み:挑発
Rレバー:カメラ操作

基本的な操作以外で最初から覚えておきたいのは、十字キー(PROコンの場合)の上下で行う「操作キャラ変更」。多彩なキャラを使うのが楽しいのはもちろんですが、個々のキャラは戦場のあちこちにいるため、状況に応じて切り替えると敵の撃破や目的の達成などが非常にスムーズとなります。この快適さは、試遊の範囲でも実感できました。また、ピンチになったキャラを自ら操作することで、延命したり逃げ出すといったことも有効でしょう。

操作感そのものは、「無双」シリーズの経験が生かされており、モタつく感じもなく快適そのもの。攻撃のテンポや回避のリズムもよく、ただボタンを連打しているだけでも心地いい仕上がりです。また、「ファイアーエムブレム」の戦闘は基本的に1vs1なので、雑魚と言えども一気になぎ倒す爽快感は刺激的かつ新鮮です。


移動については、いわゆる徒歩のキャラでも「遅い」と感じることはありません。一定以上移動していると加速がかかるので、徒歩でも移動に困ることはなさそうです。もちろん、騎乗キャラの方が移動速度については一歩上。この長所を生かして戦場を駆け回れるのは「無双」らしくもあり、また「ファイアーエムブレム」での移動距離の長さも彷彿とさせます。

ちなみに、「ファイアーエムブレム」でお馴染みの「三すくみ」も本作に反映されているので、その点でもキャラの切り替えは重要なポイント。やはり有利な武器種などで挑みたいものです。実際に、斧を持つフレデリクに対してセリカで挑んだ時は、スムーズに撃破できたように感じました。

仲間で力を合わせる「ダブル」といった原作要素を感じるものから、「無双奥義」など本作だからこそ味わえる要素もあり、「“ファイアーエムブレムキャラ”をアクションできる楽しさ」という面白さは、期待に相応しいレベルに仕上がっており、満足度の高い試遊プレイとなりました。

◆プレイ体験おかわり! 製品版では「ファイアーエムブレム」らしさをチェック



アクションとしての手触りは一級品でした。ですが、試遊プレイは制限時間があるため、気になる点を全てチェックすることは叶いません。なので、特に「ファイアーエムブレム」要素を確かめるべく、発売されたばかりの製品版を早速購入してみました。

ゲームを立ち上げると、厳かに流れるオープニングムービー。様々な「ファイアーエムブレム」キャラが彩る、豪華な映像となっています。web上でも発売直前に公開され、好評を博しました。未見のかたは、こちらからどうぞ。

YouTube 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=_JKQIyghGRc

ちなみに、「プレミアムBOX」のニンテンドースイッチ版を購入したのですが、外箱には25人のチビキャラが並んでいます。公式サイトのキャラ紹介には24人しかいなかったはず……と思っていたら、発売日当日に「アンナ」のアクショントレーラーが公開。まさか、彼女が参戦するとは。しかも、発売日当日に発表するなんて。ゲームスタート前から驚きの連続です。

YouTube 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=f3Oh_p_tWHs

興奮覚めやらぬままゲームを開始すると、まずは主人公の選択。本作のオリジナルキャラである「シオン」と「リアン」から選択します。このほかにも、難易度(「イージー」「ノーマル」「ハード」)や、ゲームスタイル(「カジュアル」「クラシック」)などを選びます。


カジュアルなら失った仲間は次の章で復活するので、気軽に楽しめます。対するクラシックは、失った仲間は戻りません。かつての「ファイアーエムブレム」はクラシックしかなく、この厳しさゆえに大きな達成感もありました。何度カミュに泣かされたことか……! 最近の「FE」作品は選択制になっているので、『ファイアーエムブレム無双』でもしっかり踏襲された形と言えるでしょう。


ネタバレを避けるため、ストーリーについては言及しませんが、導入から物語の立ち上がりまで非常にスムーズ。チュートリアルも兼ねているため、操作を覚えつつストーリーを追いかけられます。



裏剣ファルシオンを装備した「仮面のマルス」が登場したり、クロムたちとの出会いが『覚醒』の1シーンを思い出させるなど、『覚醒』ファンの心をくすぐる展開が続き、コラボ作品らしさを早速醸し出します。この分だと、『if』や『新・暗黒竜と光の剣』についても、色々なネタが盛り込まれていそうです。


戦っていると、お馴染みの音と共にレベルアップ。力や守備力などは原作と効果を持つ近しいパラメータですが、「速さ」は覚醒状態の継続時間に、「幸運」は回復アイテムのドロップ率に影響する模様。この辺りは、「無双」向けに落とし込まれている点となります。

試遊版でも味わった「三すくみ」ですが、あの時は時間制限の関係上、詳しい効果を実感するには至りませんでした。製品版で改めて確認したところ、三すくみ有利時には「与えるダメージが増加」「スタンゲージの出現率上昇」「必殺の一撃が強化」といった効果があります。


逆に、三すくみ不利時だと「敵がガードしやすい」「敵から受けるダメージが増加」「スタンゲージが出現しない」など、厳しい戦いを強いられます。ちなみにこの有利不利は、操作していないキャラにも適用されるので要注意です。

なお、覚醒ゲージが明滅している時にRボタンを押すと、覚醒状態になります。この状態はゲージがなくなるまで続き、「全武器に対して三すくみ有利な状態」「一定撃破数ごとにボーナス発生」といった嬉しい効果が発生。「三すくみで不利だけども、このキャラでアイツを倒したい……!」といった場合にも効果的です。


また、「ファイアーエムブレム」らしさを感じられる大きなポイントは、メニュー画面から行える「指示」です。この「指示」はキャラに対して出すことができ、ある地点まで移動させたり、敵キャラを指定して戦わせることが可能。増援が2方向から出てきた際に、片方を任せたり足止めするといった戦略を取ることもできます。特定のキャラを護衛させるといった指示も出せるので、この「指示」がゲームクリアを力強くサポートしてくれることでしょう。

「指示」を駆使して各個撃破というのも有効ですが、キャラ同士が近くにいる場合も様々なメリットがあります。「杖」を所持しているキャラならば、周囲の味方を回復することが可能。しかも杖の使用回数は、バトル終了後に元に戻るのでご安心を。買い直したり修理する必要はありません。ですが、杖で自身を回復することはできないので、その点はご注意を。


そして、味方同士が近くにいる時に「ZR+B」を押すと、「ダブル」状態に移行。前衛・後衛の組み合わせで、共に行動する形になります。後衛が操作可能なキャラの場合は、前衛と後衛を任意で切り替え可能なので、三すくみの相性が悪い敵と出会った時に交代する、といった戦法も有効でしょう。


ダブル状態だと、「後衛に応じて前衛のパラメータが上昇」「デュアルアタック、デュアルガード、デュアル奥義を発動可能」といった嬉しい効果も。また、ダブル状態でアクションしたり、HPの減った仲間を回復する、仲間のお願いを達成するといった行動を取ると、キャラ同士の絆が高まり、一定以上でレベルアップします。ちなみに操作キャラだけでなく、非操作キャラにダブルを「指示」することも可能なので、戦略的にも重要な要素となりそうです。



物語上でも「ファイアーエムブレム」作品のオマージュが見られ、「三すくみ」に「ダブル」、「絆の上昇」といったお馴染みのシステムも搭載。また、戦局に応じて非操作キャラに「指示」を出し、移動・戦闘に当たらせるのも、「ファイアーエムブレム」らしさを意識させる点でした。この指示はリアルタイムで反映され、そして状況は常に動いているため、「“リアルタイム”ストラテジーなファイアーエムブレム」を遊んでいるような感覚もちょっと味わえます。これも「無双」とのコラボ効果と言えるでしょう。


シミュレーションRPGとタクティカルアクションの融合によって生まれた『ファイアーエムブレム無双』。その化学反応に期待する方もいれば、一抹の不安を感じている人もいることと思います。ですが実際に触ってみると、不安の大半は払拭される出来映えだと個人的に感じました。

「無双」としてのアクション性も、「ファイアーエムブレム」の要素を入れたコラボ作としても、十二分に満足できる仕上がりになっています。「あのキャラがいない……!」とお嘆きの方は、DLCや今後の更なる展開などに期待しておきましょう。そのためにも、まずは、『ファイアーエムブレム無双』のプレイから始めてみてはいかがですか。

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《臥待 弦》

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